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日本チーム同士が国際大会で激突! NORTHEPTION xnfri選手&Crazy Raccoon Astell選手インタビュー【「VCT 2022 East Asia Last Chance Qualifier」 】
『VALORANT』の公式大会で、今年の集大成となる世界大会『VALORANT Champions 2022』が2022年9月2日(金)〜18日(日)にかけてトルコはイスタンブールで開催される。
その大会出場者を決める、東アジア地域の敗者復活をかけた大会「VCT 2022 East Asia Last Chance Qualifier」の8月11日(木)の試合では、日本チームの🇯🇵Crazy Raccoon(CR)と🇯🇵NORTHEPTION(Nth)が直接対決。どちらかがUpper Bracketに残り、どちらかがLower Bracketに落ちるという重要な1戦だ。
両チームは国内大会では何度も対戦してきたが、「LCQ」は世界大会に出場するための最後のチャンスであり、シーズンの戦いとは重みも意気込みもいまるで違う。
そんな2チームの戦いは、🇯🇵CRがピックしたマップ1のブリーズでは、Meteor選手のマーシャルによる5人抜きなどの活躍もあり、オーバータイムにまで及ぶ激戦を🇯🇵Nthが勝ち取る。続く2マップ目は🇯🇵Nthがピックしたヘイブン。今度は🇯🇵CRのMeiy選手のネオンが圧倒的な機動力で暴れ回り、10-13で取り返す。そして、互いに勝率の高い得意マップであるスプリットは、序盤はCRがリードしたものの、🇯🇵Nthがラウンド6から7連勝。最終的に13-5で勝負を決めた。
今回は、国際戦の舞台で刃を交えた🇯🇵Nthのxnfri(ゼンフ)選手、🇯🇵CRのAstell(アステル)選手にそれぞれインタビュー。「LCQ」での戦い、互いのチーム評などを聞かせていただいた。なお、11日時点のインタビューのため、xnfri選手にはEDG戦に向けた意気込みもうかがっている。
CRは戦うたびに強くなっている──xnfri選手
──🇯🇵CR戦での勝利、おめでとうございます。決して楽な試合ではなかったと思いますが、率直な感想をお聞かせください。
xnfri選手:とにかくうれしいという感情と、🇯🇵CRは毎回対戦するたびにパワーアップしているので、負けてられないなという思いで戦いました。
──それを最も感じたのはどんなところですか?
xnfri選手:撃ち合いのパワーが全体的に上がっていたのもそうなんですが、戦略の幅や動き方の傾向を結構変えていたところが読みづらくてやりづらかったです。
──1マップ目のブリーズでは、アタッカーサイドの🇯🇵Nthが序盤からリードしましたが、サイド変更後に追いつかれ始めました。戦っていたxnfri選手はどんな思いでしたか?
xnfri選手:味方も自分もそうなんですが、緊張していたのか、動きとか撃ち合いのレベルが普段よりも落ちていました。ディフェンダーになってから、🇯🇵CRのラッシュとかが来た時にもミッドのファイトで負けるところが多かったので、守りづらかった印象がありましたね。
──ただ、後半はMeteor選手のマーシャルでの5人抜きエースについ目が行ってしまいましたが、xnfri選手はどんなところに気をつけて戦っていたのでしょうか?
xnfri選手:🇯🇵CRがミッドを強く取る動きをしてきたので、その代わりにAメイン、Bメインを守ろうと意識していました。
──それは、🇯🇵CRに対して用意していた作戦ですか?
xnfri選手:試合中のタイムアウトの際に、攻守交代してからbailコーチからのアドバイスをもらいました。試合中は選手はプレイに集中しているので俯瞰で見ることが難しいのですが、コーチが頼りになるアドバイスをしてくれるので助かります。
──続く2マップ目のヘイブンは、結果的には落としてしまったわけですが、序盤は🇯🇵CRが取って、🇯🇵Nthが巻き返も届かず、という流れになりましたよね。オープニングは0-4で🇯🇵CRにリードされてしまいました。
xnfri選手:あまりよく覚えていないんですけど、🇯🇵CRの初動のAロングのアクションが強くて、ネオン構成ということもあったので、後ろに引いていては絶対に守れない。なので、Aロングを前気味で強気で守るように変更しました。
──そこで🇯🇵CRの流れも少し鈍化はしたものの、依然2ラウンド以上の差は詰められないまま、10-13で敗れてしまったわけですが、試合中のチームの様子はどうでしたか?
xnfri選手:目の前の試合に必死で、正直もう少しで追いつけるとか考える余裕もなかったです。1ラウンドずつつなげることにしか集中していなかったので、あと1本取られたら負け、というところだけ気にしていました。あとは、相手のクレジットとアルティメットスキルの状況を見てはいましたが、追いつけるとかは考えていませんでしたね。
──そして、3マップ目のスプリットでも、2マップ目と同様に🇯🇵CRにリードを許す形になりました。
xnfri選手:🇯🇵CRの構成にセンチネルがいなかったので、トラップ系とかエリアを確保するために人をつけなければいけないという話をしていました。やっぱりベントの重要性、ベントのPopogachi(ポポガチ)を負かす動きをしようというコールがあって、そこからうまくいき始めましたね。
──これは勝てるかも、と思えたのはどの辺でしたか?
xnfri選手:ディフェンダー側のファーストラウンドを取れた時ですね。それまで僕個人のパフォーマンスがあまり良くなくて、そのピストルラウンドで3キルできて相手を止められたので。自分に自信が持てて、チームとしても「勝てるぞ!」という空気感が出来上がったのはここでした。
──次に戦うのは、EDGです。印象はいかがですか?
xnfri選手:EDGとは長らくスクリムとかもしていないので、あまりよくわからないんですけど、向こうは7人体制で、ベンチに控えている選手も強力です。そのふたりがいつ出てくるかというのも気になってはいますし、全体的な撃ち合いのレベルも高いので、連携で勝つしかないと思っています。
──今日のREJECT戦を見ても、何を信じてそこまで突っ込んでこれるのかという、常識を超えた動きをするチームという印象があります。
xnfri選手:僕もガンガン前に行きたがるタイプではないので、中国チームが持っている個人個人の自信はすごく尊敬していて羨ましいんです。そこが彼らの長所ですね。
──次の試合に向けた意気込みをお聞かせください。
xnfri選手:🇯🇵Nthの目標はチャンピオンズに行くことなので、どんな相手が来ても負ける気はありません。引き続き、勝ちに行きたいと思います!
絶対逆転できると信じていた──Astell選手
──🇯🇵CRとしてはシーズン中から何度も🇯🇵Nthと当たってきましたが、今回は敗北を喫してしまいました。率直な思いを聞かせてください。
Astell選手:「LCQ」で再び🇯🇵Nthと当たることになって、今回は絶対リベンジしたいと思っていたんですが、また負けてしまって悲しいです。
──試合を振り返ると、1マップずつ分け合ってからの3マップ目のスプリットがかなりきつそうだなと思ったんですが、どういった狙いのバンピックだったのでしょうか?
Astell選手:ブリーズは🇯🇵CRにとって自信があるマップで、スクリムの成績も良かったのでピックしました。さいたまスーパーアリーナでは負けてしまいましたが、あの時よりも強くなったので、勝てると思っていました。🇯🇵Nthのヘイブンとスプリットのピックはある程度予想していて、ヘイブンも自信があったのでいいバンピックでしたね。
──1マップ目のブリーズは拮抗した試合になり、13対15とオーバータイムにも突入するほど惜しい試合でしたね。
Astell選手:🇯🇵Nthはスキルをもらって入ってくるMeteor選手が本当に強くて、ディフェンダー側で惜しかった試合も多くてもったいなかったんですが、3対9でアタッカー側に攻守交代した時は、この数字でも全然勝てる! と思っていました。
──勢いそのままに、2マップ目のヘイブンでも序盤に4対0と大きくリードしました。どんなかたちで攻めていったのでしょうか?
Astell選手:🇯🇵Nthにはキルジョイがいたので、先にアラームなどを壊してからラッシュをかけることを意識していました。あと、Meteor選手が突然詰めてきたりすることも多いので、そこも警戒しながらやりました。
──特にこの試合は、Meiy選手のネオンが相当暴れましたね! こういう時はチーム内でも盛り上がったりするんですか?
Astell選手:そうですね、Meiyはいつもスーパープレイを見せてくれて、それでみんなで盛り上がることは本当に多いですし助かります。
──ただ、最後の3マップ目のスプリットは、🇯🇵CRとしては1本取られた後で5ラウンドまで4連勝したものの、そこから7連敗を喫してしまいました。
Astell選手:🇯🇵Nthがサイドを早めに取るような動きをしてきたんですが、それに対する対応が遅くなってしまいました。
──今から考えると、どこか切り替えられるタイミングはありましたか?
Astell選手:スプリットは守りの内容が悪かったわけではありませんが、少数戦で落としたラウンドが多かったのはもったいなかったですね。
──Meiy選手とAstell選手は元🇯🇵Nthですが、今の🇯🇵Nthの強さはどんなところだとお考えですか?
Astell選手:Meteor選手も強いですが、それだけではなく、みんなのマクロとか個人個人の撃ち合いも強い、バランスがいいチームなのかなと思います。
──次の試合に向けて心がけたいことはありますか?
Astell選手:大会はスクリムと空気が違うことはみんなが感じているので、勝負できるシーンは勝負してもいいし、打ち勝とうということを意識しながら、硬くならずにやりたいプレイをやれたらと思います。
🇯🇵CRも🇯🇵Nthもさいたまスーパーアリーナの大舞台に立ち、世界で戦える実力も十分に備えている。ただし、経験という意味ではコペンハーゲンで戦ったNthの方がアドバンテージを持っていたのかもしれない。
いかにプロeスポーツプレイヤーだからと言っても、人間は常に実力を100%出し切れるわけではない。体力的にも精神的にも、大きなプレッシャーの中で、しかも5人のメンバーがシナジーを発揮できるレベルでベストを出し切ることはとても難しい。🇯🇵Nthはその実力を発揮し、🇯🇵CRはわずかに100%には届かなかった。
残念ながら、このインタビューの翌日の8月12日(金)に、🇯🇵CRとRCはLower Bracketで敗退し、ともに2022年シーズンの戦いを終えた。そして、🇯🇵Nthはかなり肉薄したものの🇨🇳EDGに敗れ、Lower Bracket Finalsから再度チャンスをうかがう。これで敗者復活の権利を持つ日本チームは、Nthのみとなった。
マイナーリージョンと呼ばれる日本から、敗者復活とはいえ3チームに可能性がある大会も初めてなら、この「LCQ」で🇯🇵Nthが生き残り、ZETA DIVISIONとともに2チーム体制で参戦できたとしたら、そのこと自体もとてつもない快挙と言っていい。
「LCQ」の最終決戦は8月14日(日)。世界大会への最後の切符を手にすることができるのはどのチームか──瞬きせず、結末を見届けよう。
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PCやスマホアプリの活用記事を得意とするテクニカルライター。eスポーツブームに乗ってやってきた新参ライターながら、ゲーセンストII全盛組で現在はスト5、LoL、Apex、FF14、各種縦シューと節操なくプレイ中。共著に「iPhone/iPadではじめるEvernote」(アスキー書籍)がある。
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