展望
最大の目玉は牝馬三冠馬アーモンドアイ!
2018年11月20日 12:01配信
ジャパンカップに出走する最大の目玉といえば、もちろん牝馬三冠馬アーモンドアイ。G1で牡馬と対戦するのははじめてとなるが、不安より期待のほうが大きい。ここ10年のジャパンカップでは牝馬の好走が多く、この馬もそれに続いてくれそうだ。デビュー2戦目以降5連勝の内容はいずれも圧倒的なもの。ルメール騎手の評価も高いようだし、ここまでの調整も順調に進んでいる。敢えて不安要素を挙げるなら、やはり距離か。同じ距離のオークスを勝ってはいるのだが、最後の直線ではやや苦しい様子も見せた。2400mの距離ぶんきっちり、あるいはそれ以上のスタミナを問われる展開になると、多少の隙は出てくるかもしれない。逆にスローペースからの上がり勝負になれば、簡単に牡馬を一蹴する可能性もあると見る。
牡馬の代表格はスワーヴリチャード。天皇賞秋はスタートで他馬に寄られたこともあり、出遅れからそのままなにもできずに10着。ただ敗因はあくまでスタートという印象だったし、最後はJC以降を見据えて無理をしなかったようにも見えた。これまでのJCにおいて前走2ケタ着順から優勝した日本調教馬はいない(外国馬ではランドがブリーダーズカップターフ12着から勝っている)のだが、本馬は前走に言い訳のできる立場。東京コース適性の高さを今回こそ証明してくる可能性は十分だ。
前走京都大賞典で復活を果たしたのがサトノダイヤモンド。もともと走っていたレベルを考えるとG2で満足してはいけない立場で、今回完全復権を印象づけたいところ。それに成功すればここだけでなく、暮れの有馬記念についても期待が膨らんでくる。
昨年の覇者シュヴァルグランは京都大賞典が4着と案外の結果。さらに昨年のパートナーであったボウマン騎手が騎乗停止のため今回は乗れない。ただ、クリスチャン・デムーロ騎手という心強い代打が見つかったし、昨年にしても京都大賞典3着からの参戦だった。今年も昨年同様の積極策でチャンスをつかみたいところだ。
外国馬ではビッグネームと呼んでいいカプリが参戦する。昨年のアイルランドダービー馬にしてイギリスセントレジャー馬。ただこの秋は5、5、4着と不完全燃焼の競馬が続いている。凱旋門賞5着もあるので決して悪いというわけではないのだが、スタミナ寄りの馬で、軽い芝と速い上がりタイムへの対応力は疑問も残る。
もう1頭の外国馬サンダリングブルーはスウェーデンのG3優勝からカナディアン国際S2着を経ての来日。輸送に強いタイプであることと、早くから来日を決めていた点はプラス。ただ2010年に全く同じ臨戦過程だったモアズウェルズが15番人気13着だったことを考えると、やはり強気にはなれないところだ。
text by 須田 鷹雄