展望
激戦必至の予感 戴冠のカギを握るのは距離適性
2022年5月24日 08:58配信
皐月賞の1~7着馬がすべて登録してきた今年のダービー。出走のために必要な収得賞金のラインはかなり高く、重賞で好走した馬が分散していることと、故障で離脱した馬が少ないことを示している。混戦のダービーと言っていいだろう。
皐月賞を制したのはジオグリフ。新種牡馬ドレフォンは自身が短距離馬である一方、初年度産駒からクラシックホースを出して成功を収めた。本馬はスタミナを母方から受け継いでいるのだろうし、最近の傾向として2000mをこなす馬は2400mもこなしてくることが多い。ただ2400mこそがベストという馬が出てきた場合にどこまで対抗できるかはやってみないと分からない。
イクイノックスはどちらかというと距離延長がプラスになりそう。東スポ杯から皐月賞というのは異例のローテだったが、それでも2着したのは能力のあらわれ。使われてデキが落ちるということはないだろうし、楽しみな一戦になる。
ドウデュースの皐月賞は道中の位置取りがさすがに後ろすぎたという印象。朝日杯FSを勝つような馬なので逆に2400mがどうかやや心配だが、差し・追い込みでのダービーというのは武豊騎手の得意なパターン。Cコース替わりで内枠・先行馬が有利な馬場になってしまうと困るが、外差しが届く馬場状態なら結果に繋がりうる。
ダノンベルーガは皐月賞で馬場と展開に泣かされたという印象。当時インはあまりコンディションが良くなかったし、1枠1番で戦略の選択肢が無かった。東京で連勝を決めた馬だし速い上がりも使える馬。コース替わりで変わり身がありそうな1頭だ。
ホープフルS勝ち馬のキラーアビリティは皐月賞で13着と大敗。休み明けだったし内枠も良くなかった印象なので、負けたこと自体はやむをえないところ。ただそれにしても大きく負けすぎなので、どれだけ立て直してこられるか。
青葉賞を制したのはプラダリア。正直なところ今年の青葉賞はメンバーのレベルがそれほど高くはなかったように思うが、この馬は2,2,1,1着と大敗のないままダービーに臨んでおり、今回も相手なりに走れる可能性はある。極端に速い上がりには対応できない可能性があるし、この馬は道悪もこなせるので雨が降ったほうがチャンスはありそうだ。
アスクワイルドモアは父キズナと同じ京都新聞杯→ダービーのローテで臨む。京都新聞杯組というのは毎年伏兵としての怖さがあるのだが、この馬はホープフルSに出走して10着と大敗しているので、皐月賞組に対し分が悪いかもしれない。勝った勢いでどこまで食い込めるか。プリンシパルSのセイウンハーデスも人気薄での勝利だったし、別路線組に連戦連勝タイプがいないぶん、今年は皐月賞組が優勢に見える。
text by 須田 鷹雄