展望
38年ぶりの快挙なるか!?注目の牝馬グランアレグリアの前に立ちはだかるのは……
2018年12月10日 11:29配信
ルメール騎手が前週(日本では阪神JF)に香港遠征を予定していたため、牝馬ながら1週ずらして朝日杯FSに出走することにしたのがグランアレグリア。先輩のアーモンドアイに続き、打倒牡馬を実現できるかどうか注目される。
牡馬と牝馬のG1が分けられて久しいため性別の壁があるのかどうか判断は難しい。たた、だいぶ古い話になるが東西に分かれて全性戦の2歳G1を行っていた時代には、そこまで強いというほどではない牝馬も2,3着には食い込んでいた。グランアレグリアは既にサウジアラビアロイヤルCで牡馬を倒しており、ここでも普通に通用するのではと思える。長く良い脚を使える馬なので、東京から阪神に替わっても外回りコースならば問題ない。
立ちはだかる牡馬の代表格がアドマイヤマーズ。デビュー戦はちょっと苦戦しての勝利だったが、後から思えばハナ差2着だったのが後の新潟2歳S勝ち馬ケイデンスコール。その後の中京2歳S→デイリー杯2歳Sは完勝と言える内容だった。先行してもそれなりに上がりをまとめられる馬で、いわゆる「自分で競馬を作れるタイプ」の馬。自身に有利な流れを作ってグランアレグリアの差しを封じたいところだ。
京王杯2歳S優勝のファンタジストも登録してきた。この馬の場合はとにかく距離が課題だろう。1,600mは初経験だし、母ディープインアスク(現役時未勝利)は1,000mや1,200mを使われていた馬。そして父がロードカナロアだから、距離延長がプラスとは言い切れない。ただそれでも3戦3勝、うち2勝は重賞であり、やはり無視はできない。
同じロードカナロア産駒でも、先に名前が出たケイデンスコールは新潟2歳Sを制して1,600mへの適性を示している。この馬の3戦はとにかく自信の上がりが速い。位置取りが後ろになりすぎると別だが、スタートを決めて中団あたりにつけてくると、この決め脚はやはり他馬にとっての脅威となる。
オープン特別組ではニホンピロヘンソンが2戦2勝からここへ臨んでくる。1,400mの経験しかない馬だが、ルーラーシップ×コマンダーインチーフという血統でマイルもこなせないということはないだろう。この馬は一瞬の決め手では勝負できないので、位置を取るか上がりのかかる展開になるよう祈るか。あと未経験ではあるが、道悪になった場合もこの馬にとってはプラスとなるだろう。
マイネルサーパスは前走のきんもくせい特別がレコード勝ち。当日の馬場状態がどうなるか分からないが、最近はとにかく芝の時計が速くなる傾向なので、持ち時計があることはプラス要素だ。先行と差し2つの形で連勝してきたことも、どちらか片方しか経験していない馬よりはプラスに評価できる。
text by 須田 鷹雄