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【連載】ヨガの八支則ってなあに?②今を納得して生きるための「ニヤマ」の教え
ヨガレッスンに通っているうちに、「ヨガの教えでは…」と哲学的な考え方を耳にすることはありませんか?ヨガはカラダを動かすだけのものではなく、心の働きを定め、幸せになるための哲学が起源となっています。
この連載では、ヨガの哲学の中でもヨーガスートラの八支則についてひとつずつ解説していきます。
今できることに心を尽くす練習「ニヤマ」とは
「やらなくていいこと」を「するべきこと」だと思い、「やるべきこと」を「やらなくていいこと」と思う。
注意力が散漫で「また同じことをしてしまった…」と、後から後悔をする…。
どうでしょう?思い当たることはないでしょうか。
私たちは自分の行いに、どれほど気がついているでしょう。
ひとつの物差しの両極に「好き」と「嫌い」があるとしましょう。そしてもうひとつの物差しの両極に「なすべき行い」と「すべきではない行い」があります。両端に行けば行くほどその度合いが強くなります。
このふたつの物差しの組み合わせで「好きだからやる」「好きだけどやらない」「嫌いだけどやる」「嫌いだからやらない」という判断基準が大なり小なり生まれます。
実はどれも心を波立たせるものばかり。
好きなことは執着して追い求め、嫌いなことは何としても避けようと躍起になります。行いをするときに好き嫌いで判断すると、心に苦しみを生むことがあるのです。
では、自分に苦痛を引き起こさないようにするには、どうしたらよいのでしょうか。
ひとつめは「好き」「嫌い」の物差しはあってもいいけど、行いを選択するときは「なすべき行い」と「すべきではない行い」だけを正しく見ること。
なすべき行いとは、この世のためになり、有益であり調和のとれた行いのことです。
ふたつめは「好き」「嫌い」という反応に耳を傾けるのではなく、自分のカラダと時間を使って、「今できるなすべき行い」に、心を込めていくことです。
ニヤマの教えは心がどんな反応をしているのかに気が付き続け、行いをしていくことで心身を浄化していく方法です。
自ら苦しみを生まないという目的を軸に、心を注意深く見守り育てることが書かれています。
心に迷いがなく、今を納得して生きるための生活規範です。
1:サウチャン(清潔)
身の回りを整える、カラダを丁寧に扱い、清潔に保つという外側の清潔さと、心の中をクリアに保つという内側の清潔さのことです。思いと言葉と行いを一致させることで自分自身を整えます。
2:サントーシャ(知足)
「足るを知る」と日本語訳では書かれます。あることに目を向けること。例えば、大きなビンにキャンディが半分入っているのを見て「まだ半分もある!」と思うのか「もう半分しかない…」と思うのか。
どちらが心穏やかに過ごせるでしょうか。答えは歴然としていますね。あるがままを見て、常にこれがすべてという心境でいられることは心を穏やかにします。
3:タパス(規律)
目の前のことに好き嫌いで反応せず、目的を見据え規律をもって生活すること。
なすべきことに心のエネルギーを使うことを学び、それを継続することで、強い意志を育みます。長く続けるうちにそれが自分への信頼となっていきます。
4:スヴァディヤーヤ(聖典の読誦)
聖典の勉強をすることですが、宗教的なものを学ぶということではありません。今では自分の考え方の基盤になるものを読んだり、学んだりすることと考えます。行動を選ぶときに自分の指標になるものを心において正しい方向性を持ちましょう。
5:イーシュワラプラニダーナ(祈念)
やるべきことに心のエネルギーをすべて注ぐこと。心を込めて行いをすること。見返りを求めると心は結果に左右され一喜一憂し、苦しみを生みます。
自分の心とカラダを使ってやり切ったら、その行いの結果は世界にゆだねること。そんな心の使い方には「今」しかないので苦しみを生みません。
いかがでしたか?
この中のひとつでも自分の性格の一部になるまで突き詰めて実践すると、心は静かに、清らかになるとされ、そうなると私たちはいつも自然に瞑想しているのだとヨーガスートラには書かれています。実践あるのみ!
毎日の生活の中でこの教えを心がけ、忘れたら思い出し、少しずつ心を磨いていきましょう。
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