FPS・TPS 最新情報
【レビュー】強力なノイキャンで没入感万歳「Turtle Beach Stealth Pro」
『VALORANT』のようなFPSはもちろん、『ストリートファイター6』のような視覚障害者向けのサウンドアクセシビリティなど、eスポーツ競技タイトルの中には視覚だけでなく聴覚が重要となるタイトルが増えてきている。
そこで、今回はTurtle Beachから発売されているゲーミングヘッドセット「Turtle Beach Stealth Pro」をレビュー。強力なANC(アクティブノイズキャンセリング)搭載で、デュアルワイヤレス接続対応、各ゲームに特化した音質に設定できる専用アプリ対応など、魅力万歳の機能を紹介していこう。
とにかく強力なノイズキャンセルがほしい! といった人や、普段使っているヘッドセットだと足音や銃声が聞き取りづらい! といった人には問答無用でおすすめしたい。
また友だちと通話をしながらゲームを楽しみたいという人や、充電問題に悩まされることなく無線でゲームを楽しみたいといった人、家だけでなく外出先でも同じヘッドセットを使い続けたいといった人にもおすすめだ。
充電ステーション付きで絶え間ないワイヤレス環境を
まずは外観をチェックしてみよう。シンプルながらゲーミング感を漂わせるデザインで上品な質感が特徴。バッテリー収納やブームマイクの取り付けは左側に、USBコネクターや操作ボタンなどは右側に集約されている。
イヤーカップは耳を完全に覆うことができるオーバーイヤータイプ。密閉型なので没入感があり、音漏れを気にせずゲームや音楽を楽しむことができる。
マイクはフリップミュートに対応。接続したブームマイクを上に持ち上げることで自動的にミュートになる。ミュートになったタイミングでビープ音がするので、音でも確認可能だ。さらに別途マイクが内蔵されているため、ブームマイクを接続していない時はそちらのマイクが優先される。
また右側にはUSB Type-Cコネクターに3つの物理ボタンがある。一番左のボタンは後述するSUPERHUMAN HEARINGのオンオフや、マイクのミュート・ミュート解除のボタンに割り当てられている。
充電ステーションはヘッドホンとの接続状況が確認できるLEDライトがついているほか、PCやPS5などに接続するためのUSBコネクターと、充電専用のUSBケーブルコネクターがある。
Console/PCコネクタからPCやコンソールに接続している場合は、そちらか給電も可能になるので、改めてCharge Only側に接続する必要はない。
接続してすぐ使える低遅延のワイヤレス環境!
「Turtle Beach Stealth Pro」の魅力のひとつは、USB接続で簡単に2.4GHzワイヤレス環境が構築できるということ。即座に強力なANC音質を楽しむことができる。
接続方法は非常に簡単。付属のUSBケーブルでPS4/5、PC/Mac、Nintendo Switchに接続すればOK。なお、Nintendo Switchに接続する際は、ドックのUSBコネクターに接続すること。ヘッドセット右側にある電源ボタンを2秒間長押しでペアリング完了する。
あとはPCやPS4といったデバイス側で音声出力を「Turtle Beach Stealth Pro」に変更しておこう。なお、充電ステーションにあるスイッチは、PS4/PS5を接続する際はPSに、PC/Macに接続する際はPCに切り替えておこう。なおNintendo Switchはどちらでも構わない。
音質は全体的に重低音が効いているといった感じ。アクションゲームやRPGといったタイトルをプレイする時も没入感のあるプレイが可能だ。
足音がやばいくらい聞こえるSUPERHUMAN HEARING
やはり特筆すべきはTurtle Beachの音響増幅テクノロジーでもある「SUPERHUMAN HEARING」モードだ。こちらをオンにすると、小さい足音や銃声などがどこから聞こえてるのかが非常にわかりやすくなる。
SUPERHUMAN HEARINGをオンにすると全体的に乾いた音質になり、足音や銃声の聞き取りやすさが重視される。例えば『VALORANT』といったわずかな足音や銃声の音が重要となるFPSタイトルで猛威を発揮する。
SUPERHUMAN HEARINGをオンにした筆者しか聞こえなかったのか、キルされたあと味方視点で観戦していた時に敵の位置がわかってない味方がいたのが印象的だ
自分がプレイしている時はもちろん、キルされて味方の視点になった時もVCによってアシストできるのは強み。「後ろ後ろ!」ととっさに報告することで勝利できたラウンドもあった。
当然といえば当然だが、足音や銃声が聞き取りやすくなることを最も重視しているので、全体的な音質は悪くなる。いわゆるドンシャリのシャリの部分が強力になったと思ってもらえるとわかりやすい。
さらに後述する専用アプリを使えば、SUPERHUMAN HEARINGの強度や、足音や銃声といった重視したい音を選択できるようになる。
外で使うのがはばかられる強力なANC
もうひとつの特徴は強力なノイズキャンセリング機能だ。もともと密閉型ではあるので室内のノイズは軽減されるが、ACNをオンにするとエアコンのファンの音やPCのファンの音など、ホワイトノイズが目立つ室内が無音になるレベル。
外ではどんなもんかと、騒音レベルが非常に高い地下鉄や自動車内助手席で試してみた。結果はかなり快適。地下鉄では外部のノイズをすべて除去するのは難しいが、ストレスなく音楽を聴くことができた。
一方、自動車の車内ではロードノイズはほぼ軽減され、環境音はわずかに聞こえるレベルに。音楽に没頭することができた。音楽を聴いているとあまりに周囲の音が聞こえなくなるので移動中は使用を制限したい。
こちらも後述する専用アプリで強度を調整することが可能だ。
2.4GHz+Bluetoothのデュアル接続で通話しながらゲームも!
「Turtle Beach Stealth Pro」はデュアル接続に対応しているため、ゲームは遅延の少ない2.4GHzで接続しつつ、友人との通話はBluetoothでスマホと接続することで、ゲームと通話を同時に出力することができる。
もちろん通話だけでなくバックミュージックとして音楽を再生することもできるので、使い方次第でさまざまな使い方が楽しめそうだ。またBluetooth接続単体でも使用可能なので、通勤や通学といった外出先での使用も◎。
個人的にはiPhoneとBluetooth接続しておき、通知をオンにしておくのがおすすめ。PCでアクティブノイズキャンセリングをオンにしてゲームに没頭していても、iPhoneに通知が来れば同じヘッドホン越しから通知音が聞こえるので、すぐさま対応できる。仕事は気になるけど、ちょっと休憩したい時にも便利!
細かい設定が可能になる 「Turtle Beach Audio Hub V2」
ここまでは「Turtle Beach Stealth Pro」の基本機能を紹介してきた。これだけでも十分な機能ではあるが、専用アプリの「Turtle Beach Audio Hub V2」 を使うことで、より柔軟な設定が可能になる。
PC/Macはもちろん、iOSやAndroidにも対応しているため、さまざまなデバイスで使用することができるのも魅力のひとつ。
なお、PC/Mac版は「Turtle Beach Audio Hub」という別のアプリも存在する。こちらは「Turtle Beach Stealth Pro」には対応していないので間違えないようにしよう。
Turtle Beach Audio Hub V2:
https://www.turtlebeach.com/pages/audio-hub
接続が確認されると下記のような画面が表示される。
なお、アプリ内に表示されているボリュームは、「Turtle Beach Stealth Pro」本体のホイールで制御できるものを示していて、接続しているデバイスのシステムボリュームではない。システムボリュームのほかに、本体側でもボリュームが調整(ブースト)できるという感じだ。ただし、アプリ上でボリューム調整することはできないので、本体側のボリュームはあくまで本体のホイールのみで制御されるということになる。
それでは各タブの機能を紹介していこう。
ダッシュボード
■ゲーム
音質をプリセットから変えられるEQのオンオフができる。プリセットは下記の通り
シグネチャーサウンド:ごく自然な音質
ベースブースト:低音を重視した音質
ベースとトレブルブースト:低音と高音質を重視した音質
ボーカルブースト:ボーカルの声を重視した音質
なお直接スライダーを操作して音質を調整することが可能で、スライダーを調節した段階でプリセット名は「カスタム」と表示されるが、設定が保存されないため、別のプリセットを選択すると「カスタム」の内容は消える。
■CHAT
チャットブーストのオンオフが設定できる。オンにするとスライダーが調整可能になり、ゲームの音とチャットの音声(BluetoothまたはPC/Macで出力をStealth Pro Chatに設定した音声)の音量バランスを調整することができる。
■アクティブノイズキャンセリング
アクティブノイズキャンセリングのオンオフが設定できる。またオンにした場合、直下のスライダーが調整可能になり、ノイズキャンセルの強度を変更できる。スライダーを右側(ANC側)に移動させればさせるほど強力なノイズキャンセルを体感できる。
■マイク
内蔵マイクおよびブームマイクの設定ができる。ミュートにチェックを入れるとマイクをオフにできる。オンの時のみEQプリセットが変更可能だ。
シグネチャーサウンド:ごく自然な音質
フル:全体的にボリュームがブーストした音質
明瞭さ:話し声がしっかり聞き取れるようながちっとした音質になる
スムーズ:全体的に柔らかみのある音質になる
また環境音といったノイズを軽減するノイズゲート、マイクの感度、マイクのモニタリング音量などはそれぞれのスライダーで変更可能だ。
音質に関しては通話相手の環境にも左右されるが、実際に通話した相手の反応を見るとスムーズが聞き取りやすいという感想だった。またフルは全体的に音が大きくなるのでこちらもまた聞き取りやすいようだ。
なお、PCのファンの音やエアコンの音が気になる人はノイズゲートをマックスにしてみよう。驚くほど風切り音が軽減されるぞ。
■SUPERHUMAN HEARING®
足音や銃声が聞き取りやすくなるSUPERHUMAN HEARINGのオンオフが設定できる。オンにすると、レガシー、足音、銃声のプリセットが変更可能。またスライダーでさらに細かに設定が可能だ。
特に『VALORANT』では足音が重要なのでプリセットを「足音」にするといいだろう。
イコライザー
ダッシュボードで設定できた、ゲームEQやマイクEQおよび、Bluetooth接続時のイコライザーを任意に調整することができる。
プリセットを選択したのち、適当にスライダーを調整したのち、右下の「新規で保存する」か「保存」で新たな設定を選択、上書き可能だ。なお、ゲームEQを新規にセットした場合、ダッシュボード内のゲームEQはオフになり、こちらから設定することになる。
一方、マイクEQを新規に作成した場合は、ダッシュボードのマイクにあるEQプリセットからでも選択できる。なぜかこの辺はゲームEQとマイクEQで操作感が異なるので、アップデートで統一されることを願いたい。
カスタマイズ
各種設定や本体のボタンの設定を変更できる。
■自動停止
無音の状態が続いた場合何分後に電源をオフにするかを設定できる
■レベル
本体から再生されるビープ音やお知らせの音量が調整できる
ボイスプロンプト:電源オン時にアナウンスされるバッテリーの残量などのお知らせの音量が調整できる
トーン:各種設定を切り替えた時に鳴るビープ音の音量が調整できる
■機能リマッピング
本体の右側に配置されているセカンダリーホイールおよび、モードボタンの挙動を設定できる。PCモード時とコンソールモード時それぞれ個別に設定可能だ。なお、コンソールモードでは一部機能が割愛されている。
なおセカンダリーホイールとは、ボリューム調整とは別の設定をホイールで操作できるというもの。モードボタンを3秒間長押しすることで、セカンダリーホイールが機能し、一定時間操作がされないと元に戻るといった仕組みだ。
・セカンダリーホイールで制御できる機能
マイクモニター音量
アクティブノイズキャンセリングレベル
Bluetoothボリューム
SUPERHUMAN HEARING®ボリューム
Bass Boost Level
トリブルブーストレベル
ノイズゲート音量
ゲーム&チャットミックス
・モードボタンで制御できる機能
アクティブノイズキャンセリング(オン/オフ)
ノイズゲート(オン/オフ)
サイクルゲームプリセット
【PCモードのみ】マルチ機能
【PCモードのみ】チャットブースト(オン/オフ)
サイクルゲームプリセットは、ダッシュボードにあるゲームEQの切り替え、マルチ機能はミュージックプレイヤーなどの制御を意味している。マルチ機能にするとモードボタン1回入力で再生/停止、2回入力で次の曲へ、3回入力で前の曲へといった操作が可能になる。
ホットキー
ボリュームのミュートやノイズゲートのオンオフといった基本的な機能をPCやMacのキーボードショートカットに割り当てることができる。ボリュームをさっとミュートにしたい時などは、ファンクションキーにショートカットを割り当てるといいだろう。
同様にiOS/Android版の「Audio Hub」でもこれらの設定が調整/変更可能だ。iOS/Android版の魅力は、なんといってもゲームをしながらリアルタイムで調整しやすいという点。
PCでのプレイ時はもちろん、PS4やPS5などコンソールでゲームを楽しみながら、スマートフォンでEQや音量などをシームレスに調整できるのは思っている以上に便利。
もちろん、iOS/Android版、PC/Mac版に同じ機器で接続することで、iOSで設定した内容がMacに、Macで設定した内容がiOSにといった感じに、アプリ間で設定をシームレスに共有できるのも強み。
まとめ
Turtle Beachのヘッドセットのフラッグシップモデルというだけあって、機能は満載、音質十分といったまさにてんこ盛りの「Turtle Beach Stealth Pro」。
予備バッテリーがある上、片方は常に充電ステーションにセットしておけるので途切れることなくワイヤレス環境を楽しめるのが強みだ。
ただしバッテリーを交換する際、イコライザーやアクティブノイズキャンセリング、SUPERHUMAN HEARINGやマイクといった設定がすべてリセットされてしまうのが難点。機能リマッピングなどそのほかの機能は保存されているので、同様にこれらの設定も内蔵メモリーに保存されるようになるとなおうれしい。
ちなみに、設定はなんとしても残してバッテリーを充電したい! という人は、本体右側にあるUSBコネクターを利用して充電しよう。これならば常に充電しながらプレイできるので、疑似的に有線として使用することもできる。
【eSports World編集部の評価】
操作性:★★★★☆
機能性:★★★★★
デザイン性:★★★★★
かけ心地:★★★★☆
価格:★★★★☆
総合評価:4.4
デザインや機能性は申し分なく、着圧が強い分メガネをしていたら長時間の装着は疲れるかなと思いきや、そんなこともないのはさすがフラッグシップモデルといったところ。ただし重さが400g近いというのは評価が分かれるところ。
また専用アプリで細かい設定ができるほか、リアルタイムで設定が確認、反映できるのはうれしいポイント。なお、本体のファームウェアのアップデートはアプリとペアリングすると可能になる。ファームウェアのアップデートをする際は、充電ステーションとPC/MacをPCモードで接続し、本体とPC/MacをUSBケーブルで接続する必要がある。付属のUSB Type-Cケーブルが2本必要になるので用意しておこう。
PC、Mac、iOS、Androidといった主流のOSに対応している点も評価が高い。今回紹介した「Turtle Beach Stealth Pro」はPlayStation4/5に対応しているが、別途Xboxシリーズにも対応している「Stealth Pro Headset Xbox」もある。現在、国内発売はしていないが今後は国内で発売される可能性も高いのでそちらも要チェックだ。
機能満載なので、さまざまなシーンで活躍できる。ゲーミングヘッドセット選びで悩んでいるのであれば「Turtle Beach Stealth Pro」も視野に入れてみてほしい。
操作性:★★★★☆
機能性:★★★★★
デザイン性:★★★★★
かけ心地:★★★★☆
価格:★★★★☆
総合評価:4.4
デザインや機能性は申し分なく、着圧が強い分メガネをしていたら長時間の装着は疲れるかなと思いきや、そんなこともないのはさすがフラッグシップモデルといったところ。ただし重さが400g近いというのは評価が分かれるところ。
また専用アプリで細かい設定ができるほか、リアルタイムで設定が確認、反映できるのはうれしいポイント。なお、本体のファームウェアのアップデートはアプリとペアリングすると可能になる。ファームウェアのアップデートをする際は、充電ステーションとPC/MacをPCモードで接続し、本体とPC/MacをUSBケーブルで接続する必要がある。付属のUSB Type-Cケーブルが2本必要になるので用意しておこう。
PC、Mac、iOS、Androidといった主流のOSに対応している点も評価が高い。今回紹介した「Turtle Beach Stealth Pro」はPlayStation4/5に対応しているが、別途Xboxシリーズにも対応している「Stealth Pro Headset Xbox」もある。現在、国内発売はしていないが今後は国内で発売される可能性も高いのでそちらも要チェックだ。
機能満載なので、さまざまなシーンで活躍できる。ゲーミングヘッドセット選びで悩んでいるのであれば「Turtle Beach Stealth Pro」も視野に入れてみてほしい。
Turtle Beach Stealth Pro(Amazon):
https://www.amazon.co.jp/dp/B0BX76VRZL
Turtle Beach Stealth Pro 公式:
https://jp.turtlebeach.com/products/stealth-pro-playstation
掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。