展望
G1馬6頭出走の上半期総決算!レイデオロの復活成るか!?
2021年9月7日 10:29配信
今年の宝塚記念は登録13頭。最終的に出走するのは11頭くらいと思われるが、なかなかのメンバーが揃った。
ダービー馬レイデオロの復活成るかに注目が集まる。ドバイシーマクラシックでは押し出される形の競馬になり、自分の競馬ができずに6着。同レースでは昨年も4着と敗れており、どうも相性が悪い。ただ、国内のレースで馬券の対象から外れたのはまだ皐月賞だけ。前走からのレース間隔も十分にあるし、ここはダービー馬の威厳を示したい一戦だ。
人気を分けることになりそうなのがキセキ。2017年菊花賞以来勝ち星からは遠ざかっているが、JC2着、大阪杯2着と力のあるところは見せている。いわゆる溜め逃げができるタイプではないので自分の作ったペースが自分を苦しめてしまうようなところはあるが、宝塚記念は逃げ残りや2~3番手からの好走も少なくないレース。秋に控えた凱旋門賞遠征へ向けて、勢いのつくレースをしたいところだ。
アルアインは大阪杯で2つめのG1タイトルを獲得。好位置で競馬を進めて持続力で勝負するタイプで、自分で逃げることはしない馬。そのため逃げ馬が作るペースによって自分の運命が決まってしまうところがある。スローに落とした逃げを打たれると瞬発力がないためにいわゆる「キレ負け」の競馬になるが、起伏の少ないラップが淡々と刻まれる形になると強い。大阪杯はまさにそんなレースで、当時と同じキセキが再び逃げるというのはこの馬にとって好条件だ。
反対にリスグラシューは、上がりの速さで勝負したい馬。昨秋に優勝したエリザベス女王杯も、1200mの通過が1分13秒9というスローペースが有利に働いた面がある。今回はキセキがペースを作るとなると、この馬に合う流れになるかどうか。また、後ろからの競馬になる可能性が高いので、強豪牡馬をすべて差し切るとなると、なかなか難易度が高い。ただそれを成し遂げた場合、かつてスイープトウショウ(2005年優勝)のように、ファンに強いインパクトを与えることになるだろう。
スワーヴリチャードはG1馬のわりに今回ちょっと存在感が薄れているように思えるが、脚質に自在性があるし、ペースの対応幅も広い。宝塚記念は2200mという数字よりもスタミナに余裕がある馬のほうが強い傾向にあるが、2400mを得意とするこの馬はその点でも勝ち負けに絡んで不思議はない存在だ。
2016年のダービー馬マカヒキはニエル賞以来3年近く勝ち星が無いが、G2では2,3着に来ている。既に6歳でもありいきなり一変というわけにはいかないかもしれないが、3歳時の強さを考えるとこのまま終わってほしくはない馬だ。
text by 須田 鷹雄