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JRA-VANコラム

今年は阪神開催となる短距離重賞のCBC賞を展望する

2020年7月3日 10:35配信
記事提供:

クリノガウディー

今週末の重賞は、3歳中距離のラジオNIKKEI賞と古馬短距離のCBC賞の2レース。昨年の当欄では前者を分析しているため後者を取り上げたいのだが、今年のCBC賞は通常の中京ではなく阪神開催となる。そこで今回の分析は、コースとの相関性が比較的薄いと思われるデータを中心に進めていきたい。集計期間は、現行の7月開催となった2012年以降の8年分。データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

■表1 人気別成績

表1は人気別成績。1着は1~4番人気からしか出ておらず、1~3着のくくりでも延べ24頭中16頭が1~4番人気に集中している。対して穴サイドでは、複勝回収率100%以上を記録している7、8番人気を除くと、概して数値は振るわない。波乱を連想する人も多いであろうハンデ戦ながら、CBC賞は堅めの人気傾向を示しているようだ。

■表2 年齢別成績

表2は年齢別成績。過去8年で6勝を挙げた5歳馬は好走率、回収率ともに申し分ない数値を記録している。これに続く4歳と6歳の好走率はほぼ互角。一方、3歳馬の好走はなく、7歳以上の馬も22走して2着が1回のみと苦戦している。

■表3 前走斤量との比較

表3は、前走との比較でハンデが「今回増」「増減なし」「今回減」となる馬の成績を分けて示したもの。その差は一目瞭然で、圧倒的に「今回増」となる馬の成績がいい。表1の項で堅めの人気傾向であることを述べたが、この「今回増」の強さともリンクしていそうだ。なお、この斤量の増減に関しては、後述する表5~8の項でも細かく触れていく。

■表4 前走クラス別成績(中央の平地戦のみ)

表4は前走クラス別成績。対象とする前走は中央の平地戦のみで、リステッド競走はオープン特別に含めている。前走オープン特別とG1からの好走が多く、G2と3勝クラスからもまずまず好走が見られる。ただし、前走G1では高松宮記念組が【1.2.3.11】と1~3着の大半を占め、それ以外のG1組は【0.1.0.8】と大きな差がついている。この実態を踏まえると、前走を「高松宮記念組」「それ以外の重賞組」「オープン特別組」「3勝クラス組」の4つに分けるのが合理的で、その分類に従って表5~8ではより細かいデータを見ていきたい。

■表5 前走高松宮記念出走馬の各種データ

表5は前走高松宮記念組の各種データ。明確な傾向が出ているのは斤量だ。この組の好走馬6頭のうち5頭は「今回増」での出走で、好走率も抜群。また、着順とタイム差に関しては、高松宮記念で9着以内かつ0秒9差以内が好走ラインと考えてよさそうだ。

■表6 前走高松宮記念以外の重賞出走馬の各種データ

表6は、前走で高松宮記念以外の重賞に出走した組の各種データ。前走着順から見ていくと、2、3着だった計3頭が着外に終わっている一方、10着以下だった馬が3頭好走しており、ここにはあまりこだわらなくていいだろう。ただし、着順を問わずタイム差が0秒6以上だった馬は好走率が大幅に下がるため、0秒5差以内には入っておきたい。また、この組も斤量が「今回増」だった2頭がいずれも連対を果たしている。もうひとつ、この組で好走した5頭の前走レース名を挙げておくと、阪神牝馬Sが2頭、ヴィクトリアマイル、マイラーズC、京王杯SCが各1頭という内訳で、いずれも芝1400m以上のレースだったことも押さえておきたい。

■表7 前走オープン特別出走馬の各種データ

表7は前走オープン特別出走馬の各種データ。前走着順については6着以下だと好走率がかなり下がるため、5着以内には入っておきたいところ。(芝・ダート問わず)距離では1400mが、CBC賞と同距離の1200mを圧倒しており、「前走1400mのオープン特別で1着」なら【3.0.0.1】と素晴らしい成績を収めている。斤量に関しては、「今回減」だった馬は延べ26頭で好走1頭のみと苦戦。「今回増」か「増減なし」のほうが好走率は明らかに高い。

■表8 前走3勝クラス出走馬の各種データ

表8は前走3勝クラス出走馬の各種データ。前走着順が1着なら好走率はかなり高く、要注意の存在となる。距離は前走も1200mという馬が出走例の大半を占め、好走した4頭もここに該当する。斤量はこの組の14頭すべてが「今回減」。そこで斤量減の幅を見ていくと、今回1~1.5キロ減だった2頭はいずれも好走。残る2頭の好走馬は今回3キロ以上減だった。

【結論】

以上のデータ分析に基づき、今年のCBC賞に登録がある18頭から有力と思われる馬を挙げてみたい。

前走高松宮記念出走組は2頭。クリノガウディーは1位入線も4着降着となってG1制覇を逃したものの、この組の基準となる9着以内かつ0秒9以内はもちろんクリア。前走57キロ→今走58キロとハンデが1キロ増となるのもかえって好材料で、改めての重賞初制覇を目指したいところだ。一方、もう1頭のアウィルアウェイは高松宮記念が11着かつ1秒0差と好走ラインをクリアできなかった。

前走高松宮記念以外の重賞組は前走でタイム差0秒5以内が基準となり、芝1400m以上のレースを使っていた馬がよかった。今年はディメンシオンが、前走ヴィクトリアマイルは出走取消ながら、その前走の阪神牝馬Sが0秒3差の3着。斤量はヴィクトリアマイルの55キロから2キロ減の53キロで、データ的には今回増のほうがよかったが、それでもチャンスはあるだろう。

前走オープン特別組はそこで5着以内に入っておきたいところで、これを満たすのは鞍馬S1着のタイセイアベニールのみ。この組は斤量が「今回減」だと好走率がかなり低いため、前走同様のハンデ56キロとなったのはプラスと言える。年齢別で好走率が抜けて高い5歳というのも追い風になるか。

前走3勝クラス組はミッキースピリットのみのエントリーとなった。前走まで3連勝中の同馬は、もちろん前走1着。この組はハンデの減量幅が1~1.5キロだと2戦2好走で、前走57キロ→今走54キロと3キロ減となる本馬には合致しないが、3キロ減以上でも好走の目は残されている。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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