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東洋医学の視点から見る「体質改善」-その11-六気の変化と体質に与える影響
皆さん、こんにちは。「羅さんの未病予防ってなぁに?」東洋医学普及活動家の羅予澤(らよたく)です。
東洋医学の考え方をもとに、未病予防や体質改善について、さまざまな事例を交えてご紹介していきますね。
~風・熱・暑・湿・燥・寒による体質への影響~
前回のコラム「東洋医学の視点から見る「体質改善」-その10-病は気から」では、東洋医学における体質を影響する後天的要因として、以下の三つを紹介しました。
【一】六気(風・熱・暑・湿・燥・寒)による体質への影響
【二】過剰な情緒の浮き沈み(七情:怒・喜・思・憂・悲・恐・驚)
【三】不良な生活習慣(食べすぎ、飲みすぎ、過労、安逸、薬の乱用)
今回は、【一】六気(風・熱・暑・湿・燥・寒)による体質への影響について少し詳しくお話しします。
【一】六気(風・熱・暑・湿・燥・寒)による体質への影響
太陽と地球の位置関係により、一年の天気が6つのタイプに分かれ、風、熱、暑、湿、燥、寒の順番に移り変わります。
■六気(風、熱、暑、湿、燥、寒)の移り変わり
【風】
季節:旧暦の正月と2月(大寒、立春、雨水、啓蟄)
春一番を代表とする東南の風が強く、万物が中から外に出てのびのびと成長していくこの時期の気候は「風」の性質が強いのです。
【熱】
季節:3月と4月(春分、清明、穀雨、立夏)
日照時間が長くなり、気温もだんだん高くなって、気候の特徴が「熱」となり万物の成長が早くなります。
【暑】
季節:5月と6月(小満・芒種・夏至・小暑)
気温が上がると水が蒸発し、空気の湿度が上がります。蒸し蒸しとした天気には「暑」の性質が突出します。
【湿】
季節:7月と8月(大暑・立秋・処暑・白露)
天気がさらに暑くなり、大量の水蒸気が台風となり、大雨が降りつづく時期に入ります。
【燥】
季節:9月と10月 (秋分・寒露・霜降・立冬)
秋になると日照時間がだんだん短くなり、気温が低下し、水蒸気が激減してくると、気候の特徴は「涼燥」に代わります。
【寒】
季節:11月と12月 (小雪・大雪・冬至・小寒)
日照時間がもっとも短くなる冬、一年の中で一番寒い時期です。
このような天地の環境の中で生きる人体には、上記6つの気「六気」に対応する機能が備わっています。東洋医学にある六腑(胆、小腸、三焦、胃、大腸、膀胱)はこれに当たります。
※東洋医学の臓腑(五臓六腑)の概念は、機能のことを意味し、解剖学的な臓腑と異なります。
両者の対応関係はこちらです。
・風 → 胆
・熱 → 小腸
・暑 → 三焦
・湿 → 胃
・燥 → 大腸
・寒 → 膀胱
それぞれの対応関係を全部説明すると、とても長編になりますので、「燥」と「大腸」を例にして、その相関関係を説明します。
「燥」と「大腸」の相関関係について
カラダの中で「燥」の機能を担っているのは大腸で、消化吸収を経て、できた残渣がドロドロの状態で小腸から大腸に送られます。
長い大腸の中、大量な水分を含むドロドロの残渣が最終的に固まったバナナ状に乾燥処理され、最終的に排泄されます。
大腸の「燥」の機能が低下してしまうと、様々な不調になります。「燥」の機能が行き過ぎると、便秘や皮膚のカサカサなどが起こり、逆に不足すると、下痢、軟便、ニキビなどの症状が多発します。
次回は、「【二】過剰な情緒の浮き沈み(七情:怒・喜・思・憂・悲・恐・驚)による体質への影響」についてもうすこし詳しくお話をします。
お楽しみに♪
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