ヨガ 最新情報
【連載】「ヨガと人と。」 ~本当は、生きているだけで幸せ~
この連載「ヨガと人と。」では、ヨガ講師・ヨガインストラクターである私、山下真由実がヨガと出会ったこと、また旅先やヨガを通して出会った人、ヨガ哲学の教えから学んだことなど、経験したことを皆さんにお話ししていきます。
前回のお話しは『【連載】「ヨガと人と。」 ~洗濯機と洗濯物は一緒に回らない。その極意とは?~』でした。
今回は『本当は、生きているだけで幸せ』をお話しします。
カルマヨギーのとある休日
バハマにはたくさんの島があります。シヴァナンダアシュラムではそれらの島々を船で渡りながらシュノーケルを楽しむことができるアクティビティを提供していました。
宿泊客は費用がかかるのですが、当時アシュラムのスタッフ(カルマヨギー)は無料で参加することができました!
ある日の休日、私は友人たちと一緒にそのアクティビティに参加することにしたのです。
小さい船に乗り込んで出発すると、光る海に島々が見えました。
しばらく海原を進み続け、どこかの島に船をつけるのかと思ったら、海の真ん中で船が止まりました。船頭さんに話を聞くと、この一帯がダイビングスポットであるとのこと。
なんと海の底には沈没船があり、自由に散策できるというではないですか。
初めて水の底に深く潜っていく感覚は、なんとも新鮮
シュノーケルのゴーグルを水面につけて下をのぞくと、確かに深い水の底に船が沈んでいます。ですがだいぶ深いので、その船は小さく見えました。
当時、私はプールでも海でもカラダが浮いてしまい、深く水に潜ることができませんでした。ですから、何度も潜ろうと挑戦したのに全く下に進めないため、他の人だけで沈没船の探索に行ってもらおうとしました。
潜るコツを口々に教えてくれていた友人たちは「せっかくだから一緒に行こうよ!」と右と左で一人ずつ私の腕をとり、「せーの!」と一緒に潜ってくれたのです。
初めて水の底に深く潜っていく感覚は、なんとも新鮮。透明度の高いバハマの海は、深い海の底にも光を通します。
言葉が通じなくても分かるってこういうことか
船のいたるところに藻が生え、魚がキラリと光りながら船室を通り過ぎていきました。鼓膜に伝わるシュノーケルから微かに泡が出る音や、泳ぐ時のくぐもった水の音と皮膚に感じる海水、それ以外はとても静かでした。
言葉ではなく、身振り手振りと友人たちの手の感触で、行く方向が分かったり、意思の疎通が取れることが面白く感じたことを覚えています。
伝えようとして、受け取ろうとすれば、言葉がなくても理解し合えることがたくさんあるのだろう、と体感したひと時でした。
太陽と月の真ん中に立つ
沈没船から戻り、日がだんだんと傾いてきた頃、私たちは小さな島に上陸しました。
その島には人は住んでおらず、小さな砂浜と岩場に数本のヤシの木、草木がまばらに生えている以外は360度見渡す限りの海と空が広がっていました。
水平線が遠くに丸く見えて、「地球はやっぱり丸いんだなぁ」と感慨深く思ったことを覚えています。
穏やかな海を眺めていた時、右を見ると月が、左を見ると太陽が同じくらいの高さにあり、私はその真ん中にいることに気がつきました。
全く遮るものがないと空はこう見えるのか!と、大自然の美しさに息をのみました。
波の音を聞きながら月と太陽の光に照らされて、ただ立つ。
足の裏には砂と大地の感覚があり、海風が吹きぬけ、空気には太陽の暖かさと、徐々に夜に向かっていく涼しさを感じる…それだけでものすごく幸せでした。
あの時、持てる感覚をフル稼働して「世界の真ん中に自分がいる」という実体験をしたと思っています。
生きているだけで幸せなのだ
毎日いろんなことがあって、時には何で私だけが・・・とか、もっと幸せになりたいと願うこともありますが、本当は、生きているだけで幸せなのだろうと、思うのです。
カラダや感覚を使うのではなくて頭の中だけで考えていると、どんどん今を感じなくなって、もっと頭の中だけに生きてしまうのではないのかと。
幸せって頭の中じゃなくて体験の中にあるのではないかなと。
だから私たちは、この肉体に感覚器官をもって生まれてくるのではないでしょうか。
幸せを知るため、感じるために。
あの時、潜り方を教えてもらった私は、今ではコツをつかんで一人でも水に潜ることができるようになりました。
やはり、知識を知るだけではなく、実際にカラダを使い、練習して経験したことが身につくのだな、と思います。ヨガもしかり、ですね!
【PR】『ヨガ哲学の世界』連載中のインストラクターからヨガを学ぼう!
▼体験レッスン・オンライン説明会受付中
ヨガスクール FIRSTSHIP
投稿 【連載】「ヨガと人と。」 ~本当は、生きているだけで幸せ~ は YogaFull に最初に表示されました。
掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。