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注目選手紹介
ドゥエイン・フェルミューレン
南アフリカ
注目ポイント!世界最高ナンバーエイトの呼び声高い「スプリングボクス」の象徴
ラグビーで突進する選手に注目したければ、「スプリングボクス」こと南アフリカ代表のフォワード陣がお勧め。プロップのテンダイ・ムタワリラがボールを持てばスタンドは「ビースト!」とニックネームを叫び、身長203センチでロックのエベン・エツベスもスピードが合って迫力満点だ。
そのラインアップでひときわ光るのが、ドゥエイン・フェルミューレン。攻守の軸にあたるナンバーエイトにあって、世界最高とも呼ばれる33歳だ。身長193センチ、体重117キロという図太い身体で、ボールをもらえば迷わず相手防御網へクラッシュ。タックルを引きずっては前に出る。
守っても初の黒人主将となったフランカーのシヤ・コリシとともに、相手ボールの接点にへばりついて攻めのテンポを鈍らせる。ピンチの局面でのタックルもパワフルで、相手を進行方向と逆へ転ばせる。不屈の人でもある。2014年に同国最優秀選手となりながら、翌2015年には繊細な治療が必要な首を手術。孤独なリハビリを強いられたが、同年のワールドカップイングランド大会では予選プールの途中からカムバック。タフに働いた。
チームはフェルミューレンの出ていない日本代表戦こそ屈辱的な黒星を喫したものの、フェルミューレンら主戦級が揃ってからは大会前から続いていた低迷を脱却。準決勝では2連覇するニュージーランド代表にも肉薄し、3位で戦い終えた。
謙虚で誠実な人柄でも知られ、母国からスーパーラグビー(国際リーグ)に挑むチーターズ、ストーマーズ、ブルズ、2015年から挑んだフランスのトゥーロンと、出向いた先の指揮官から絶大な信頼を得る。2018年には日本のクボタにも加わり、この国のラグビーファンも大いに楽しませている。今度のワールドカップ日本大会へは、チーターズ時代に師弟関係にあったマシー・エラスムスヘッドコーチとともに挑む。文句なしの重厚感で試合そのものの質を高める。
(文=向 風見也)
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