展望
異例のローテでラスト1冠狙うブラストワンピース!皐月賞馬エポカドーロは距離の壁に挑む
2018年10月16日 15:29配信
競馬の世界には「筋金入りのステイヤー」という表現がある(なぜか筋金入りのスプリンター、とは言わない)。3000mで行われる菊花賞はまさに筋金入りのステイヤーを探すレースのはずなのだが、近年はそもそもそういった血統構成やレース適性の馬が少なくなってしまった。まずは地力のある馬を評価し、その中で少しでも距離延長に耐えられそうな馬を見つけようというのが最近のトレンドだ。
皐月賞馬エポカドーロは、まさに距離の壁に挑むことになる。父オルフェーヴルは菊花賞を含む三冠を制した馬だが、母ダイワパッションはスプリンタータイプだった。3000mが大歓迎というわけではないので、能力にモノを言わせたいところ。またこの馬は一瞬の脚が速いというわけではなく持続力タイプなので、理想は前半スローから速めにレースが動き出し、後半~終盤はロングスパート合戦になるような形だ。
対照的にブラストワンピースは、競馬の世界で「上がり勝負」と呼ばれる、ラスト600mの速さで勝負できるタイプ。夏に新潟記念を使ってそこから直接菊花賞へというローテーションは異例中の異例で評価が難しいが、ダービー5着馬でもあるので世代の上位にいる存在であることは間違いない。
エタリオウは勝ちきれないタイプで、これまで1勝・2着5回。しかし2着の中には青葉賞、神戸新聞杯という重賞が含まれるし、ダービーでも4着と好走している。早めに捲り上げると自分の末脚が甘くなり、じっと溜めていくと先頭まで届ききらないという厄介な面はあるが、能力があることは確か。今回のメンバー中ではスタミナも上位なので、前の馬がバテてくれば、今度こそ1着まで届くという可能性はある。
逃げてレースをリードすることになるのは、メイショウテッコンかジェネラーレウーノのどちらかだろう。メイショウテッコンはパドックでテンションが高いことが多く、前走の神戸新聞杯(3着)でもそうだった。長丁場を考えるとスタミナの消耗は避けたいところ。レースによっては落ち着いて周回できているので、ファンはまず当日のパドックに注目したい。ジェネラーレウーノはこれがはじめてとなる、関西への輸送競馬を克服できるかどうかがポイント。理想は2番手からの抜け出し。一瞬の脚で決着がつくような展開だと分が悪いため、直線は全員がバテているような、消耗戦が理想だ。
菊花賞というと、夏の上がり馬タイプに期待したいというのも競馬ファンの心情。今年でいうとグロンディオーズがそのようなタイプだ。キャリア4戦で3勝、3着1回とまだ底を見せていない。半兄ムスカテールは2400~2500mで活躍した馬だし、他馬が距離を気にすると代わって浮上してくる可能性がある。
text by 須田 鷹雄