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【インタビュー】SHG DasheR選手:初めてのPCSリーグ挑戦に「PSGは強かった。恥ずかしいというよりは悔しい」
『リーグ・オブ・レジェンド』(LoL)の国内プロリーグ「LJL 2024 Summer Split」で優勝し、「PCS 2024 Spring Split プレイオフ」の「ステージ2」より登場したFukuoka SoftBank HAWKS gaming(SHG)。
4月6日(土)に行われた準決勝(ルーザーズファイナル)では、格上と言われていたCTBC Frying Oyster(CFO)を相手に3-0のストレートで勝利。翌7日(日)のファイナルでは、一度2-3で敗北しているPSG Talonとのリベンジに挑んだ。
手の内を見られたSHG、盤石な準備のPSG
ゲーム1は、SHGがレッドサイドを選択。ここまでの戦いではブルーサイドの時の方が勝利回数は多かったが、以前の戦いを受けてカウンターピックを残す考えだ。
しかし、ここまでの20戦で「PCS」での手の内を見せてきたSHGに対して、研究し尽くしてきたであろうPSGは序盤から確実に有利が取れるバンピックを選択する。レベル1でDasheR選手のアニーがVsta選手のアリスターとのガンクでファーストブラッドを奪うなど光る場面も見せたが、PSGの連携の前に及ばず、大きなゴールド差をつけられて負けてしまう。
続くゲーム2もSHGはレッドサイドを選択。レク=サイにツイステッド・フェイト、カルマにタリヤ、スモルダーにジグスをぶつけ、最後まで隠したサポートにはLCKなどで話題となったカミールをピック。試合展開を変えようと積極的な戦いを模索したものの、視界やオブジェクトで常に一歩先を行くPSGには追いつけない。
運命のゲーム3ではブルーサイドを選択し、DasheR選手が得意とするアーリを優先的にピック。Forest選手のリー・シン、Marble選手のスモルダーなど、プレイオフで強さを見せた構成に近づけた。スモルダーのスタックが貯まった後半戦でキルを奪えたものの逆転には至らず、SHGの「PCS 2024 Spring Split プレイオフ」は0-3で準優勝に終わった。
今回は、そんな悔しい決勝戦を終えたばかりのDasheR選手にオンラインでインタビュー。言葉の端々に深い悔しさをにじませながらも、笑顔で応えてくれたのが印象的だった。
僕を信頼してくれたSHGで優勝できなかったのが悔しい
──PSG Talonとのリベンジを期した決勝戦、そして長かった「PCS 2024 Spring Split プレイオフ」の戦い、お疲れさまでした。まずは今のお気持ちを聞かせてください。
DasheR選手:PSGにリベンジできなかったので、自分的には少しショックはありますが、やっぱりそれくらい強いチームに負けたので、「恥ずかしい」ということはなく「悔しい」と思っています。
──昨日、CFO戦の勝利時にUSG(Unsold Staff Gaming)のエモートを出したのが話題にもなっていました。DasheR選手といえば、USGから「LJL」でのキャリアが始まって、SHGにメンバーが再編されてからも唯一残っている選手ですよね。このチームをずっと支えてきた立場として、今回の「PCS」にはどんな思いがありましたか?
DasheR選手:SHGは僕のプロ人生の中で、韓国にいた時よりも一番長いチームになりました。僕を信用してくれているチームにもいつも感謝していますし、僕にとっても大事なチームです。それだけに、優勝できなかったことが本当に悔しいです。
──ただ、「LJL 2024 Spring Splitでは今年DFMを破って初優勝を獲得しました。2023年の「Summer Split」での借りを返せましたね。
DasheR選手:「LJL 2024 Spring Split」は、僕たちの練習の内容が良すぎました。正直なところ、勝てて当たり前だなと思えるくらい努力してきましたから。思っていた以上に順調に勝つことができましたね。
PSG戦は自分のパフォーマンスが良くなかったことが敗因
──そして「PCS 2024 Spring Split プレイオフ」では、日本から3チームが出場しましたが、SHGは後半戦のステージ2からの戦いになりました。結果的に、ほとんどの試合がフルセットになりましたね。
DasheR選手:そうですね。CFOとPSGはかなり僕らよりも強いチームだと思っていたので、そっちの方が大変だと思っていたんですけど、戦ってみたらDCG(Deep Cross Gaming)もFAK(Frank Esports)も本当に強くて、僕らはそこまで相手よりも上というわけではありませんでした。「PCS」はやっぱり本当に強いリーグなんだと思いましたね。
──自分たちの方が上だというのは、今までスクリムをやっていた経験も踏まえて感じていた、ということですか?
DasheR選手:そうですね。ただ、中でもやっぱりPSGはちょっと変わったチームでした。
──そのPSGとの決勝戦では、ゲーム1とゲーム2でレッドサイドを取り、ラストピックを重視していましたよね。DasheR選手自身は、アーリに対してアニー、カルマに対してタリヤを当てて、最後はファーストピックのアーリにタリヤを当てられました。今日のご自身のパフォーマンスはどうでしたか?
DasheR選手:正直に言うと、「LJL 2024 プレイオフ」から「PCS 2024 プレイオフ」まで、僕的には自分がやれること、一番いいパフォーマンスが出せていたと思うんです。ですが、今日は自分自身のパフォーマンスが良くなかった。それが、負けた大きな要因だったと思います。
──とはいえ、今日のPSGはミッドのDasheR選手とトップのEvi選手に対して、序盤からガンクなども多く、かなり警戒していました。
DasheR選手:そうですね。今日のPSGはしっかり強い構成をピックした上で、戦っても勝っていました。それは本来なら僕らの勝利パターンで、完全なカウンターをされてしまったと思いますね。
──惜しくも「MSI 2024」出場は叶いませんでしたが、日本のファンにもPCSのファンにもSHGの実力を見せつけてくれて、夏への期待感はものすごいと思います。最後に、ファンにメッセージをお願いします。
DasheR選手:みなさん見ていただいたと思いますが、Fukuoka SoftBank HAWKS gamingには(PCSでも)勝てそうな実力がありますし、すごく面白いチームです。Summer Splitではもっといい試合をしますので、引き続き応援よろしくお願いします!
──本当にお疲れさまでした。また夏にも取材させてください!
DasheR選手:はい、ありがとうございます!
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「LJL」としての「MSI 2024」参戦は叶わなかったが、国内のみだった「LJL」に対して、台湾やオーストラリアなども含めた地域で戦える国際戦としての「PCS」は選手にもチームにも、それも出場した3つの「LJL」チームに対して大きな経験をもたらしたことは間違いない。
試合後の海外ファンの評価を見ても、「LJL」が新しい風を吹き込んでくれたことを歓迎するムードは多かった。「LJL」ファンにとっても新しい地域との戦いは非常に魅力的に映っただろう。
SHGはいないが、同じ「PCS」代表であるPSG Talonが「MSI 2024」でどこまで勝ち上がれるのか──中国・成都で5月1日(水)から開幕する「MSI 2024」の行方も追いかけていきたい。
Fukuoka SoftBank HAWKS gaming:https://gaming.softbankhawks.co.jp/
LoL Esports:https://lolesports.com/
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