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5分でわかる『ストリートファイター6』 「モダンタイプ」の登場で誰もが“戦える”格ゲーに変革
今話題のeスポーツゲームを紹介する「5分でわかるeスポーツゲームシリーズ」。今回は2023年6月2日にリリースされた対戦格闘ゲームの代表作『ストリートファイター6』(スト6)をご紹介します。
アーケードゲームとして1990年代に人気に火がつき、1対1で対戦できるゲームとして長い歴史を誇る『ストリートファイター』シリーズの最新作は、過去にないほどにeスポーツに特化したかたちで爆発的な人気を誇っています。
特に本作では、VTuberやストリーマーたちがこぞって遊ぶようになったことで、戦うたびに成長を実感できるという対戦格闘ゲームの魅力に新たにふれるプレイヤーも増えました。今回は、過去作も振り返りつつ、シリーズをまったく知らない方にもわかるように解説していきます。
『ストリートファイター6』ってどんなゲーム?
『ストリートファイター6』は、世界中の格闘家が1対1で戦う『ストリートファイター』シリーズの6作品目にあたります。実際にはキャラクターや技が増えた派生作品や、スピンオフとしての『ZERO』シリーズ、『EX』シリーズなどもありましたが、オリジナル作品としては6作目です。
これまでのシリーズには主人公となるキャラクターと、各キャラクターが織りなす物語が描かれてきましたが、『スト6』も過去作と登場人物や世界観はつながっています。一貫しているのは強さを求める世界中の格闘家が腕を競い合うという根本のストーリー。そこに、悪の力を持つ格闘家たちや世界を征服しようとする強大な力が動いていきます。
登場人物もクロスしており、『スト6』は『ストV』から約10年後。メインストーリーの主人公は、『ストV』の最後期にも登場したルークです。
また、世界を支配しようと企んでいたベガ(海外名は「M.バイソン」)率いる秘密組織シャドルーは壊滅し、歴代の登場キャラクターたちも年を重ねて成長した姿で描かれています。
『ストリートファイター6』ならではの特徴
『スト6』は、画面の右側と左側に分かれて1対1で戦うタイプの「2D対戦格闘」と呼ばれています。2人のキャラクターが左右に分かれています。
基本的な操作は、
- レバー+8ボタン(弱・中・強のパンチ/キック)の組み合わせによる「通常技」
- 相手の反対方向にレバーを入れる「ガード」
- 相手の攻撃やガードを無視できる「投げ」
これらの基本操作に加えて、
- コマンド入力による強力な「必殺技」
- ゲージを使用して必殺技を強化させた「OD必殺技」
- 試合中に溜まったゲージを使って出せる「スペシャルアーツ」(SA)
- 体力減少時のみSAが強力になる「クリティカルアーツ」(CA)
『ストリートファイター6』を遊ぶのに必要なお金は?
『ストリートファイター6』を遊ぶには、ゲームソフト本体を購入する必要があります。PlayStation 4/5はパッケージ版とダウンロード版がありますが、Xbox X|S、PC(Steam)はダウンロード版のみです。最も安いスタンダードエディションの定価は7990円ですが、時々セールも行われます。
キャラクターは徐々に追加されていく予定で、「シーズンパス」というかたちで有料での追加料金が必要となる場合があります。すべてのキャラを遊びたいのなら、多少高くてもデラックスエディション(1万490円)がおすすめです。
無料で遊べるデモ版もあるため、購入前に遊んでみてもいいでしょう。
課金要素としては、新しいキャラクターを個別もしくはシーズンパスで購入することで使えるキャラクターが増える以外に、コスチュームや試合前後のセリフなどのカスタマイズも可能です。
また、オンライン対戦を行うには、PS4/PS5の場合は「PlayStation Plus」への加入と追加料金が必要です。PC版では特に追加料金は必要ありません。
ちなみに、アーケード版の『ストリートファイター6 タイプアーケード』もリリースされており、こちらは店舗を訪れればいつでも遊べます。筐体にあるコントローラーのほか、対応するアケコン・ゲームパッドであればUSB経由で使用可能。店内対戦やオンライン対戦も可能となっています。ゲームを購入する前に試したい、やっぱりアーケードが好き、という方はぜひ遊んでみてください。
ストリートファイター6 タイプアーケード
https://www.taito.co.jp/sf6_ac
『ストリートファイター6』の一人用/オンラインマッチは?
『スト6』には、一人用から対戦用まで、3つのゲームモードが用意されています。
ワールドツアー
自分のアバターを作成して『スト6』の世界を戦い抜く、オープンワールド形式のまったく新しいモードです。街ゆくキャラクターと話したり戦ったりしながら、ミッションをこなしていくもので、カプコンの『モンスターハンター』などのようなものと考えるといいかもしれません。
最初は非力ですが、ストーリーの中で登場する『スト6』のキャラクターたちと交流すると、彼らを「師匠」として技を習得し、それらの技を組み合わせてオリジナルキャラクターを作れます。
また、過去作や『ファイナルファイト』などの歴代のカプコン作品で登場したキャラクターも登場。世界中を回って『スト6』やカプコン作品のストーリーをプレイヤー自身で体験できます。
ファイティンググラウンド
一般的な格闘ゲームと言えばこのモードのことでしょう。CPUやプレイヤーと1vs1で戦うモードです。
各キャラクターの物語がわかる「ストーリーモード」、世界中のプレイヤーと対決できる「オンライン対戦モード」、さまざまなシチュエーションを設定してテクニックを追求できる「トレーニングモード」の3つがあります。
「オンライン対戦モード」の中にはさらに、広く多くのプレイヤーと戦える「カジュアルマッチ」と、自分の強さを示す「ランク」が近いプレイヤーと腕を競い合う「ランクマッチ」があり、自分のレベルに近い相手と戦えるようになっています。
バトルハブ
「ワールドツアー」で作った自分のアバターを操り、他のプレイヤーと同じ空間で対戦できる、バーチャルなゲームセンターのようなモードです。アバターとして昔のゲームセンターのように筐体を囲んで観戦・応援したりできます。擬似筐体に座っているプレイヤーとのオンライン対戦となります。
また、カプコンの過去の作品を無料プレイできるスペースも用意されており、昔の『ストリートファイター』やカプコンのシューティングゲーム、アクションゲームなどが楽しめます。対戦に飽きたり息抜きしたくなったら、ここに来てレトロゲームで遊びましょう。
『ストリートファイター6』を遊ぶべき3つの魅力
(1)格ゲーの面白さを再認識できる原点回帰のシステム「モダンタイプ」
『スト6』最大のポイントは、ワンボタンで必殺技やコンボが出せる「モダンタイプ」の採用です。これにより、コマンド技を出すのが難しい初心者でも、対戦格闘ゲームならではの駆け引きを楽しめるようになりました。
メインで使うのは、「弱攻撃」・「中攻撃」・「強攻撃」の3つのボタンと「必殺技」ボタンの4つに、「ドライブインパクト」と「ドライブパリィ」、「投げ」、そして通常技ボタンとの組み合わせで簡単にコンボが出せるようになる「アシストボタン」があります。順にみていきましょう。
通常技ボタン
「モダンタイプ」では弱・中・強はパンチ/キックに分かれておらず、レバーの方向と合わせて異なる技が出せるようになっています。例えば、強ボタン単独ではパンチですが、「→+強ボタン」だとキックが出る、といったかたちです。
アシストボタン
「アシストボタン」を押しながら「通常技」の3つのボタンを連打するだけで、技が変化したりコンボがつながったりします。SAゲージがあるときに連打し続けると、最後に「SA」による複雑なコマンド技まで出し切ることができて爽快です。また、「必殺技」ボタンを押すと強力な「OD必殺技」に変化します。
必殺技ボタン
「必殺技ボタン」は、ボタンひとつでコマンド技を出せるボタンです。ボタンのみでは飛び道具、「→+必殺技ボタン」では対空攻撃、「←+必殺技ボタン」では移動攻撃といったかたちで、レバーとボタンの組み合わせだけで、コマンド入力が苦手な人でもアクションゲームのようにさまざまな技が出せます。この操作方法自体はすべてのキャラクターで共通です。レバーを1回転させなければならないザンギエフやリリーの強力な投げ技もすべて、ボタンひとつです。
「モダンタイプ」のデメリット
デメリットととしては、簡単に技が出せる分だけ、コマンドを駆使して戦う「クラシックタイプ」と比べると絶対的なダメージが少なく設定されていることと、出せる技のバリエーション(主に通常技)が少なくなっている点があります。
ただし、プロゲーマーの中にもキャラクターや対戦相手に応じて「モダンタイプ」をあえて選ぶ選手がいるほど、十分に戦えるだけのポテンシャルは持っています。使い方次第でこのデメリットを払拭できるでしょう。
(2)一方的に攻撃&回避するための「ドライブシステム」
『スト6』には、一方的な攻撃から脱出したり、有利な状況を維持するための「ドライブシステム」が新たに実装されました。
相手の攻撃を受けてからガードを崩す「ドライブインパクト」、相手との距離を一気に詰める「ドライブラッシュ」、相手の攻撃を受け流す「ドライブパリィ」などを駆使して、一方的な攻撃を受け流したりガードの硬い相手を崩すことができます。
ちなみに、『ストリートファイター』シリーズでは、ゲームの進化とともにこの一方的にやられる状態を回避できるシステムが模索されてきました。『スト6』の「ドライブシステム」は、プレイヤーの力量やテクニックに応じて攻撃にも回避にも使い分けられるシステムになっています。
歴代『ストリートファイター』シリーズに実装された主な戦闘システム
- ストリートファイターIII……相手の方向に瞬時にレバーを入れて攻撃を無効化できる「ブロッキング」
- ストリートファイターIV……ボタン同時押し(押す長さで強さが変化)で相手の攻撃を受け止めて反撃できる「セービングアタック」
- ストリートファイターV……ボタン同時押しで相手の攻撃を受け止めて反撃できる「Vリバーサル」、攻撃をバックステップで避ける「Vシフト」
(3)攻めた側が有利なゲームシステム
対人戦の対戦格闘ゲームで勝つためには、相手の体力を減らさなければなりません。しかし、一部のキャラクターの特性や技の特徴によっては、相手に攻めさせて反撃する戦い方が有利なこともあります。そこで、『スト6』では先に攻撃を仕掛けた方が有利になるさまざまなシステムを搭載しました。
ひとつは、「ドライブ〜」技を使うために必須な「ドライブゲージ」が、攻撃を当てる(防御させる)方が早く回復するというシステムです。この変化により、積極的に技を当てることのメリットが増しています。
また、前述の「モダンタイプ」の採用により、複雑なコマンド技や、ボタンを押すタイミングが難しいコンボを習得しなければ勝ち目がなかったものが、初心者でも上級者とある程度戦えるようになりました。
国内外のeスポーツの盛り上がりは?
『ストリートファイター』シリーズにおけるeスポーツは、古くは「闘劇」と呼ばれるゲーム雑誌から始まった大規模大会が行われていました。その後、『ストリートファイターIV』の時代からカプコン自身が本格的に世界中で大会を行うようになっていきました。基本的には1対1で最強を決める対決ですが、のちに柔道の団体戦のようなチーム戦方式の大会も行われるようになってきています
個人戦「カプコンカップ」
『スト6』のeスポーツは、1年間の最強プレイヤーをひとりだけ決める「Capcom Cup」が頂点にあり、毎年新たなチャンピオンが生まれています。
しかし、栄誉は優勝した1名だけのものではありません。そこに至るまでの予選にあたる地域大会を含む年間ツアー「CAPCOM Pro Tour」(CPT)それぞれの大会での優勝者や上位入賞者も、公式サイトで紹介されています。
この予選に当たる大会には、「EVO」のようなオフライン大会、自宅からでも誰でも参加できるオンライン大会などがあり、地域やハードの制約をこえてさまざまな状況の方が参加しやすい状況になっています。どの大会でも優勝すると「CPT」出場資格や大会ごとの賞金などももらえます。以前のシリーズと比べても、より幅広い層のプレイヤーが参加しやすくなったと言えるでしょう。
ちなみに、日本人で「Capcom Cup」を制したのは、2013年のsako選手(『スーパーストリートファイターIV』)、2014年のももち選手、2015年のかずのこ選手(いずれも『ウルトラストリートファイターIV』、2018年のガチくん選手(『ストリートファイターV アーケードエディション』)の3名です。
主な「Capcom Cup」の予選にあたる大会(2023年度の例)
- CAPCOM Pro Tour Online Premier(オンライン) 18名
- CAPCOM Pro Tour Offline Premier(オフライン) 3名
- CAPCOM Pro Tour World Warrior(オンライン) 26名
- CAPCOM CUP Last Chance Qualifier(オフライン) 1名
チーム戦「ストリートファイターリーグ」
『スト6』のeスポーツにはもうひとつ、団体戦の「ストリートファイターリーグ」(SFL)もあります。こちらは、選抜された選手のみが出場を許される大会で、プロゲーマーが中心です。チームごとの「トライアウト」や「ドラフト」では、アマチュアからも選出される場合があります。
開催年によってチームのルールなども異なりますが、基本は1チーム4名で、そのうち3名が対戦し、勝敗や勝利したゲーム数によってポイントが与えられます。それをリーグ方式で半期ごとに行い、上位チームによるプレイオフ、そしてグランドファイナルで地域の最強チームが決定します。
2023年からは、日本に加えて北米(US)と欧州(EU)にもリーグを追加。3地域の上位チームによる世界一のチームを決める対決も行われています。
まとめ
『ストリートファイター6』は発売からちょうど2周年を迎えます。「モダンタイプ」の追加と、ストリーマーやVTuberのようにこれまで格ゲーにふれてこなかった方たちのコミュニティ大会などにより、初心者層が一気に増えたと言われています。また、プロの世界では「クラシックタイプ」が根強いですが、「モダンタイプ」で活躍するベテランも出てきています。
さらに、コントローラーも従来のアーケードコントローラーありきという考えから、ゲームパッドやレバーレスコントローラーなどもかなり増加。現に、ここ最近の「Capcom Cup」王者はほとんどがゲームパッドとなっています。
以前よりも気軽に爽快な技を操れるようになった『ストリートファイター6』。これまでのシリーズと比べてみても、初めてプレイする人でも楽しみやすくなっています。無料で試せるデモ版もあり、時折セールも行われますので、ぜひ格闘ゲームにふれてみてください。
©︎CAPCOM
ストリートファイター6(Street Fighter 6)
ジャンル:対戦格闘ゲーム
価格:Standard Edition 7990円、Deluxe Edition 1万490円、Ultimate Edition 1万2490円(いずれもSteamの通常価格)
開発元:カプコン
対応機種:PlayStation4/5、Xbox Series X|S、PC(Steam)
必須環境:Windows® 10 64-bit、Intel® Core™i5 7500またはAMD Ryzen 3 1200、NVIDIA®GeForce®GTX1060(6GB)またはRadeon RX 580(4GB)以上、 メモリ 8GB以上、25 GB以上のストレージ
推奨環境:OS: Windows 10 (64-BIT 必須)
プロセッサー: Intel Core i7-8700 / AMD Ryzen 5 3600
グラフィック: RTX2070 (VRAM 6GB以上) / Radeon RX 5700 XT (VRAM 6GB以上)
メモリー:8GB RAM
ストレージ:25GB以上
ストリートファイター6 公式サイト:https://www.streetfighter.com/6/ja-jp
ジャンル:対戦格闘ゲーム
価格:Standard Edition 7990円、Deluxe Edition 1万490円、Ultimate Edition 1万2490円(いずれもSteamの通常価格)
開発元:カプコン
対応機種:PlayStation4/5、Xbox Series X|S、PC(Steam)
必須環境:Windows® 10 64-bit、Intel® Core™i5 7500またはAMD Ryzen 3 1200、NVIDIA®GeForce®GTX1060(6GB)またはRadeon RX 580(4GB)以上、 メモリ 8GB以上、25 GB以上のストレージ
推奨環境:OS: Windows 10 (64-BIT 必須)
プロセッサー: Intel Core i7-8700 / AMD Ryzen 5 3600
グラフィック: RTX2070 (VRAM 6GB以上) / Radeon RX 5700 XT (VRAM 6GB以上)
メモリー:8GB RAM
ストレージ:25GB以上
ストリートファイター6 公式サイト:https://www.streetfighter.com/6/ja-jp
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