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川島ofレジェンドが語る、罵倒されてもやめられないeスポーツ『LoL』の魅力
『リーグ・オブ・レジェンド』(LoL)をプレイしているストリーマーやプロ選手などを含めて、いま日本で最も積極的にプレイしているのは誰かと言われたら、おそらく「川島ofレジェンド」(元・はんにゃ 川島)だろう。
2020年2月にYouTubeチャンネル「元はんにゃ川島のeスポーツ芸人生活」を開設し、ゲームの2020年終了までにゴールドランクに到達すれば100万円、達成できなければサイコロの目で決まった600万円を還元するという企画がスタート。活動中の芸名も「川島ofレジェンド」になるという、バラエティとしてもかなりきついルールだ。
結果としては、ゴールドランクの2つ下にあたるブロンズで企画は終了してしまった。しかし2021年に入ってからも『LoL』の配信を精力的に続けている。
果たして2021年、川島ofレジェンドはゴールドランクに到達できるのか? 2020年の活動を振り返ってもらいながら、2021年の目標をあらためて伺った。
※2021年7月より、生配信はTwitchで行うことになった。
https://www.twitch.tv/kawashima_of_legend
川島ofレジェンド(元・はんにゃ 川島章良)
1982年埼玉県生まれ。2005年に金田哲と「はんにゃ」を結成し、「ズクダンズンブングンゲーム」で一躍人気に。2014年にプロポーズとほぼ同時に腎臓がんが見つかるも克服し結婚。1男1女の父。2020年に『LoL』の企画として、芸能界No.1になるまで芸名剥奪という「元はんにゃ川島のeスポーツ芸人生活」がスタート。タレントとして多彩な資格も持っており、『こども成育インストラクター』『離乳食インストラクター1級』『幼児食インストラクター』『だしソムリエ1級』『食育アドバイザー』『おひるねアート講師』『ベビーサインパパアドバイザー講師』『お弁当学マスター認定講師』『入浴検定』『ダイエットインストラクター』『和ハーブ』など。著書に『だしパックを入れるだけ! がまんなしでやせる はんにゃ川島の魔法のだしパックダイエット』がある。
1982年埼玉県生まれ。2005年に金田哲と「はんにゃ」を結成し、「ズクダンズンブングンゲーム」で一躍人気に。2014年にプロポーズとほぼ同時に腎臓がんが見つかるも克服し結婚。1男1女の父。2020年に『LoL』の企画として、芸能界No.1になるまで芸名剥奪という「元はんにゃ川島のeスポーツ芸人生活」がスタート。タレントとして多彩な資格も持っており、『こども成育インストラクター』『離乳食インストラクター1級』『幼児食インストラクター』『だしソムリエ1級』『食育アドバイザー』『おひるねアート講師』『ベビーサインパパアドバイザー講師』『お弁当学マスター認定講師』『入浴検定』『ダイエットインストラクター』『和ハーブ』など。著書に『だしパックを入れるだけ! がまんなしでやせる はんにゃ川島の魔法のだしパックダイエット』がある。
ゴールド達成で100万円、未達で600万円は「ガチ」
ーー川島ofレジェンドさんが『LoL』を始めたきっかけが、かなり唐突に思えたのですが、どんないきさつがあったのでしょうか?
川島ofレジェンド(川島):元々『スペシャルフォース』っていうFPSが大好きで、14〜15年くらい遊んでいたんです。それを吉本のゲーム担当の人に話す中で、「ちょうど吉本が日本のeスポーツプロの大会をやっていて、ゲームの面白さを広めたいと考えている」ってことから企画が立ち上がりました。それが『リーグ・オブ・レジェンド」でした。それまで『LoL』自体、まったく知りませんでした。
ーー『スペシャルフォース』の腕前はどうだったんですか?
川島:キルできるときは1試合で18キルとかしてたんですけど、普通の人よりちょっとうまいくらいでしたね。プレイヤーの階級は「軍曹」くらいまで行きましたが、やればやるほど上がるシステムなので。
ーー自分では自信はある方でした?
川島:下手ではない方だと思ってはいました。むしろ『ウイニングイレブン』とかの方が好きで、2011年くらいの日本の全国大会に芸人チームで参加して、なんか知らないですけど決勝トーナメントに芸人が入り込むという謎のやつで普通に2勝しちゃうという(笑)。
ーー『LoL』は本当にゼロからだったわけですね。実際に初めてみてどうでしたか?
川島:最初はアニーでミッドをやっていて、ブロンズ2からのスタートでした。知識とかがすごく必要で、難しいけどやりがいのあるゲームだとは思いました。
ーーその後、eyesさん、RevolさんやJapaneseKoreanUGさんといった豪華メンバーからコーチングを受けていきましたよね。一方で、配信コメントなどでいろいろ言われたりも……。
川島:始めたばかりの頃は、とにかく「借金!」という頭になっていて、いっぱいいっぱいだったんですよね。たくさんアドバイスもいただいたんですが、まだ『LoL』自体のこともよくわかっていなかったので、「そんなにちょっとしたことで変わるの?」っていうくらいの感覚だったんです。「CSひとつでここまで言われなきゃいけないの?」って感じで……正直なところ半信半疑でした。
ーーみなさん人気の方々ですし、視聴者からすると「本当に聞いてるのか?」とも思われちゃってましたね。
川島:聞いてはいたんですよ。ただ、オンラインで教えてもらった経験も初めてで。塾とか先生に教えてもらうのも苦手で……。
叱られるのがダメなタイプなので、無意識に脳が思考停止していたんでしょうね……。だから視聴者には「聞いてんのか、コイツ?」って思われていたのかも。
ーー正直、そう感じられた面はあったと思います。
川島:バーってまとめて言われても、元々の知識もないので容量オーバーになっちゃって。
たとえば、ガレンを使っていてWでシールドしないといけない場面で、押し忘れとかが多くなったり。AAキャンセル(自動的に敵を攻撃する「オートアタック」をスキルなどでキャンセルすること)ができていないとか、いろいろ指摘されましたが、よく理解できていなかった気がします。
少しずつ操作には慣れていきましたが、6月にはブロンズ4、そこからアイアンに落ちてトップにレーンを変えてガレンで頑張ったんですが、最終的にアイアン4にまで落ちてしまいました……。
『LoL』って経験値とお金をずっと貯め続けないといけないゲームなんだってことが身に染みてわかってきたのは、今年に入ってからですね。
他のプレイヤーの厳しい声の中でも続けられた理由
ーーアイアン4に落ちたところで、サブアカ(サブアカウント)を作ることになりましたよね。当時の心境ってどうだったんですか?
川島:一番下のアイアン4まで行っちゃって、いやもうやばいと(笑)。
唯一イラオイだけが勝率55%くらいまで上がったんですよ。そしたら、100%イラオイをバンされるようになって。inQ隠し(配信中の画面からピックを盗み見されないように画面を隠すこと)とかもやっていなかったですしね。あげくに味方にもイラオイをバンされて、リコールに妨害ピンを出されたりもしました。
ーーそんなこともあったんですか……。
川島:その頃には、ランクでマッチングする味方も相手も同じようなメンバーばかりになっていました。それでこのアカウントで続けるのはもう無理ってことになって、最後の案としてもう1回アカウントを作り直そうと。
しかも芸人ギルドの(エリック・)ニコラスくんが3カ月くらいでシルバーまで行っているから、彼とだったら一緒にやってもいいんじゃないかってことで始めたら、荒れました(笑)。
ーーコメントでは「ズルじゃないか」って言われていましたよね。名前が売れていて配信もしていて、自分のプレイもその配信で映るからこそ、イタズラする人も多かった。でも、それでもプレイは続けていました。正直つらくなかったですか?
川島:自分は遊びでやっているわけじゃなくて、マジで借金も乗っかっていたので。それがなかったら楽しくできたんですけどね。
このゲームって、1個ランクが上なだけでも強いのに、本来はもっと上のランクであろうっていう人がひとりならまだしもたくさん僕のランクマッチに来ていたみたいなんですよね。それによって、一緒にマッチしてくれた味方にも迷惑をかけちゃった。
自分が弱かったのもありますが、結果的に自分がいるせいで負けてしまうのが、つらいし悲しかったですね。
ーーそういうこともあって、今年はもう『LoL』はやらないんじゃないかと思っていました。企画も終わっているのに続けている理由は?
川島:単純にくやしくて。ゴールドまで行けたら、今までからかってきた人もなにも言えなくなると思うので、「見とけよ!」って思いです。海外からも「チンパンジー」とか言われたりもしましたが、「(人間に)進化したぞ!」って言いたいと思って(笑)。
それと、このゲームがうまくなれたら他のゲームも絶対うまくなると思うんですよ。マクロの考え方とか。それもありますね。
罰ゲーム、600万円自腹の行方は……?
ーー結果としてはゴールドに上がれず、罰ゲームの600万円自腹になってしまいました。罰ゲームに関してはどうなるんですか?
川島:シーズンオフ中の「スカウティンググラウンズ」で、勝ち上がった選手たちに25万円を寄付しました。それをちょこちょこと、僕がおじいさんになるまでゆっくり返していこうかなと思ってます。「還元します」というだけなので、返し方については僕のさじかげんで許していただきたいです。
ーー残りの575万円の行方にも注目していきますね(笑)。その「スカウティンググラウンズ」は、実際見てみてどうでした?
川島:同じゲームをやってきた身からすると、本当に尊敬します! 動体視力とか反応速度とか、完全にスポーツじゃないですか。その日の体調やメンタルも重要で、どう鍛えていくかということにも関わってきますし。あのスカウティングの選手たちにも、メンタル面に関しては僕から教えてあげたいですね。
よく「今まで『LoL』のゲームをやってきた有名人とか芸能人は結構いますけど、こんだけ諦めずに続けた人はいないですよ」って言われるんです。本当に毎日やっていましたからね。
まあ、あれだけやっててこんだけ下手な人もいないでしょうけど(笑)。
ーーただ、2021年はアイアンからスタートしたものの、ブロンズに上がれたじゃないですか!
川島:久しぶりに配信を見に来て「上手くなりましたね!」って言われることも増えました。最近は応援してくれる人ばっかりで、本当にありがたいです。
ーーどちらかというとアンチが多かったイメージでしたが、なんで応援してくれる人が増えたんでしょうね?
川島:やっぱり「OPGG」とかを見て、本当に毎日やっているってことがわかったからじゃないですかね。配信もしているし。たまに「本物ですか?」とか言われて、そこも疑われちゃうんだって思いますけど(笑)、ちゃんと“中の人”も川島です。
だって、やろうと思えばできたじゃないですか、僕より上手い人に代わりにやってもらうってことだって。なんかね、それは吉本さんはダメだったんですよねー。
ーーちょっとちょっと(笑)。
川島:もちろん冗談ですよ! ちゃんとずーっと僕ひとりでやってきました。替え玉とかはほんとに一切ないです。だいたいやってたらもっとランク上がってます(笑)。
それに、強い人と一緒にデュオでやっている人もいますが、僕は自力で野良でゴールドに上がってやろうと思ってます。
ーーチームプレーも楽しいですよね。ハメ子。さんや石井プロさんと組んで「CLASH」などのチーム戦もやっていました。
川島:チーム戦の経験はすごく意義がありました。ほんとに全然違うゲームになると思いました。味方と連携するだけで、弱い僕でも圧倒的に強くなれるんだなって。
ーーただ、6月時点ではブロンズ3で、かなり苦しんでおられると思います。いま自分自身に足りないものってなんだと思います?
川島:最近は色々なレーンも試したりしていますが、トップだと圧倒的にキャリー力ですね。
シルバーとかならタンクでもいいかもですが、ファイターをやるしかないんでしょうね。ダリウスもそうなんですけど、いまいろいろなチャンピオンを練習しています。
ーートップメインから動く気はありませんか?
川島:そろそろ変えた方がいいんじゃないかとも言われるんですけどね。ADCも楽しそうじゃないですか。でも動きがまったく違うし。
ーーADCはすぐ溶かされちゃいますしね。ただ、レンジ(遠距離攻撃系)チャンピオンでトップをやる人もいるので、最大射程での立ち回りを覚えるのもいいかもしれませんね。スキル的にはどうですか? 覚えなきゃいけないこととか感じていることはあります?
川島:視聴者からも2つの声をいただくんですよ。もっと色々なチャンピオンを触った方がいいという声と、浮気しすぎという声。
ランク戦が始まる前にいろいろ触ってもみたんですけど、もっとたくさん触ってもいいかなとは思いましたね。トップだけでもまだ4、5体残っているんです。触ってみるとなんとなくどんな能力を持っているのか、スキルやウルトを使ったあとのCDの秒数とかもわかるじゃないですか。
だから、ある程度覚えたチャンピオンは対面に来てもそんなに怖くないんですよね。前までチョ=ガスとか、何もわからなくて怖かったんですけど、今は「あ、この間合いはやばい、ウルトで食われる」とかわかります。
ーーそういう練習は、トレーニングモードとかAIとかでやっているんですか?
川島:以前はまずはAI戦かプラクティスモードで触ってからノーマルに行っていましたが、AI戦はやらなくなりました。AI戦でも10〜15分くらいはかかるので、その時間ももったいないし、対面とやりあうヒリヒリ感が全然違うのでノーマルをやっています。たまに負けていろいろ言われることもありますけど、やっぱり実戦でしか得られないことが多いので。
対戦中のヒリヒリ感がたまらない
ーーお話を伺うまでは、正直『LoL』をやるのがつらそうだなと思っていたんですが、今日のお話はとても前向きだなと感じました。
川島:『LoL』自体は本当に楽しいんですよ。やっぱり2週に1回、ちょっとずつナーフとかバフとかされるヒリヒリ感とか、他のゲームにはない150体以上いるチャンピオンのスキルも全然違うし。
考えてみると、「サモナーズリフト」っていう同じフィールドでやっているだけなのに、ここまで飽きないってすごいゲームですよね。なんかおかしいっすよね(笑)。『スーパーマリオ』でいえば、1−1をずっとやり続けてるわけじゃないですか。ルイージでやったって飽きる。その1-1が飽きないんですよねぇ。
かといって、マップの異なる「ARAM」とか「ネクサスブリッツ」とかになると、別ゲーと言ってもいいくらい違うし。本当に楽しいです。
ーーあとはうまくなってランクを上げるだけですね!
川島:そのために最近は「引くこと」を覚えました。3連敗したらやらないとか、「今日はダメだ」と思ったら配信中でも「やめます」って言えるようになりましたね。
ーーーそれは、うまくならない試合はやらないってことですか?
川島:そうですね、負け続けても意味がないし、ダメな時はダメなので。麻雀とかも負けている時にダラダラやってしまったら振り込んじゃう。振り込まないためにはやらないのが一番です。
で、違うゲームを遊んだり、ノーマルとかカスタムとかで違うチャンピオンを使ったりとか、違うスキルを磨いていますね。
自分の中で、負け続けている時の流れっていうのがあるなぁと最近は思っていて。たとえば、僅差で負ける時はいいんですけど、キルが5vs30とかの試合が続いたら区切りをつけます。「川島流“ロルール”」ですね。
自分がキャリーすればどうにかなるという話じゃないんですよね、『LoL』って。僕がキャリーできるわけでもないから、やりまくって強くなりたい、という段階は終わりました。
とにかくランクを回し続けるというよりは、いい流れの時にやる、悪い流れの時にはやらない、というのがいいかなと。
ーー川島さんがアイアンで頑張っている姿って、プレイヤーとして同じ立場の人たちはみんな同じ心理で見ていたと思うんです。下位ランクで頑張っている人にどんな声をかけたいですか?
川島:ブロンズの僕が言うのもなんなんですが(笑)、這い上がるのが厳しい局面もあると思うんですけど、もがき続けたら光が見えてくることは確かで。そこまで耐えられるかどうかはメンタルしかありません。1回やってきついと思ったら、ノーマルを誰かと一緒にやるとか。
格闘ゲームとかでもすごくいろいろな考えを巡らせてはいますけど、『LoL』って何もしていない移動中から、試合中ずっとその先のことを考えなきゃいけないんですよね。
FPSもひたすら隠れて胴体とか頭を狙って打つということ以外は考えなくてよかった。CSを撮ったりドラゴンを食べたり、そういう要素がなかったんですよ。
その意味で、僕が知っているどのゲームよりも、『LoL』は頭をフル回転させて戦うゲームだと思います。RPG要素もあるし、格闘要素もあるし、FPSの要素もある。だから世界的にもこんなに人気なんでしょうね。
ーーあらためて、川島さんが考える『LoL』の魅力ってなんでしょう?
川島:日本で『LoL』があまり流行っていないのは、知られていないということが一番大きいと思います。知ってどっぷりハマってしまったらとんでもないことになりますから(笑)。
『エーペックスレジェンズ』とかもやっていますけど、何回も何回もやっていると飽きてくるんですよね。ただ、『LoL』って飽きないというか夢中になれるというか、面白い要素がいっぱい詰まっています。
僕の配信をきっかけに、一緒に楽しんでもらえたらうれしいです!
ーーー
企画スタート当初はただの素人だった川島ofレジェンドが、いまや普通にどのレーンでもこなせるようになってきた。かなり実力がついてきたことは、配信を見ていてもありありと感じる。
なにより、「民度が低い」と言われる『LoL』シーンにおいて、彼の頑張る姿はアンチだった視聴者の気持ちも変え、今では配信でひどい言葉を見かけることもかなり少なくなった。これも『LoL』の盛り上げに一役買っているはずだ。
インタビューが終わっても「いまどんなチャンピオンがいいか悩んでるんですよね、やっぱりイラオイかな、マルファイトとかもいいんだけど……」と楽しそうに話す姿が印象的だった。
7月時点のランクをみると、今年中にゴールドに上がるのは難しいかもしれないが、いつかゴールドに到達して「見たか!」と高らかに宣言してくれる姿を楽しみに待ちたい。
川島ofレジェンドのYouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/channel/UC8qADJDpHNsu0FczeF3hyZg
川島ofレジェンドのTwitter:https://twitter.com/IPPOKAWASHIMA
川島ofレジェンドのTwitch:https://www.twitch.tv/kawashima_of_legend
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