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Mildom公認配信者・Sy4Ch1が、わずか1年で数百万の“ギフト”を獲得できた理由
Sy4Ch1(シャチ)というストリーマーがいる。
2021年7月現在、YouTubeチャンネルの再生数は最高のクリップでも約1500回、Twitterのフォロワー数は約1150人。正直なところ、決して多くはない数字だ。
しかし彼は、大学卒業後1年足らずでMildomで熱狂的なファンを獲得し続け、公認配信者、つまりプロストリーマーになった人物だ。
Mildomでは、1カ月間のギフト金額が数百万円に及ぶほどの人気を獲得し、現在も精力的に活動している。
『エーペックスレジェンズ』(Apex Legends)を中心としてゲームの生配信をしている彼が、いかにしてMildomで輝くことができたのか。コロナ禍の巣ごもり需要や、子どもたちの憧れの職業に「ユーチューバー」や「ストリーマー」という職業が並ぶ中、プロストリーマーに至るまでの苦労と喜びをインタビューした。
新型コロナの影響でMildomへ
ーーおそらく、Sy4Ch1さんはいま活躍しているMildomのストリーマーの中で、最も急成長された方だと思います。自己紹介も兼ねて、ストリーマーとして今の立場に至るまでの歩みを、まずは聞かせてください。
Sy4Ch1:高校の時にPCを買って、『AVA』というFPSゲームをやっていました。その後大学に進学し、いろいろなゲームを遊んでいたんです。
実は当時からちょくちょくYouTubeなどで動画を上げてはいたんですが、仲間内でのプレイをそのまま垂れ流すようなもので、まだ本気でやろうとは思っていませんでした。
ただ、ちょうど卒業のタイミングで新型コロナウイルスの影響をモロに受けてしまって……。地元に帰って大卒でバイトをしていてもなぁ……ということで、2020年の6月くらいからMildomで本格的に『エーペックスレジェンズ』でゲーム配信を始めました。
ーー配信サービスがいくつもある中で、Mildomを選んだ理由はなんだったんですか?
Sy4Ch1:Mildomは、配信時間に応じて報酬がもらえるというシステムなので、週何回かのアルバイトと同じ感覚だったんです。
最初はYouTubeでやっていたんですが、YouTubeは再生回数に応じて収益が得られる仕組みですよね。Twitchは英語が苦手だったということと、配信者の表示方法が登録人数順になってしまって、あるゲームで絞り込んでもなかなか自分を見つけてもらえません。
その点Mildomなら、まだ配信実績がない自分でも見てもらえるチャンスがあるなと思ったんです。
ーーシステム面で初心者にも入りやすかったということですね。Mildomでの配信の魅力はどんなところですか?
Sy4Ch1:Mildomには、時給が発生する「L1」と発生しない「L2」というランキングシステムがあります。L1に上がりたければ長時間配信しないといけない。それで、当初はゲーム仲間を呼んだりして、ほとんど丸一日配信していました。
ーー結果として、リスナーが少しずつ増えてきて「ギフト」ももらえるようになっていったたわけですね。成長できた理由は、ご自身ではどんなところだと思っていますか?
Sy4Ch1:やっぱり「必死さ」だと思います。プライドもなにもなく、明日生きるか死ぬか、だと思ってやっていたので。
だってお金がなかったら死ぬじゃないですか(笑)。「ここで頑張れば生きられるし、やる気がなくなったら死ぬ」くらいの気持ちでしたね。3時間睡眠で、2時間は他の人の配信を見て勉強して、あとの十数時間は配信して……というペースでした。
ーーそのモチベーションはどこにあったのでしょう?
Sy4Ch1:Mildomで配信を始めた当初から、「公認配信者」を目指して活動していたんですが、日々の配信をしていても決して満足しなかったんです。リスナーの人数も、自分がいただいている収益も、もっともらえるはずだ、まだ上にいけるんじゃないか? と常に考えていました。当時公認を目指していた方から「『エペ』がうまいから」と声をかけていただいて、コラボで同接がちょっと伸びたりもして。
「これなら公認を目指せそうだ」ということで頑張ったんですけど、「L1」には上がれたものの結局公認配信者にはなれず……。
でも、悔しいじゃないですか。リスナーの少なさも悔しいし、なにより応援していただいているリスナーに対しても申し訳なくて「なんで自分はこんなところにいるんだ」って、毎日自問自答しながら配信していました。
“投げてもいい雰囲気”の配信になれたきっかけ
ーー「ギフト」がもらえる理由は、ご自身ではどんなところだと思われますか? 視聴者の気持ちをつかむ配信のやり方などはあるんでしょうか?
Sy4Ch1:Mildomは、ギフトした側もポイントが上がる仕組みなんですよね。だから投げることによるお得感もあるという意識が、ファンの中でも根付いてきています。
僕の中での大きなきっかけは、いつもギフトしてくれる「らら」さんというリスナーの存在です。配信に遊びに来てくれたのが2020年7月の2週目くらいで、その方が投げるといろんな人が投げてくれるんですよ。そこから「この配信は投げてもいいんだ」という雰囲気になってきたんですよね。
ーー「投げてもいい雰囲気」って、たしかにありますよね。
Sy4Ch1:僕、毎回ギフトをもらうと吐きそうになっていたんですよ(笑)。L2からL1になった時は配信中に泣いちゃったりもして。それを見てららさんが「なんで吐きそうなの?」「なんで泣いてるの?」って気にしてくれて。ららさん自身も後に僕に影響されて配信を始めたりもして、今は僕のMildomアカウントの管理人をやってくれています。
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ーーそんな出会いもあるんですね。そうやって1カ月にすごい金額の「ギフト」をもらうようになったわけですが、配信者として気をつけていることってありますか?
Sy4Ch1:あまりギフトされていない配信を見ていると、感謝の気持ちをきちんと伝えていない人が多いなとは思います。「ああ、ありがと」くらいしか言わない。そういうのを見ていて、僕は感謝を込めて必ず読むようにしています。
ーープレイ中に読むのって難しくないですか?
Sy4Ch1:最初は読めなかったんですけど、配信に慣れるに連れてアイテムを漁っている時とかに読めるようになりましたね。プレイ画面よりもコメント欄を見る、くらいの気持ちです。
リスナーさんも長時間の配信だと飽きが来ると思うんです。ずっと見ていられる方は半分もいない。なので、その都度反応することが大事かなと思っています。
「Mildom公認配信者」の絶大な価値
ーーそうやって「L2」から「L1」になったのが2020年の7〜8月で、2021年6月についにMildom公認配信者になれたわけですよね。Sy4Ch1さんにとって「Mildom公認」であることの価値はなんですか?
Sy4Ch1:公認になると自分のアカウントが埋もれたりせず、上位に表示されることが大きいです。あと、細かいランキングの変動とかを気にせずに、自分のパフォーマンスを最大限配信できるようになります。
ーー今の状態はSy4Ch1さんにとっては「安心」なんですか?
Sy4Ch1:ランキングシステムに関しては安心感はあります。でもそれで終わりってわけじゃなくて。
StylishnoobさんとかShakaさんのように、もっと上位で活躍されているストリーマーさんはたくさんいます。彼らはお風呂に入っている時以外はずっと配信していたりもしていますよね。
そんなふうに上位の人たちが配信を頑張っているのに、駆け出しの僕らが公認になれたからって少ない時間だけというのはあり得ないと思っていて。上に行きたいと思うんだったら、それだけの努力をしないといけないですから。
ーーとはいえ、限界もあると思うんですが、どれくらいの時間から「頑張っている」と言えますか?
Sy4Ch1:もちろん、内容がスカスカな8時間と濃厚な4時間だったら、濃厚な4時間の方がリスナーさんも見やすいと思うんです。でも、有名な方だから濃厚な4時間が過ごせるのであって、無名な人はまず観てもらえないんです。
8時間全力でやれるわけじゃないし、同じことを言っちゃったりもすると思いますが、まずは長く配信することが必要だと思います。その中で、自分の体力と相談しつつ、80%以上の実力を出せるように頑張ることですね。
「ゲームの腕前」は配信者に必要?
ーーSy4Ch1さんはシーズン5でマスターに到達された腕前がありますが、ゲーム配信をする上で、腕前の必要性についてはどうですか? 最近はうまくはないけど配信している「吉本自宅ゲーム部」のようなタレントさんも増えていますよね。
Sy4Ch1:やっぱりMildomってゲーム配信というイメージが強くて、そもそも人ではなくゲームを見にきていると思うんです。
VTuberは例外として、ある程度うまくないと視聴者は来てくれないとも思います。もちろん、うまくなくてもしゃべりや面白さに長けている芸人さんなどもいると思うんですけど、配信に関してはその面白さを100%出せるわけではないので、ゲームの強さは必要です。
僕自身、本格的な配信はマスターになってからと考えていました。それ以前もゲーム中のVC(ボイスチャット)で話している配信は、友人などとやっていたんです。
でも、配信ってひとりじゃないとリスナーは増えないんですよ。配信していなかったり、数字を持っていない人と一緒にゲームしている配信には、コメントしにくいですからね。
ーー確かにそうですね。
Sy4Ch1:伸び悩んでいた時は、トップの方たちの配信を見ながら「なんで僕らみたいな下の方の人たちは売れないんだろう?」ということをずっと考えていました。同時に、「なんで上の方にいる人たちの配信は同接も多くて、コメントも多くて、ギフトも多いんだろう?」というのもまだまだわからない部分もあります。
ーーでは逆に、Sy4Ch1さんの配信の魅力ってなんだと思われますか?
Sy4Ch1:やっぱりリスナーとのコミュニケーションでしょうか。そのやりとりを見て、他のリスナーさんも楽しんでくれたり笑ってくれたりしていると思うので。
ーー逆に、配信する上でこれだけはやらない、ということはありますか?
Sy4Ch1:言葉づかいですね。あとは、いじめと思われるようなことはしないということ。
軽くからかったつもりでも、それがいじめにつながったりすることってネットだと多いじゃないですか。コメントに反応した時に時々リスナーから謝られたりすることもあるんですけど、そういうときは「謝らないで!」ってきちんと伝えています。
ーーそうやってSy4Ch1さんを中心としたコミュニティができてきたことを感じられたのっていつ頃でしたか?
Sy4Ch1:徐々に増えていったので、はっきりとこのタイミングという記憶はないです。リスナーが増えていく中でも、いつもひとりひとりに「どこから来てくれたの?」とか問いかけたりしているんですよ。常にリスナーが笑っていられるように考えています。
ーーSy4Ch1さんのご活躍って、いわばストリーマーという職業における「メイクドラマ」だと思うんです。これから自分もストリーマーとしてやっていきたい! と思っている方にアドバイスはありますか?
Sy4Ch1:はっきり言って、今からストリーマーになることはオススメしません(笑)。
ーーええっ!? それはなぜ?
Sy4Ch1:多くの方が、成功している高収入のストリーマーしか見ていないからです。そこに至るまでの過程を知らないんですよね。
成功するまでにどれだけの努力を積み重ねてきたか、そのことを知ってもなおやってみたいということなら、頑張ってもらいたいと思います。
僕もMildom公認を得られるまでに、見えないところでいろいろな努力もしましたし、あまり表には出しませんがつらい思いもたくさんしてきました。それでも続けてこられたのは、リスナーの応援があったからこそです。
ーー最後に、これからの夢をお聞かせください。
Sy4Ch1:正直なところ、これからはひとつの配信サービスだけで食べていくのはムリだと思います。今の時代、何かひとつだけで成功することは難しいですから。
なので、配信ならMildom以外にYouTubeなどもやったり、SNSならTwitterやインスタグラムなども組み合わせて、自分自身を見てもらえる機会をもっと増やしていきたいと思っています。
ーーー
ある意味では、新型コロナウイルスがなければ、Sy4Ch1さんはMildom公認配信者にまではならなかったかのかもしれない。コロナには何一ついいことなどないのだが、彼の人生を変えるほどの大きな変化をもたらしたことは確かだ。
そして、Mildomで成功しているストリーマーでさえも、次の一手を探して日々努力を積み重ねている。ストリーマーという仕事はそれほど過酷な世界だ。
しかし、そのことをしっかり理解した上で、リスナーに笑顔を届けられる人であれば、これほど幸せで挑戦しがいのあるビジネスも他にない。
Sy4Ch1さんに続くストリーマーは、果たしてどのようなかたちで現れるのか。今回のインタビューがそんな夢を抱く方々の刺激と励みになれば幸いだ。
Sy4Ch1のMildom:https://www.mildom.com/10787040
Sy4Ch1のTwitter:https://twitter.com/Sy4Ch1_mildom
Sy4Ch1のYouTube:https://www.youtube.com/channel/UC5kWrumIvqsem9BiteC3PTA
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