展望
3冠馬3頭が激突!アーモンドアイは有終の美を飾れるか
2021年9月7日 09:50配信
歴史に残る豪華メンバーとなった今年のジャパンカップ。結果はもちろん、人気順がどうなるかさえ分からないほどだ。
このレースに優勝経験があるのはアーモンドアイ。天皇賞秋を勝って史上初の芝G1・8勝を達成し、引退戦となる予定のジャパンカップに挑む。理想はスロー寄りに流れての好位押し切り。ただ今回は年下のライバルたちもその形にさせまいと積極的に動いてくるはず。それをはねのけて有終の美を飾れるか。
牡馬三冠馬コントレイルは世代交代を宣言したいところ。菊花賞馬がその年のジャパンカップに出走するのは、08年オウケンブルースリ以来実に12年ぶり。菊花賞が10月施行になった2000年以降では他に3頭が出走しているが、勝った馬はいない。単なる菊花賞馬ではない、三冠馬ならではというレベルの違いを見せたいところだ。
牝馬三冠馬デアリングタクトは、真っ先にこのレースへの出走を表明していた。やはりポイントとなるのは牡馬との対決。かつては牝馬戦線で強くても対牡馬戦では通用しないケースがあったが、近年牝馬全体の強さが増して、むしろ2キロの斤量差が強く作用するケースも多い。ジェンティルドンナ、アーモンドアイと先輩三冠馬があっさりジャパンカップを突破しているだけに、それに続きたい。
グローリーヴェイズは昨年勝った香港ヴァーズを狙いたかった面もあったはずだ、遠征が容易でない今年の状況を考えたか、こちらへ回ってきた。同じ勝負服のアーモンドアイとはタイプが異なり、こちらはスタミナ色の強い展開になってほしいはず。逆に言えば、同じ勝負服のどちらか片方は上位争いに顔を出してくる可能性が高い。
カレンブーケドールはどうにも勝ちきれないが、大敗もしない。オールカマーは八分どころか六分程度の仕上げだったが、それでも勝ちに等しい2着までいった。キレるタイプではないので、積極的に動いて持続力・スタミナ勝負に持ち込みたい。
ワールドプレミアは昨年の有馬記念以来、11カ月ぶりの出走。ここよりは有馬記念のほうが適性はありそうだが、前半が流れて消耗戦になれば出番があってもおかしくはない。
同じく菊花賞馬のキセキは前へ行くのか控えるのか。それによって今回の展開が決まりそう。一昨年は絶好の馬場状態で逃げてアーモンドアイに交わされたが、今年は芝がかなり荒れていて、こちらのキセキにとっては向く条件かと思える。
今年唯一のウェイトゥパリスには、今年の状況下で来日してくれたことを感謝したい。ただ今年7戦を消化して上がり目に乏しいし、軽いスピードがあるわけではないので正直苦戦が予想される。
text by 須田 鷹雄