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　確固たる主役がいない今年のヴィクトリアマイル。G1タイトルを持つ馬は近走で思うような結果が出ておらず、最近重賞を勝った馬はG1でも通用するかこれから試される立場となっている。

　直前の勢いということでは阪神牝馬Sを勝ってきたミッキーチャームが一番だ。もともと秋華賞2着の実力馬ではある。その秋華賞は相手がアーモンドアイだから2着でも仕方ないところ。当時は逃げ・先行勢で唯一上位に残って力のあるところを見せた。阪神牝馬Sはマイル戦かつ逃げない競馬で勝ってきたところに意味がある。アーモンドアイが居ないここで一気にG1タイトルを手にしたいところだ。

　同じ4歳馬で一昨年の2歳女王だったラッキーライラックはチューリップ賞以来の勝利、阪神JF以来のG1タイトルを目指す。阪神牝馬Sでは1番人気を8着と大きく裏切ってしまったが、極端に上がりの速い競馬で差しに回った馬はなにもできなかった面はあった。東京のマイル戦という条件はアルテミスS以来。積極的な位置取りをしてくるならば、まだまだ見限れない馬だ。

　アエロリットはアメリカのペガサスワールドカップターフに遠征した後の帰国緒戦。その前走は雨が降ってしまったうえにコース形態やペースも合わず、なにもできなかった。今回はコース替わり・条件替わりとしては確実にプラス。このコースはNHKマイルカップ勝ちがあるし、このレースでも昨年4着。しかも当時の1～3着馬は今回不在だ。あとは状態面とメンタル。アメリカ東海岸まで牝馬1頭で遠征して大敗してきたダメージが心身にどれだけ残っているかだろう。

　ソウルスターリングは2～3歳時の輝きがすっかり失われた状態が続いている。復活の可能性が高いとは言いづらい状況だが、なにかきっかけがあるとしたら休み明けで心身がリセットされたタイミングということは考えられる。今回休み明けであることはプラスにとらえたい。

　プリモシーンはまだG3レベルまでしか実績がないが、血統としてはかなりの良血馬だし決め手はメンバー中屈指。自分で競馬を作れるタイプではないが、前崩れの展開になると怖い存在だ。

　レッツゴードンキは1200～1400mを中心に使われているが元々は桜花賞馬だし、この距離も守備範囲ではある。ただこのレースは3回出走していずれも掲示板外と相性が悪い。フロンテアクイーンは2、3着の多い馬だったが前走で待望の重賞勝ち。G1ではちょっと苦しいかもしれないが、勢いをつけていきた点は評価できる。

text by 須田 鷹雄