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JRA-VANコラム

3歳クラシックで活躍! エピファネイア産駒の特徴を探る

2021年6月21日 16:00配信
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2021/4/18 中山11R 皐月賞(G1) 1着7番 エフフォーリア

2019年に初年度産駒がデビューしたエピファネイア。昨年はデアリングタクトが牝馬三冠を制覇、今年もエフフォーリアが皐月賞を勝利した。今後も続々と大物を輩出するであろう種牡馬エピファネイアの特徴を初年度からのデータで探っていく。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

■表1 エピファネイア産駒の重賞勝利一覧(2021/6/13終了時点)

まず表1はこれまでのエピファネイア産駒の重賞勝利一覧。昨年はデアリングタクトが牝馬三冠制覇を達成。今年はアリストテレスが年明け初戦のアメリカJCCを勝利し、エフフォーリアが共同通信杯・皐月賞と連勝を決めている。

また負けはしたもののエフフォーリアは先日の日本ダービーでハナ差の2着、アリストテレスはG1初挑戦となった昨秋の菊花賞でコントレイルとクビ差の2着。その他にもオーソクレースが昨年末のホープフルSで2着と好走している。

牡馬、牝馬ともにG1を制覇し、特に3歳クラシックでの活躍が目立っている。また早い時期から完成度の高さを示す産駒が多いのも特徴だ。デビュー戦から能力の高さを見せたエピファネイア産駒は追いかけた方が良いだろう。

■表2 エピファネイア産駒の芝・ダート別成績(2021/6/13終了時点)

表2はエピファネイア産駒の芝・ダート別成績。黄色で強調したように芝での活躍が目立っている。勝利数の8割以上を芝レースで挙げており、単勝回収率も芝では100%を超えている。

エピファネイアの父シンボリクリスエスはサクセスブロッケンやルヴァンスレーヴといったダートの活躍馬も輩出しているが、母シーザリオは自身が日米オークス制覇を達成、エピファネイアのきょうだいが挙げた勝利もすべて芝のレースで、産駒はシーザリオの影響が色濃く出ていると考えられる。エピファネイア産駒は芝で狙っていきたい。

■表3 エピファネイア産駒の芝レース距離別成績(2021/6/13終了時点)

ここからはエピファネイア産駒の芝レースにおける特徴を見ていこう。表3は距離別成績。出走が多い1600m、1800m、2000mの比較では、2000mが勝率・連対率・複勝率いずれも最も高い。

また黄色で強調した2000~3000mの連対率・複勝率が安定して高いのが特長だ。エピファネイア自身も菊花賞は5馬身差、ジャパンCでは4馬身差をつけて快勝しており、2400m以上への適性が高かった。産駒にもその傾向が出ているといえるだろう。逆に1000~1400mだと忙しく、連対率・複勝率とも低い傾向にある。

■表4 エピファネイア産駒の芝レースクラス別成績(2021/6/13終了時点)

表4はクラス別成績。出走数が多い未勝利戦で最多の50勝をあげているが、次いで勝ち星が多いのは新馬戦で27勝。単勝回収率・複勝回収率ともに100%を超えている。新馬戦の競馬場別勝率では小倉【5.0.2.12】26.3%、中京【5.2.2.12】23.8%が高い。複勝率では札幌【2.2.2.2】75.0%、函館【1.1.2.4】50.0%、福島【3.2.2.7】50.0%が優秀で、夏競馬の新馬戦でチェックしていきたい。

また、G1における連対率・複勝率の高さは驚異的。3着以内に入ったのべ8頭はすべて前走を勝利しており、これら前走1着馬のG1成績は【4.3.1.1】。4着以下の1回も今年のオークスにおいてミヤビハイディが17番人気(単勝オッズ399.7倍)で勝ち馬から0秒5差の6着に入ったものだ。前走を勝利してG1に挑むエピファネイア産駒は要注目だ。

■表5 エピファネイア産駒の芝レース 前走からの距離増減別成績(2021/6/13終了時点)

表5は前走からの距離増減別成績。前走と同距離の馬が最多の39勝をあげ、勝率・連対率・複勝率いずれも最も高い。ただし、39勝中36勝は4番人気以内の馬でのものだった。

黄色で強調した今回距離延長の馬は連対率・複勝率で同距離の馬に迫っており、単勝回収率は100%を大きく超えている。こちらは5番人気以下の馬が8勝しており、9・10番人気で単勝万馬券だった馬が1勝ずつをあげている。

なお、今回距離短縮の馬は勝率・連対率・複勝率いずれも最も低かった。

■表6 エピファネイア産駒の芝レース母父別成績(2021/6/13終了時点)

表6はエピファネイア産駒の母父別成績。出走数が多いのは母父ディープインパクトだが、母父キングカメハメハの産駒が最多の21勝をあげ、勝率・連対率・複勝率いずれも母父ディープインパクトの産駒を上回っている。母父キングカメハメハの代表例としてはデアリングタクトが挙げられる。今年は金鯱賞2着、香港クイーンエリザベス2世C3着と勝ち星がないものの、能力の高さは疑いようがなく、復活に期待したい。

母父ディープインパクトからはアリストテレスやオーソクレースなどが活躍、皐月賞馬エフフォーリアは母父ハーツクライ。上位には日本ダービーやジャパンCといった東京芝2400mG1、または有馬記念で活躍した馬が多く並んでいる。

クラシックにおける活躍を受けて、今夏のセレクトセールなどで目玉となりそうなエピファネイア産駒。今年の2歳戦も要注目で、今後も産駒の好走傾向をチェックしていきたい。

ライタープロフィール

ケンタロウ(けんたろう)

1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。

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