展望
主役はやはり春王者ファインニードル! 舞台相性抜群レッドファルクスも忘れてはいけない存在
2018年9月25日 15:03配信
今年のスプリンターズステークス、主役となるのはやはり、春の高松宮記念を制してスプリント王の座に就いたファインニードルだろう。その後、香港で行われたチェアマンズスプリントプライズでは4着に敗れたが、今回の前哨戦となるセントウルSには快勝。他馬より2キロ重い斤量を背負っての完勝ぶりには絶対王者の風格が感じられた。今回の勝利はもちろん、暮れは香港スプリントに乗り込んで現地でのリベンジも期待される。
CBC賞と北九州記念を制しサマースプリントシリーズのチャンピオンとなったアレスバローズは、その後のレースを使わずにここ一本に目標を絞った。北九州記念の勝ちタイム1分6秒6は、日本レコードにコンマ1秒差と迫るもの。速いタイムでの決着に対する適性と連勝の勢いで王者に挑む。
牝馬の活躍も多いスプリント路線。今年最も大きな期待がかかるのはナックビーナスだ。昨年8月以降に走った10レースで3着以内に入れなかったのは2回だけで、うち1回はダート戦。とにかく安定味のある馬だ。戦法もレースによって逃げ・先行・差しと使い分けており、展開に左右されない対応力が武器になっている。スプリンターズSは初出走だが春の高松宮記念では昨年8着から今年3着と着順を上げており、G1レベルで戦えることは間違いない。ここで一気にタイトル奪取が成るか、注目される。
昨年・一昨年のこのレースを連覇しているレッドファルクスも忘れてはいけない存在だ。この春は高松宮記念8着、安田記念9着とかつて好走していたレースでの大敗が続き、今回は人気も落ちてしまいそうな一戦。確かに7歳という年齢を考えると状況は厳しいのだが、かつての強さ、そしてこのレースとの相性の良さを考えるとまだ見限れないものがある。
G1ホースということでは、昨年の高松宮記念優勝馬・セイウンコウセイも今回出走する。G1勝ちのあと出走した8レースのうち、1番人気に推されたのが1回だけというなぜか注目されにくいタイプ。レースでもG1馬のわりに大敗が多いのだが、逃げたレースでは今年のシルクロードS2着、函館スプリントS1着と結果が出ている。速い馬が多いなか、どのようにして自分向きの展開を作っていけるかが好走へのカギになるだろう。
逃げてレースを引っ張る候補としては3歳牝馬ラブカンプーも考えられる。まだ2勝馬だが、重賞2着は3回。セントウルSでも2着に粘った。3歳牝馬ということで53キロでの出走。斤量の軽さを生かして先輩たち相手にどこまで立ち回れるか。
スプリント王国・香港からはラッキーバブルズが来日した。2017年のチェアマンズスプリントプライズに優勝している実力馬。その後は7戦して勝利がないが、とにかく香港の短距離界はレベルが高いので、日本馬にとっては油断できない相手だ。
text by 須田 鷹雄