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東洋医学の視点から見る「体質改善」-その17- 過剰な情緒の浮き沈み【前編:その6】
皆さん、こんにちは。「羅さんの未病予防ってなぁに?」東洋医学普及活動家の羅予澤(らよたく)です。
東洋医学の考え方をもとに、未病予防や体質改善について、さまざまな事例を交えてご紹介していきますね。
~過剰な情緒の浮き沈みによる体質への影響 前編:その6~
前回、東洋医学における体質を影響する3つの後天的要因のひとつ、「東洋医学の視点から見る「体質改善」-その16- 過剰な情緒の浮き沈み【前編:その5】」の中で「脾」の働きと食生活との関連性を紹介しました。
今回は、五臓の「肺」と情緒との関係について詳しくお話をします。
肺と情緒との関係をお話しする前に、まず、東洋医学における肺の役割から説明します。
カラダの大気層となる「肺」
東洋医学の経典 ― 「黄帝内経」によると、肺は天幕の存在です。
■天幕とは
地球の周りを取り巻く大気層のような存在です。
この大気層は、地球の中の水分・熱を逃さないよう保温・保湿に役立っています。太陽の熱から地球を守るため、大気層の存在により、一部の熱だけが地球の表面に到達します。
大気層がなければ、太陽から放射される熱すぎる熱により地球上の生物は存在することができません。
そして地球に到達した太陽の熱は地球を取り巻く大気層により反射されるため、宇宙空間に放熱されることなく、そのまま地球の内部にため込む事が出来るのです。
水も同様です。大気層の存在により、地球上の水は全て蒸発することなく保たれ、太陽の熱に温められて水蒸気となった水は大気層近くで冷却され、雲となり、雨となって再び地球を潤すのです。
こうして、大気層のお陰で、地球の水・熱が循環しているのです。
全身の皮膚は「肺」の一部
カラダの中も同様です。
肺のシステムの一部である皮膚は、地球を取り巻く大気層のような存在です。
体内の水分の蒸発や熱が放熱されるのを防ぎ、カラダの保温・保湿を担っています。また、外からの冷気・熱気・風・雨などの邪気が体内に侵入するのを防ぐ機能も肺の機能の一部である皮膚が担っています。
なので、肺機能が弱ると皮膚も弱ります。熱の調節がうまくいかなくなり、寒気、暑がり、多汗、無汗といった症状が出やすくなります。
また、アトピー、湿疹、痒み、乾燥など、皮膚のトラブルが多くなります。
例えばアトピーの方は、カラダの中の水が逃げ出さないよう機能する肺の機能が弱っていることを念頭におき、皮膚だけでなく、先ずは肺の治療に意識を置く事が必要となります。
「肺」は全身の気を司る
息を吸う時に横隔膜が下がり、吐く時に横隔膜が上がります。
この時の横隔膜の上下運動により、吸うときに皮膚が膨張し、吐く時に皮膚が収縮し、その圧力により気が押し流され体内で水蒸気や熱などの気の流れを回していきます。
また、肺は心臓のサポート役を担っています。心臓は、左右2つの肺に挟まれ、その膨張と収縮の圧により心臓は原動力を得ています。
「心肺機能」と表現するように、肺と心はセットですので肺機能が低下すれば心臓の機能も低下し、圧力の低下による酸素の供給不足につながります。
次回は、五臓の「肺」の役割の続きと、情緒との関係についてお話をします。ぜひお見逃しなく♪
皆様の未病予防と健康増進に役立てば幸いです。
次回もどうぞお楽しみに♪
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