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注目選手紹介
オーウェン・ファレル
イングランド
注目ポイント!ラグビー発祥国の看板スター
エディー・ジョーンズ率いるイングランド代表の司令塔兼リーダーが、オーウェン・ファレルだ。スキルや判断力もさることながら、出場するだけで試合の空気を変える統率力も際立つ。
ポールを斜め下から覗き見るようなルーティーンから蹴るゴールキックは高い成功率を保ち、速い展開のもとで的確な情報交換をしながら鋭いパス、キックを操る。危険地帯へ回り込んでのハードタックルでもチームを救う。パフォーマンスは一定で、いわゆる「実力を発揮する実力」に秀でている。
現アイルランド代表アシスタントコーチのアンディー氏を父に持ち、以前はコンタクトの激しい13人制のリーグラグビーもプレー。所属のサラセンズでも2015年度、2018年度のプレミアシップ、ヨーロピアン・ラグビー・チャンピオンズカップの2冠に輝いた。
イングランド代表としては、2012年に20歳の若さでデビュー。2015年に母国で行われたワールドカップでは、ジョージ・フォードからレギュラーの座を奪って奮闘した。しかし結果は予選プール敗退という、単独開催国初の屈辱に泣いた。しかし、現体制下でもその実力を発揮し、2016年2月以来テストマッチ18連勝。同年には副将、2017年は共同主将、さらに2018年は単独主将に指名されてリーダーシップも磨いてきた。2018年11月の日本代表戦では、前半にビハインドを許したチームへ後半から加わると流れを一変させ、首尾よく逆転勝利した。
2013、2017年には英国連合軍のブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズにも選ばれ、2017年にはヨーロッパ最優秀選手も受賞。世界最優秀選手候補にも3度ノミネートされてきた(2012年、2016年、2017年)。まさに、ラグビーが生まれた国の看板選手である。
ワールドカップ史におけるイングランド代表では、2003年のオーストラリア大会決勝でジョニー・ウィルキンソンが決定的なドロップゴールを決めてヒーローとなっている。ここで敗れたオーストラリア代表を率いていたのが、現イングランド代表指揮官のエディー・ジョーンズだった。日本大会の開幕が近づく。あの時イングランド代表に負けたジョーンズの選んだ司令塔は、いま、イングランド代表史上最大級のヒーローとなる可能性を秘める。
(文=向 風見也)
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