展望
G3連勝中のダノンスマッシュ、新スプリント王決定戦に挑む!
2021年9月7日 10:29配信
ファインニードルの引退で、戦国時代へと突入したスプリント界。高松宮記念へ向けたステップレースで強い勝ち方をした馬が複数登場し、新短距離王の座を狙っている。
1月27日に行なわれたシルクロードSでは、明け4歳馬ダノンスマッシュが快勝。他の人気馬が走らなかったとはいえ、4歳で56.5キロのハンデを背負い1馬身1/4差での勝利は完勝と言っていいだろう。その前の京阪杯から重賞連勝というのは父ロードカナロアが2012年に高松宮記念に挑んだ時と一緒。父は当時インで窮屈な競馬になってしまい勝ち切れなかったが、この馬は一気にG1タイトルを手にしてもおかしくない。
3月2日のオーシャンSはモズスーパーフレアが素晴らしいスピードを見せて逃げ切り勝ちを収めた。前半の600mを32秒3で入った時にはさすがにオーバーペースかと思われたのだが、後半もしっかりまとめて勝ち時計は1分7秒1。その前のカーバンクルSも1分7秒0だったし、とにかく速い時計になるとこの馬は強い。速いペースで逃げる馬なので絡んだ馬は大敗するリスクがあり、そのぶん単騎で行かせてもらえそうなのもこの馬にとっては有利な点だ。
オーシャンSで2着だったのがナックビーナス。ダートのJBCスプリントではさすがに大敗したが、芝のレースでは常に着差のないところに入っており、6歳牝馬でも力の衰えは感じられない。勝ち切れないタイプではあるが、上位候補の1頭だ。
2月24日に行なわれた阪急杯の優勝馬は出走しないが、当時2着のレッツゴードンキと3着のロジクライが登録してきている。レッツゴードンキは昨年・一昨年の高松宮記念2着馬。超高速決着になってしまうと分が悪いが、多少雨が降った場合などは上位人気馬を脅かす存在になってきそうだ。ロジクライは初めての1200m戦。正直リスクもある一戦で前半のペースに付いていけるかが問題だが、敢えて陣営がこのレースを選択したのだから、今の状態、特にメンタル面のそれが短距離向きになっているということなのだろう。
アレスバローズはこのところの成績が今一つだが、昨年夏には重賞を連勝した馬。7歳にして高松宮記念初挑戦となるが、同じコースのCBC賞を勝っているだけに、久々の好走があっても不思議ではない。
中京実績があるということでは、1400mだがファルコンSを勝っているミスターメロディも該当する。芝の1200m戦に出走するのは初めてなのだが、1400mでは常にセンスよく好位に付けている馬。1200mでも同じような位置を取れるようならば面白い存在になってくる。
text by 須田 鷹雄