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【連載】ヨガの八支則ってなあに?⑤心が反応する前に感覚に立ち返る「プラティアハーラ」の教え
ヨガレッスンに通っているうちに、「ヨガの教えでは…」と哲学的な考え方を耳にすることはありませんか?ヨガはカラダを動かすだけのものではなく、心の働きを定め、幸せになるための哲学が起源となっています。
この連載では、ヨガの哲学の中でもヨーガスートラの八支則についてひとつずつ解説していきます。
「プラティアハーラ」ってなあに?どうして練習するの?
「プラティアハーラ」は「感覚の制御」と訳されます。
感覚には、「視覚」「聴覚」「嗅覚」「味覚」「触覚」の5つがあるとされ、私たちが生きるこの世界の情報をキャッチする窓口の役割をもっています。
その刺激に、心は必ず反応します。
焼きたてのパンの香りを嗅げば、「ん~なんていい香り!食べたい!」、好みのワンピースを見たら「素敵だな、これほしい!」
そうやって常に揺れ動いているのが、心です。
自分にとって心地の良い、苦しみを生まない反応であればよいのですが、これが不快な反応だったらどうでしょう?
こんな話を聞いたことがあります。
「ある人が、大きな飴玉をなめて、たまたま「ちっ」と音を立てました。
すると前を歩いていた人が急に振り返り、その人に怒りはじめました。
飴玉をなめていた人はびっくり。何が起こったのかわかりません。
どうやら、怒っている人は「舌打ちをされた」と思ったようでした。」
過去に舌打ちをされて嫌な思いをした経験があるから、全く違う状況でも耳で捉えた「音」に心が反応し、不要な怒りを作り出したわけですね。
こうしてみると、外の世界が毎回不快を作り出しているのではなく、自分の心が五感から得た情報をどう捉えたかで、見る世界が変わるのだ、ということがわかります。
「五感の情報をどう思うのか」、これが心の反応です。
この反応が次から次へと起こり、様々な思いが渦巻く心は、動き続けて落ち着きません。
情報から反応まで一瞬で進むので、なかなか難しいことです。まずは「五感で感じたこと」と、「心の反応」を分けられるようになりたいですね。
心を穏やかに収めるために「分ける」
この、心を穏やかに収めるために「分ける」の練習こそがプラティアハーラです。まずは五感を、外の世界ではなく、自分のカラダに起きていることに向けます。
今の自分の情報をキャッチする窓口とするわけです。
例えば呼吸。呼吸の音を聞いたり、呼吸で動く胸やお腹の感覚に集中します。
カラダに起きていること以外を考えたら、それは感覚に集中をしていないということです。それに気が付いたりカラダの感覚に戻します。
繰り返しの練習の中で感覚に集中していけるようになり、心が反応する時との境がわかるようになります。
すると五感から得た情報に引っ張られて、とっさに心が反応するということが少なくなっていくのです。
自分で選ぶことができる自由を、私たちは持っている
五感は、心の反応とは別のものです。
ただ見ること、ただ聞くこと。五感で感じることに徹し自分の解釈を加えなければ、良くも悪くもない、ありのままの世界が見えてきます。
そこからどう反応するのかは、私たちが自由に選ぶことができるのです。
いかがでしたか?
自分によく気が付いて、よい選択を重ねていけるように、練習を続けていきましょう!
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