JRA-VANコラム
2021年JRA最高勝率を誇る川田将雅騎手を分析する!
昨年199勝をあげてJRA最多勝を獲得したのはC.ルメール騎手。ただ、同騎手を差し置いて、2019年から3年連続で最高勝率を維持しているのが川田将雅騎手だ。今回のデータde出~たでは、川田将雅騎手の勝率の高さをデータから分析し、今年の馬券作戦に生かしていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
表1は昨年のJRA騎手リーディング勝利数トップ5。C.ルメール騎手が199勝をあげて5年連続で最多勝利騎手に輝き、川田将雅騎手は2位の136勝。以下、松山騎手、福永騎手、横山武史騎手までが100勝を超えていた。黄色で強調した川田騎手は他の4名と比べて、騎乗数が少ないことがハッキリとわかる。勝率ではルメール騎手を3.7ポイント上回る28.5%、複勝率でも53.8%でトップに立っている。騎乗の半数以上は馬券に絡んでいるので、予想する上で絶対にチェックしなければならない騎手だ。
また、1着数が2着や3着の2倍以上であるというのが驚異的で、それだけ勝ちにこだわった騎乗ができているという証明だろう。単勝回収率・複勝回収率ともにトップ5の中で最も高い数値となっている。馬券を買う際にアタマとして信頼できる騎手といえる。
表2は2017年から昨年までの川田騎手の年度別成績。黄色で強調したように勝率は17年から年々上昇しており、特に19年は26.0%と前年から10ポイント近い伸びを見せている。19年から昨年までは3年連続で最高勝率をキープ、13年・14年も最高勝率を叩き出しており、計5回目となった。19年以降は連対率40%以上、複勝率50%以上をマークしており、トップジョッキーとして熟練の域に達していることがわかる。
ここからは昨年の川田騎手を個々のデータから分析してみよう。まず表3は芝のレースにおける枠番別成績。外の5~8枠での勝率が高く、単勝回収率も軒並み100%を超えている。
国内のG1は昨年高松宮記念のダノンスマッシュ(7枠14番)、大阪杯のレイパパレ(6枠8番)、安田記念のダノンキングリー(7枠11番)と3勝しており、いずれも6・7枠での勝利だった。安田記念では8番人気(単勝47.6倍)のダノンキングリーに騎乗し、圧倒的1番人気のグランアレグリアをアタマ差抑えて勝利したのは記憶に新しい。
外枠から内の馬たちをみながらレースを進めて勝ち切るというのは、状況判断や追い出すタイミングなどが優れている結果だろう。今年も外枠での川田騎手の騎乗は興味深く見ていきたい。
表4は昨年のダート戦における馬体重別成績。黄色で強調した500kg以上の大型馬での勝率が高い。500kg以上全体では勝率33.3%、単勝回収率も115%。特に520kg以上では単勝回収率・複勝回収率ともに100%を超えていた。
大型馬でもきっちり追う技術に優れており、特性を生かした騎乗ができるということだろう。今年もこの傾向が続くのかチェックしていきたい。
表5は川田騎手の騎乗馬における前走からの斤量増減別成績。該当数は少ないものの、前走から斤量減となる馬が好成績をあげている。勝率38.9%と非常に高く、複勝率も64.8%と優秀だ。単勝回収率も134%と100%を大きく超えている。斤量が軽くなった馬を好走しやすい状況にもっていくのも川田騎手の技術の高さだろう。
斤量増減なしでも勝率28.0%と高く、単勝回収率は100%を超えている。ただ、前走から斤量増の場合は勝率・連対率・複勝率とも低下傾向にある。騎乗馬の前走からの斤量増減は細かくチェックしたいところだ。
※4勝以上を掲載。
表6は昨年の調教師別成績。トップは中内田厩舎で30勝をあげている。昨年54勝でリーディングトレーナーに輝いた中内田厩舎の勝ち星は半数以上が川田騎手とのコンビによるものだった。川田騎手×中内田厩舎は一大ブランドとしてすでに確立されているが、今年もその傾向が間違いなく続いていくだろう。人気になりやすい組み合わせとはいえ、それでも単勝回収率100%超えは素晴らしいとしか言いようがない。
友道厩舎でも15勝と勝ち星が多く、高野厩舎・安田隆行厩舎の7勝と続く。音無厩舎では現オープンのダノンハーロックの3連勝を含む7戦6勝と好相性。表の中では矢作厩舎のみ単勝回収率で100%を下回っているが、同厩舎でBCフィリー&メアターフ、香港カップと海外G1を連勝したラヴズオンリーユーとの活躍は昨年の名場面だった。
最後に表7は川田騎手×中内田厩舎の年齢別成績。勝利数が多いのは2・3歳戦で、勝率も高い。2歳戦では複勝率が81.3%と非常に高く、馬券では当然組み込まなければならない。昨年はセリフォスで新潟2歳Sを勝利。明け3歳の今年も同馬への期待は高い。
3歳馬で過半数の17勝をあげ、単勝回収率・複勝回収率ともに100%を超えている。4歳馬では率が下がるが、5歳馬ではダノンファンタジーのスワンS、アンドラステの中京記念と重賞を2勝している。
今後は中内田厩舎とのコンビでクラシックを制覇する場面を見たいところだ。今年もすでに5勝をあげ(1月9日現在)、C.デムーロ騎手ともにリーディングトップに立つ川田将雅騎手。2022年もその騎乗ぶりから目が離せそうにない。
ライタープロフィール
ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。
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