展望
タレント揃いのマイルCS、昨年覇者ペルシアンナイト参戦も混戦必至!
2018年11月13日 12:23配信
今年のマイルチャンピオンシップ(以下マイルCS)はタレント揃いの一方で絶対的な存在がいるわけでもなく、ハイレベルな混戦。観戦する側としてもかなり楽しめそうな一戦だ。
昨年の覇者ペルシアンナイトも参戦するが、同馬は それ以降4戦して未勝利。その結果、今回は1番人気を他馬に譲る可能性もある。ただその間、G1の大阪杯では2着につけているし、前走の富士Sは勝ち馬(ロジクライ)より3キロ重い59キロを背負ってのレース。G1馬だけに前走はステップレースと割り切っていた面もあるだろうし、本番へ向けての上積みがあれば連覇があっても不思議ではない。
安田記念でマイル王の座に就いたモズアスコットが、秋もG1のタイトルを狙う。前走のスワンSでは圧倒的な1番人気に推されたが、ハナ差の2着。この馬の脚質だと差し遅れての惜敗は想像できたのだが、自分より後ろにいたロードクエストに差される形での敗戦は正直予想外だった。ただこれも勝ち馬と2キロ差があっての結果。生涯通じて12戦すべて4着以内という安定味は今回も発揮してくれるだろうし、もちろん勝ち切ってくる可能性も十分にある。
そのスワンSを2年ぶりの勝利として制したロードクエストは、結果として本番での作戦が固まったのではないだろうか。いろいろな戦略を試していたが、しっかり溜めて直線一気に賭けるのが良い結果につながりそう。昨年のこのレースでは9着だったが当時は前残り色の強いレース。展開次第ではこの馬にも出番がある。
NHKマイルCの優勝馬がアエロリット(昨年優勝)、ケイアイノーテック(今年優勝)と2頭揃って出走してくる。この2頭は前走毎日王冠からの参戦。実は毎日王冠→マイルCSというローテの馬は過去30年間(0.4.1.23)でそれ以前も含め優勝馬を出したことがない(間に天皇賞秋を挟んだ優勝馬はいる)。今年はこのローテに朝日杯FSの2着馬のステルヴィオもおり、長年の傾向が覆されるか注目だ。
他にG1馬では今年のヴィクトリアマイル優勝馬ジュールポレールや、昨年の皐月賞馬アルアインも登録している。アルアインは天皇賞秋4着からの参戦で、天皇賞組は過去10年だけでもカンパニーとサダムパテックがマイルCSを制している。かなり久々のマイル戦出走となるが、前半スローからの上がり勝負がこの馬にとって一番嫌なパターンなので、前半確実にある程度のラップを踏むマイル戦が意外と合う可能性もある。
ここまでに挙げたG1馬たちに加え、富士Sを勝ってG1獲りに挑むロジクライなど上がり馬タイプの馬たちも出走。実績馬がその力をみせつけるのか、新たなG1馬が誕生するのか、目が離せないレースになりそうだ。
text by 須田 鷹雄