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宝塚記念で注目を集めそうな馬といえば、まずはサートゥルナーリアだろう。58キロを背負った金鯱賞で堂々の2馬身差勝ち。やはり能力があるというところを見せた。

あとは、レースの流れがどうなるかだろう。上がりに重点のある競馬に強みがあるだけに、消耗戦になった場合はやや不安が残る。超消耗戦だった有馬記念でも2着だったので不安という言葉を使うほどではないが、自身の強みが削がれるのか好ましくないということだ。

大阪杯を制したラッキーライラックは完全復調の印象。好位に構える競馬を基本としつつ、展開次第では差しに構える自在性も持っており、それもまた強みとなっている。鞍上のデムーロ騎手は最近ムラがあるというか良い時と悪い時の差が激しいが、この馬については自信を持って乗っている印象で、良い結果を出せそうだ。

クロノジェネシスは大阪杯2着。京都記念優勝に続いて牡馬相手でも戦えるところを示した。バゴの産駒には珍しく速い上がりも使える馬で、位置取りと終いの脚で好結果を出してくる。タイプ的にはどちらかというとサートゥルナーリアと好走パターンが近そう。逆にこの馬が苦しむ場合は、スタミナ勝負歓迎の馬が好走していそうだ。

ブラストワンピースは大阪杯でなにもできなかったというか、内・前で立ち回った馬が上位を占める競馬で強引な外捲りが大失敗だったという印象。前年の大阪杯と似たような競馬になってしまった。これまでのキャリア13戦で１着と４着以下のどちらかしかないという極端な馬なので、戦略が機能するか展開が向いた場合、いきなり復活して優勝ということもありうる。

グローリーヴェイズはドバイ遠征したもののレースが中止になってしまい、単にUAEまで往復しただけの結果に。ただ同じ経緯からヴィクトリアマイルに出走したアーモンドアイは楽勝したし、調整期間がより長いこの馬について今回状態面の心配をする必要はないだろう。香港ヴァーズはラッキーライラックや香港中長距離界の絶対王者エグザルタントを負かしての勝利だけに価値が高い。上位争いを期待される1頭だ。

菊花賞馬キセキはそれ以降勝ち星がなく、ここ4走は5着以下の苦しい戦いが続いている。いろいろな競馬を試しているが、この馬の持ち味である豊富なスタミナと、逃げも視野に入る先行力を生かして復活につながるレースをしてほしいところだ。

ダービー馬ワグネリアンも神戸新聞杯以来勝利から遠ざかっている。昨秋にはジャパンカップ3着もあるのでまだ力の衰えはないはず。2200mははじめてだがむしろ良さそうだし、こちらも復活の足掛かりとなるレースにしたい。

text by 須田 鷹雄