展望
インティ連覇の可能性は!?一昨年の覇者ノンコノユメら地方馬にも注目!
2021年9月7日 09:51配信
今年のフェブラリーステークスは絶対的と言える存在がいないが、そのぶん見る側としては楽しみの多いレースとなりそうだ。
まずは根岸ステークス組から見ていこう。勝ったのはモズアスコット。初ダートでいきなり重賞をモノにしてしまった。矢作調教師は、フランケル産駒はダートで走らないという世間の見立てを覆したというようなコメントを出していたが、どちらかというと驚くべきは初ダートそのもののほうかと思う。2000年以降、初ダートでJRAの古馬ダート重賞を勝った馬は同馬を含めて5頭しかいない。そのうちクロフネとメイショウボーラーはG1制覇までいったが、モズアスコットも続くことができるか注目だ。
根岸S組はそこで3着以内してきた馬でないとフェブラリーSでは通用しづらく、根岸S4着以下でフェブラリーS3着以内というケースは2004年のスターリングローズ(11着→3着)しかない。ということは今年の根岸S組で他に僅かなりとも可能性があるのはスマートアヴァロンということになるが、同馬は原稿執筆時点で出走権が得られるかどうか微妙な情勢だ。
他のレースから来る馬で注目といえば、やはり昨年の覇者インティ。その後勝利から遠ざかっているが、チャンピオンズC3着などもあり、力が落ちているわけではない。前走の東海Sでは前半5~6番手からという、以前では考えられなかった競馬で3着と好走。精神的に成長したところを見せている。今回はすんなりハナを切れる可能性もあり、そうなると連覇も見えてくるところだ。
インティに当時先着したヴェンジェンスは当時の斤量差を考えると逆転されてしまう可能性も高いが、この馬はこの馬で充実期にある。脚質に自在性があるところを生かして好走を狙いたい。
過去のJpn1レースで好走があるということでは南部杯の1,2着馬、サンライズノヴァとアルクトスがかなり期待できる。サンライズノヴァのほうは昨年既にフェブラリーSに出走し7着と敗れているが、アルクトスのほうはこれが中央G1初挑戦。東京のダート1600mは同馬にとってベスト条件でもあり、ここは初タイトルも期待できる。
今年は地方馬が華を添えるという点も話題だ。一昨年のフェブラリーS優勝馬で大井に転出したノンコノユメも出走。中央でのレースとなるとスタートが課題だが、近走の着順そのものはよい。大井生え抜きのモジアナフレイバーも東京大賞典3着と好走。ここを使ってドバイのゴドルフィンマイル出走を目指す。もう1頭の地方馬ミューチャリーもなんとか見せ場を作りたいところだ。
text by 須田 鷹雄