JRA-VANコラム
【チャンピオンズC×過去データ分析】今年は3歳に斤量の恩恵!?

今週末のG1はダートのチャンピオンズC。昨年の覇者レモンポップの引退レースとしても注目される一戦を、過去10年のデータから読み解いていきたい。データ分析には、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

年齢別で安定しているのは3歳。通常古馬との斤量差は1キロだが、今年は日程の関係で2キロ軽い56キロ(牡馬)で出走可能で、例年より有利という見方もできる。なお、前回3歳が古馬より2キロ軽い斤量で出走できた19年は、3歳のクリソベリルが勝利した。4歳の成績は案外で、好走率で5歳や6歳の後塵を拝している。6歳は単複、7歳は複勝の回収値が高く、高齢馬の激走にも注意したい。

前走クラス別の成績を見ると、地方のダートグレード競走を使っていた馬の好走例が計18回と圧倒的。次いで、中央G3を走っていた馬の好走例も計10回と多いが、好走率はあまり高くない。この場合、前走中央G3の4角通過順が1~2番手なら【0.2.3.8】、複勝率38.5%で、先行力を備えた馬なら狙いやすそうだ。ほかに、中央G2(23年セントライト記念)と中央G1(京都で開催された18年JBCクラシック)から3着に入った例が1回ずつある。

地方戦に限った前走レース別成績を確認したい。主力となるのはJBCクラシック組と南部杯組で、前者の好走例が9回、後者が6回を記録。この両レースについては別途データを後述する。そのほか、前走JBCレディスクラシックのサンビスタが15年に1着、前走日本テレビ盃のクリソベリルが19年に1着、前走JBCスプリントのコパノリッキーが17年に3着に入った例がある。いずれも単発的な好走ではあるが、JBCクラシック組と南部杯組以外にもチャンスはある。

前走JBCクラシック出走馬に関しては、前走着順をチェックしたい。表4の通り、JBCクラシック組は1、2着馬より3、4着馬のほうが好成績というのがポイントで、特にJBCクラシック1着馬は【0.1.0.6】と意外なほど振るわない。該当する延べ7頭中5頭はチャンピオンズCで1番人気に推されており、かなりの不振と言わざるをえない。

前走南部杯出走馬に関しては、前走人気をチェックしたい。南部杯で1、2番人気なら【3.1.0.1】の好成績で、該当すれば有力だ。一方、3番人気以下だった場合は【0.1.1.6】といささかトーンダウンしてしまう。
【結論】
連覇に向けて視界良好のレモンポップ
前走JBCクラシック組は、そこで1着のウィルソンテソーロと2着のメイショウハリオの2頭が登録してきたが、後者は回避予定となっている。ウィルソンテソーロは昨年のチャンピオンズC2着馬ながら、JBCクラシック1着から臨む今年は不振のデータに該当し、データ分析からは推しづらい馬となった。
前走南部杯組は、そこで1、2番人気に推されているとチャンピオンズCで有力。今年1番人気だったのはレモンポップで、連覇に向けて視界よし。また、2番人気だったペプチドナイルも今回は南部杯2着からの逆転を狙っているだろう。
前走中央G3組は、その前走で4角1、2番手だった馬が4割近い複勝率を記録している。前走プロキオンSを4角1番手から制し、デビュー5連勝を飾ったヤマニンウルスはこの点でも注目の存在だが、本稿執筆時点では除外対象で、他馬の回避がない限り出走できない。もう1頭、サンライズジパングは前走みやこSが4角3番手でわずかに条件を満たさないが、3歳馬という点も考慮して名前を挙げておきたい。
ライタープロフィール
出川塁(でがわ るい)
1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。
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