展望
牝馬ダート頂上決戦!ラビットランは女王の座を奪取できるか!?
2018年11月1日 10:26配信
ダートの牝馬路線は絶対女王がいない状況で、そのぶん多くの馬にチャンスがある。仮に今後女王となる可能性のある馬を挙げるなら、前走のブリーダーズゴールドカップを圧勝したラビットランだろうか。
ラビットランはアメリカのリーディングサイアー・タピットの産駒で、デビュー戦はダートだったのだが、4戦目以降は芝を使われ、ローズSを勝つなどしていた。その後芝での成績は低下したが、久々のダートでスパーキングレディカップ3着。そして前走の圧勝である。この馬が今回負けると牝馬路線はレースのたびに勝ち馬が変わる大混戦になっていくが、ここを勝ち切れればしばらくこの馬を中心に路線が回っていくことになりそうだ。
クイーンマンボはここ一年ほど勝ち星から遠ざかっているが、京都コースの平安Sで2着している点が評価できる。成績全体を見渡しても中央・地方それぞれのダートによる成績差が無い印象で、路面に関係のない安定した走りができる馬なのだろう。ダート路線の活躍馬にしては前半の行き脚がそれほどでもないので勝ちきれない競馬が多くなるが、地力そのものはある馬だ。
プリンシアコメータは前哨戦であるレディスプレリュードで大井のブランシェクールと接戦を演じ、これをアタマ差制した。条件馬時代から道中2~3番手にいることの多い馬で、ハナにこだわらない先行タイプというのはダート戦では大きな強みになる。京都コースの平安Sで大敗しているのは少し気になるがこれは牡馬相手のレースだし、牝馬路線ではやはり上位の1頭と評価せざるをえない。
リエノテソーロは2歳時に全日本2歳優駿を制し、牡馬も含めた2歳チャンピオンに輝いた馬。その後は芝も試されていたが、ダートに戻ってスパーキングレディカップを制した。この馬にとっての課題は距離。父スパイツタウンの産駒は短距離馬が多く、マイル戦をこなしているだけでも立派なほう。中央のコースで1800mというのは正直不安ではある。ただ勝つときのインパクトは強い馬なので、距離だけで完全に軽視できないのも事実だ。
フォンターナリーリは前々走で準オープンを勝ち、前走はじめての重賞挑戦となったブリーダーズゴールドカップで4着。このレベルではまだ少し足りない可能性もあるが、大敗が少ないことは強み。他の上位人気馬に食らいついて、どこまで着順を上げられるか。
カワキタエンカはエリザベス女王杯に登録もせず、こちら一本に絞って登録してきた。ディープインパクト産駒が重賞レベルで初ダートというのは常識的には評価しづらいのだが、ダート重賞の常連とは全く違うルートで来る馬、しかも徹底した逃げ馬というのは面白い存在ではある。この路線に風穴をあけるような逃げを打てるかどうか、楽しみだ。
text by 須田 鷹雄