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【特集:eスポーツ昔ばなし】第3回 特別編 DreamHack Japanから見るeスポーツの歴史

2023年7月28日 14:00配信
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みなさんこんにちは、やすお(OFF)です。

今回は2023年5月13(土)〜14日(日)に開催された「DreamHack Japan」に行ってきましたので、昔話成分を少しだけ交えながらレポートしていきたいと思います。

そもそも「DreamHack」というのは、eスポーツ最強国家(2000年代初頭)であるスウェーデン発祥のLANパーティBYOC(Bring Your Own Computer:自分のPCを持ち寄って快適なLAN回線でワイワイ遊ぼうぜというお祭り)を起源とする大型eスポーツイベントです。

LANパーティだけでなく、さまざまなゲームタイトルでの大会やイベントが開催されるまさにeスポーツのお祭りとなっております。

それではさっそく、「DreamHack Japan」の各ブースの催しなどについて紹介していきま……いや、その前に昔話から。

スウェーデン発祥といわれる所以(ゆえん)


今時の方はスウェーデン発祥のeスポーツイベントと聞いて「なぜ、スウェーデンなのか?」と疑問に思われるかもしれません。実は2000年代初頭においてスウェーデンはeスポーツ大国だったのです。

例えば5vs5の金字塔ともいえる『Counter-Strike』においてスウェーデンは本当に強かったのです。世界最強でした。当時世界最大のeスポーツ大会であった「Cyberathlete Professional League」(以下、CPL)の優勝チームは下記の通りになります。

2001Winter:
Ninjas in Pyjamas

2002 Summter/2003 Summer/2003Winter
SK Gaming

2004 Summer:
Eyeballers

2005 Summer/2005Winter:
SK Gaming

※参考:https://liquipedia.net/counterstrike/CPL

これら優勝チームのすべてがスウェーデンのチームです。とにかく5vs5タクティカルシューターのジャンルにおいて圧倒的に強かったスウェーデン。そのスウェーデン発祥のeスポーツのイベントなのですから、その憧れたるや相当なものです。

「CPL」が全盛期だった頃の「DreamHack」はBYOCメインという側面がまだ強く、「CPL」の方が大会の規模や賞金総額は上でした。「CPL」がその役目を終えた2007年頃からは「DreamHack」はBYOCの分野だけでなくeスポーツ大会の分野においても確固たる地位を築いていったのです。

その頃の日本のeスポーツ大会とBYOCは?


ということで、古の和製「DreamHack」ことCPL 2004 Winter日本予選 & BYOCについてのお話を。

CPL2004Winter日本予選&BYOC


2004年の11月に開催された日本最大級のeスポーツイベント「2004 CPL Winter」日本予選&BYOC。『Counter-Strike1.6』の日本代表を決める大事な大会とBYOCを一緒くたに開催するという——こちらもeスポーツのお祭り、和製DreamHackといっても過言ではないイベントです。開催地はなんとあのNecca秋葉。伝説の1on1が開催された日本のeスポーツの聖地です。



▲BYOC会場準備 ごくごく普通の長机にパイプ椅子という環境にずらっと並ぶCRTモニター。PCは宅配便などで運べても流石にCRTモニターは運べる人が少なかったので、主催側がレンタル用のCRTモニターを多数手配してくれていました。「えっ? 液晶モニターなら運べるんじゃないかって?」液晶モニターでFPSプレイできるわけないじゃないですか(当時の液晶モニターは遅延がひどい)

▲2004年当時の私のPC。PCの上に置いてあるのは聖地で買った聖地のドリンク”ドクペ”

▲CS1.6紅白戦(現代風にいうとカスタムマッチ)を楽しむプレイヤーたち(動画:https://www.youtube.com/watch?v=R3Vaka0n2sQ

動画をご覧いただいておわかりいただけますように、BYOCエリアでは各人が思い思いに好きなゲームを楽しんでいました。楽しそうでしょう? 遊んでいるゲームはPCゲームがほとんどで、さらにいえばほとんどがFPSだったりします。

当然のことながら規模も動員も「DreamHack Japan」とは比べ物にならないのですが、狂ったようにゲームで遊び倒し、eスポーツ観戦も楽しむという意味では素晴らしい環境でした。

ちなみにごく一部変なゲームをやっている勢もいました。ひとり黙々と『DungeonCrowl』(ローグライクゲーム)で遊んでいる人とか——。一人黙々とプレイされているのを見ると気になるじゃないですか。「何そのゲーム? わざわざこんなところでやるくらいに面白いの?」 で、やってみたら面白くて自分もやることになったんですね。でもソロゲーにLAN回線関係ないのでは……。


▲憧れのプレイヤーの手元やゲーム画面、デバイスチェックができるのもBYOCの醍醐味。こちらはDeadlyDrive創設者BRZRKさん。DKTパッドという当時としては珍しい布製の大型マウスパッドにFUNAI製のキーボード。ヘッドホンはおそらくゼンハイザー?

 ▲4dimensioN(撮影当時Xen)のKeNNyさん。キーボードはREALFORCEでマウスパッドはfUnc sUrface1030、マウスはIE3.0。当時のFPSプレイヤー憧れのデバイスセットアップですね

▲negitaku.orgのYossyさん。初めてのエンカウントがこのCPL2004&BYOCでした。当時は顔出しNGだったので写真撮影拒否されたんですが、実はこっそり無許可で撮影していました。ここだけの話にしておいてくださいね


▲4台のXboxで行われたHalo2の16人対戦会。参加するだけでも豪華な賞品がもらえました

▲参加賞の2004年版のHalo2カレンダー! なお受領時点で2004年11月であり使用期限は約1カ月

スポンサーブース


▲スポンサーブース。当時のゲーミングデバイスやPCゲームの通販では定番だったGDEXさん(今の時代に例えると「ふもっふのおみせ」さん的な立ち位置)。当時としては非常に珍しいeスポーツに大変理解のある会社で、「CPL」だけに限らずオンライン大会のスポンサーなども請け負ってくれていました

▲こちらはマイクロソフトのブース。『Halo2』発売間もない頃で、『Halo2』のミニトーナメントなども開催していました。後ろにあるキーボードやマウスなどが賞品でいただけましたが、このマウス悪名高きIE4.0なんですよね……。「IE3.0再販してくれ!」と当時のFPSプレイヤーは熱望していました

CS1.6大会会場



▲BYOC会場の隣に設けられたCS1.6大会観戦用スペース。座席はせいぜい20~30席しかないですが、観戦は大いに盛り上がっていました


▲元祖eスポーツキャスターのNao-Kさん(実況)とBravoさん(解説)。試合の観戦に実況と解説が付くというだけで当時としてはもの凄い特別でeスポーツ感が溢れていました


▲試合会場。あれっ? 液晶モニター使ってる……。ス、スポンサーの都合かな? とりあえず選手は当時の液晶モニターの性能に不満をいってたような気がします

写真成分多めでお送りしました和製DreamHackこと「CPL 2004 Winter」日本予選&BYOC。3日間(52時間)の開催だったのですが、会場は24時間オープンしている状態。つまり寝ずにずっと遊び続けることも可能だったのです。当時は若く、気力も体力もアーマーもシールドもスプリントゲージもフル状態だったので、ほぼ寝ずに何かしらで遊んだり、観戦したりしていました。懐かしい……戻りたい若かったあの頃……。

そして時は2023年へ!


そろそろ2004年の話を終えて2023年の話に戻りましょう。「DreamHack Japan」の記事ですもんね一応。実は「DreamHack Japan」に行くかどうか決めかねていました。行きたい気持ちは山々だったのですが、今年はeスポーツ関係のイベントに行き過ぎており、家族の目が痛かったというのが躊躇の主要因です。

もし無料でいけるならきっと行くの許してもらえそうなんだけどなぁ……そんな奇跡起きるはずなんてないし……と半ば行くのは諦めていたのです。が、なんやかんやありまして無事「DreamHack Japan」に行けることとなりました。

▲なんかかんや発生した奇跡

ということで、モンスターエナジーさんに心から感謝しつつ「DreamHack Japan」に参戦してまいりました。

DreamHack Japanレポート スポンサーブース


■GALLERIA


今回の「DreamHack Japan」の冠スポンサーでもあるGALLERIAのブース。冠スポンサーということは、たくさんの協賛金を出していただいているということですね。GALLERIAさん、いつもeスポーツに多大なるご支援ありがとうございます本当に。

ブースではGALLERIAの最新ゲーミングPCで各種タイトルの試遊ができるほか、時間帯によっては人気ストリーマーのトークショウが開催されていました。

 ▲ストリーマーのトークショーには大勢の人が。前方に行くには整理券が必要

▲ぶいすぽっ!メンバーのサイン入りパネルも展示

■ZETA DIVISION


みんな大好きeスポーツチーム「ZETA DIVISION」の物販! 壮行会での物販をのぞくと実は超久しぶりの物販です。5月13日(土)の開幕直後は凄い人だかり。開場待ちで並んでいた人のうち体感8割くらいがZETA DIVISIONブースに直行していました。私もZETA大好きなので、開幕ZETA直行。

ガチャ含めおよそ4万円強の商品を購入させていただいたのはココだけの秘密です。嫁さんには絶対に教えられません。


▲大混雑していたZETAブース。今回初のZETAガチャは13時ごろにはガチャは売り切れていました。在庫は1500個//日だったそうです

■Snapdragon


Qualcommのスマホ用のSoCブランドであるSnapdragonのブース。『Brawl Stars』、通称ブロスタを最新のSnapdragon搭載のハイエンドスマホで遊ぶことができます。


▲遊んでSNSに投稿するだけで名前入りユニフォームまで貰えます。流石に豪華すぎる!

▲bot相手に勝利すれば特大サイズのゲーミングデスクマットまで。流石Qualcomm!

■TOYOTA


こちらはトヨタのブース。
何故ゲームなのにトヨタ????
自動車メーカーでは??
車の中を見てみると……。

▲『ストリートファイター6』が大画面で遊べるというゲーミングカーでした!

こちらも遊んでSNSに写真を投稿するだけで豪華なノベルティが貰えました。

▲オリジナルのストリートファイター6なTシャツとリストバンド! ノベルティのレベルが凄い

■モンスターエナジー


モンスターエナジーブースでは1本200円でモンスターエナジーを購入すると、くじ引きでステッカーやバッグ等のグッズが貰えるキャンペーンが実施されていました。

▲『CoD』で遊ぶとノベルティが貰えるゾーンも

今回、私はモンスターエナジーさんに頂戴した特別なチケットを持っていましたので、なんとZETA DIVISIONのすでたきさんと会う権利『ミート&グリート』がついているのです! とんでもない権利発生に感謝します!

▲ZETA DIVISIONすでたきさんと私。ポーズはゲーミング腕組みでお願いしました

▲ミート&グリートの記念品。MASTIFF ZERO DAMAGEキャップ。こちらも豪華すぎる

すでたきさんミート&グリートは15組30名が当選していたのですが、はるばる遠方から来られている方も多数いらっしゃいました。北は北海道から南は福岡県まで。交通費/宿泊費は自己負担なのですが、30名ほぼ皆勤という素晴らしいファンの熱量を感じることができました。

『Counter-Strike: Global Offensive』大会



「DreamHack」といえば『Counter-Strike』。国内『Counter-Strike: Global Offensive』(以下、『CS:GO』)の人口比率は『VALORANT』に押され、規模が縮小傾向であるのは残念ながら事実です。ですが、「DreamHack Japan」ではしっかりと完全なる形で『CS:GO』の超カッコいいオフライン大会が開催されていました。


▲『CS:GO』の最後のオフライン観戦を楽しむ観客の方々。『VALORANT』に移行してしまった元『CS:GO』村の人も、『CS:GO』村に居住を続ける根強いファンの人も大いに観戦を楽しんでいました

▲実況のVioletさんと解説のMamEさん。『CS:GO』愛が凄いおおふたり。大舞台でもいつも通りの素晴らしい実況解説でした

▲レジェンド REJECTのKeNNyさんとJadeiteのnoppoさんも『CS:GO』を観戦されてました

観客数も結構な人数が入っており、試合は大いに盛り上がっておりました。あの瞬間の、あの空間は間違いなく、世界中の誰がどう見ても「DreamHack」であったと私は確信しております。それもこれも『CS:GO』の大会をやろうと思ってくれたESLさん、『CS:GO』愛を持ち続けて『CS:GO』をプレイし続けてくれたプレイヤーの皆さんと大会主催の方々のお陰です。

BYOCエリア



今回私がモンスターエナジーさんから頂戴したチケットは、残念ながらBYOCエリアには入場できないタイプのチケットだったため、BYOC参加者の皆様とは柵越しのコンタクトとなりました。

▲弊チーム「おっさんずVALO」のBYOC参加者の皆さん。金網越しの面会

「DreamHack」限定グッズなどの賞品付きのミニイベントが多数開催され、参加者の皆さんは楽しんでおられたようです。BYOCとほかエリアのシナジーというのは隔離感もあり若干感じにくい配置と構成でしたが、やはりココは「DreamHack」なので。同じ会場にBYOCが存在するという事に意義があると思うのです。

BYOCは自らのPCをわざわざ会場に運び、仲間やその場で知り合った人と遊ぶという、なかなかにハードルが高い催しではありますが、BYOCこそ「DreamHack」が「DreamHack」たる根幹の部分ですからね。次回「DreamHack Japan」の時もBYOCをどうぞよろしくお願いしますESLさん。

Creators Hub


人気ストリーマーやアーティストが配信しているエリア。アーティストの方などは残念ながら撮影禁止でしたが、ストリーマーの方は撮影可能でした。

▲しかもこの距離感! ファンはめちゃくちゃうれしいですね!

▲FENNELのmittiiiさんはサインや写真の神対応もして下さるというサービス精神

▲整理券必須のミート&グリートはこの行列!ストリーマーの方々の人気を目の当たりにしました。やはり数字を持っている方々は凄い

まとめ


ということで、「CPL 2004&BYOC」と「DreamHack Japan」をまとめてレポートしてみました。19年という年月の差や、動員と会場の規模の差などはあれど、熱狂的なゲーマーたちのためのイベントであるということは変わっておらず、それが実感できて私は安心しました。

eスポーツに関わるゲームジャンルが増え、人が増え、企業が増え、開催には運営は相当大変だったんじゃないかと思える今回の「DreamHack Japan」。

まずは1回目ということで商業的な成否というのはいったん置いといて、ぜひ第2回「DreamHack Japan」も開催していただきたいと心から思いました。

やすお(OFF)


1996年からPCゲーム沼に漬かってきたオールドゲーマー。青春時代をeスポーツに捧げ、黎明期のeスポーツシーンを記録する活動をしてきた。趣味はeスポーツサイン集め。2004年当時、国内最強チームであった4dimensioNのメンバーが初めて書いたサインが家宝。直近の目標はZETA DIVISIONメンバーのサインを獲得する事。

Twitter:@offeryasu
 

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