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注目選手紹介
デービッド・ポーコック
オーストラリア
注目ポイント!勝利をもぎ取る、得意のジャッカル
長い腕と恐るべき背筋が、ワラビーズことオーストラリア代表のピンチを救う。
フォワード第3列のフランカー、ナンバーエイトを任されるデービッド・ポーコックは、相手の接点で球へ絡む「ジャッカル」というスキルに秀でる。相手のサポートが薄いと見るや、瞬時に地面のボールへ腕を巻き付ける。腰を落としながらも膝を地面につけず、そのままボールを奪ったり、相手の反則を誘ったり。
「各自が自分の役割を果たした結果、ターンオーバー(攻守逆転)が起こる。私のジャッカルも、誰かが低いタックルを決めてランナーを孤立させたことでできるプレーです」
身長183センチ、体重103キロと、国際級にあっては決して大柄ではない。しかし、その強靭さで国際ラグビーに確かな足跡を残してきた。2008年にワラビーズデビューを飾って以来、4年に1度のワールドカップへも2011、2015年に2大会連続で出場。イングランドでおこなわれた2015年の大会では、主将でオープンサイドフランカーのマイケル・フーパーとともに背番号7、8をつけて地上戦を席捲。3大会ぶりの決勝進出を果たした。
「アスリートはみんな、ポーコックを手本にしたいと思っています」とは、日本代表のある中心選手。アフリカ大陸のジンバブエに生まれ、2002年にオーストラリアへ移住してきたポーコックは、グラウンド外では同性愛者の権利拡大やフェアトレード(発展途上国との経済格差 解消のための公平貿易)の促進など、社会活動にも力を注ぐ。
「私自身、社会から大きなものをいただいている。トップアスリートとして、社会に貢献するのも義務だと思います」
2017年に日本のパナソニックでプレーした際は、主将でフランカーの布巻峻介から「試合中に仲間へ声をかけてくれるところも見習いたい」とリーダーシップも尊ばれた。強く、思慮深いポーコック。3度目のワールドカップとなる日本大会では、強豪のウェールズ代表や伏兵のフィジー代表と激突する。快心のジャッカルで勝利を手繰り寄せるか。
(文=向 風見也)
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