JRA-VANコラム
やはり桜花賞組? それとも別路線組? オークスを展望する
先週に続き、東京で牝馬のG1が開催される。今週は3歳馬によるオークス。3年連続で桜花賞馬が春の二冠を達成するのか、阻止する馬が現れるのか。過去10年のデータから展望していこう。データの分析には、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
近年、3歳春のG1ではキャリアの浅い馬が勝利する例が目立つ。オークスはどうかといえば、好走馬の大半はキャリア3~6戦から出ている。そのなかでも主流はキャリア4戦もしくは5戦で、好走率も高い。
前走桜花賞出走馬は、そこでの着順と4角通過順をチェックしたい。まず着順は、桜花賞で1~3着だった馬は合算して【7.2.3.12】という成績で、オークスでも半数は3着以内に入っている。4角通過順の傾向も明確で、桜花賞で4角1~4番手だった馬は【0.0.1.14】と苦戦が目立つ。両方のデータをまとめると、桜花賞で4角5番手以降から1~3着に入っていた馬が狙い目ということになる。
とはいえ、桜花賞4着以下からオークスで巻き返した馬もいないわけではない。過去10年で6頭おり、それらの戦績を調べると、23年のドゥーラ(東京未出走)を除く5頭には東京で無敗という共通項があった。さらに、そのうち3頭が2月東京のクイーンC勝ち馬であることにも注目しておきたい。
前走フローラS出走馬は、そこでの4角通過順と上がり3F順をチェックしたい。フローラSで上がり1~2位を記録することは絶対条件とも言え、この組のオークス好走馬5頭すべてが該当する。また、4角通過順は8番手以降が望ましく、フローラSで4角1~7番手だった馬はオークスでの苦戦傾向が顕著だ。
過去10年、前走が桜花賞とフローラS以外だったオークス好走馬は7頭いる。このうち、14年のバウンスシャッセを除く6頭の前走には「重賞・オープンか1勝クラス」「芝1800m以上」「1~3番人気で1着」という共通項がある。なお、バウンスシャッセも2走前のフラワーC(G3・芝1800m)では3番人気1着という成績を収めており、牡馬相手の皐月賞をノーカウントとみなせば前記の条件をクリアという見方もできる。
【結論】
桜花賞馬ステレンボッシュに死角なし
前走桜花賞組のうち「4角5番手以降から1~3着」に該当するステレンボッシュ(桜花賞で4角8番手→1着)とライトバック(同4角18番手→3着)は、当然有望とみるべきだろう。桜花賞4着以下から巻き返しを期待するなら、東京で無敗かつクイーンC勝ち馬のクイーンズウォークだ。
前走フローラS組は「上がり1~2位」を記録していることが絶対条件といってよく、これに該当するのは上がり2位だったアドマイヤベル。ただし、4角6番手だったため、フローラS組のもうひとつの条件として挙げた「4角8番手以降」は満たせなかった。
桜花賞・フローラS以外の前走からは、「重賞・オープンか1勝クラス」「芝1800m以上」「1~3番人気で1着」をすべて満たすミアネーロ、タガノエルピーダ、エセルフリーダの3頭を挙げておこう。
最後に上記7頭のキャリアを記しておくと、ステレンボッシュ、ライトバック、クイーンズウォーク、アドマイヤベル、タガノエルピーダ、エセルフリーダは好走率の高いキャリア4、5戦に該当。ミアネーロはキャリア3戦での出走となる。
ライタープロフィール
出川塁(でがわ るい)
1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。
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