展望
2歳王者決定戦!素質馬の中でも別格のコントレイルの対抗馬は!?
2021年9月7日 10:28配信
来年のクラシックへ向けてホープフルSでの走りが注目されるコントレイル。素質馬の揃った東京スポーツ杯2歳Sで1頭だけ次元の違う走りを見せ、5馬身差の完勝を収めた。単に時計や着差だけでは説明できない衝撃的な勝ち方で、ここで順当にG1勝ちを収める可能性も高そうだ。リスクがあるとすれば、馬場状態と展開。かなり決め手のある馬だけに、時計のかかる馬場や荒れ馬場になるとデメリットしかない。またここ2走がともに上がり特化型の競馬だっただけに、消耗戦になると違う適性を問われる。
コントレイルが意外な苦戦を強いられるようになると、代わって台頭してくるのがブラックホールだろう。札幌2歳Sはやや重で1分50秒4(1800m)という競馬。しかも3ハロン目からずっと12.2~12.5秒のラップが続くという、完全に持続力型のレースだった。2着のサトノゴールドもゴールドシップ産駒で、やはり近い適性どうしが好走した印象を受ける。馬場が荒れて時計がかかったり、ラップの起伏が小さくなるとこの馬が有利になってくるだろう。
両者の間に位置すると思われるのがラインベック。東スポ杯で完敗しているだけに、速い馬場で決めて勝負になるとコントレイルに対して分が悪い。一方で中京2歳Sを重馬場で勝っているだけに、時計がかかること自体は苦にしないはず。ある程度馬場が荒れたり渋ったうえでスロー寄りの展開になると、この馬にチャンスが出てきそうだ。
ヴェルトライゼンデはワールドエース、ワールドプレミアの半弟。ドリームジャーニー産駒だが490キロと馬格があり、2戦2勝だからまだまだ可能性を秘める。父の成績からも中山コース、特に暮れの中山は向く可能性があり、ここは楽しみな一戦だ。良馬場で速い時計の決着に対応できるようだと、この馬もクラシック候補に名乗りをあげることになる。
ワーケアは今年躍進を見せるハーツクライの産駒。2戦2勝はともに33秒台前半の上がりを繰り出してのもの。アイビーSは重馬場で33.3秒だから、決め手はかなりある馬だ。そのアイビーSで2着以下だった馬がその後いまひとつなのでそこが問題だが、本馬自身はしっかり着差をつけて勝っているわけだから、1頭だけ別格という可能性はある。
オーソリティも2戦2勝馬。オルフェーヴル産駒なので確実性を期待してよいかどうかは微妙だが、祖母がシーザリオ、おじにエピファネイアやサートゥルナーリアなど活躍馬多数の血統は魅力だ。
今年はここまで挙げた6頭が2勝以上。一方で1勝馬の中に1戦1勝馬はガロアクリークのみ。新馬勝ち→2戦目2着→ここという馬もいないし、基本的には2勝馬どうしの争いになりそうだ。
text by 須田 鷹雄