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【連載】ヨーガスートラ:ヤマの5つの教え「アヒンサー/アヒムサ―」とは?
これまで【連載】ヨガの八支則ってなぁに?(1)~(8)では、ヨーガスートラの八支則をお伝えしてきました。
新しく始まるこの連載では、ヨーガスートラの八支則から、「ヤマ」と「ニヤマ」について解説していきます。
また、おススメのヨガポーズもご紹介しますので、ぜひ行ってみてくださいね。
では「ヤマ」の5つの項目についてひとつずつ見ていきます。今回は最初の1つ目「アヒンサー/アヒムサ―」についてです。
暴力的な物事を避ける「アヒンサー/アヒムサー」とは
「アヒンサー/アヒムサー」とは「非暴力」と訳されます。
すべての暴力的な物事を避けることを指します。当たり前のように思えるかもしれませんが、「アヒンサー/アヒムサー」を実践することは、なかなか難しいものです。
生きとし生けるものや環境を傷つけないことを心がけるだけではなく、自分自身に対しても暴力的であってはなりません。
疲れているのに、きちんと休養を取らないことや暴飲暴食など、自分のカラダを大切に扱わないことも含まれます。こういった状態では疲れを感じたり、カラダに不調が出たりして気がつきやすいですが、心に関しての暴力はなかなか気がつきにくいものです。
自分をどう思っているのか、気がついていますか?
例えば、仕事で何かうまくいかなかった時、「ミスをした…評価を下げてしまった。」「この仕事は自分には向いていないんだ…。」と、自分を責めたことはありませんか?自分自身を責めることも「アヒンサー/アヒムサー」になります。
責めるというのは否定すること、つまり「良い」「悪い」の二極で見て「悪い」判断を自分に下している状態です。実はこの判断が、自分に対しての暴力なのです。
確かに、人に迷惑をかけたのであれば、素直に謝ることは必要です。
しかし自分を責め続けたり、くよくよと思い悩むことは、必要のない苦しみを自ら自分に課しているようなもの。自分の思いにとらわれていることに気がつかなければ、心は「思い悩むこと」にエネルギーを注ぐため、今できることに集中することから遠ざかってしまいます。
今できることを行わなければ、自分にまた否定的な判断をすることが増えます。長く続けば苦しみが増え、自分に対する不快な思い込みが強くなります。すると「自分はダメだ。」という言葉として思いが出てきたり、行いに表れていくのです。
これまでの連載でお伝えした通り、本来、心は川のように常に流れていくものです。過ぎた過去で体験した感情にとどまっている時点で、心はせき止められ、滞っているということになります。
滞りが続くほど心は淀み、今をそのまま見ることが難しくなります。
どなたがお話ししたのかは諸説ありますが、ここで私の好きな格言をご紹介しましょう。
思考に気をつけなさい。それはいつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい。それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい。それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい。それはいつか性格になるから。
性格に気をつけなさい。それはいつか運命になるから。
「アヒンサー/アヒムサ―」の教えである暴力的な物事を避けることも、まさに始まりは思考からです。
そして、人々や環境を理解し、思いやりをもって接するためには、まずは自分に対して苦しみを生む判断をしない、つまり暴力的な事柄を避けることが必要です。
私たちが練習すべきことは、自分の思考に気がつき、苦しみを生むものであれば手放し、今に集中することなのですね。
おススメのヨガポーズ「感覚に立ち返る太陽礼拝」
もし、自分の思考に気がつくことが難しいと思う時には、太陽礼拝を繰り返してみましょう。
一つ一つの動作を、呼吸に合わせて体の動きを感じながら行ってみてください。繰り返していく中で今行っていることへの集中が高まり、それ以外のことは頭の中の思考なのだと気がつくことができます。
一つひとつのポーズは、【ヨガポーズ解説】ヨガの王道。知っておきたい「太陽礼拝」にて確認いただけます。
いかがでしたか?
「アヒンサー/アヒムサ―」を実践するために、まずは思いに気がつくことから始めてみましょう!
きっと少しずつ心の風通しがよくなり、軽くなっていくはずです。
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