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今年の阪神ジュベナイルフィリーズはファンになじみのある血統の上位人気馬が多く、楽しみな一戦となった。

ソダシは3連勝でアルテミスSを制覇。函館→札幌と洋芝の1800mを勝っていたが、札幌2歳Sがレコード勝ちだったようにスピードにも秀でている馬なのだろう。クロフネ×キングカメハメハで母がダートの活躍馬というと娘もダートが向きそうに思えるが、全く違うタイプに出た。これまでのレースと同様好位に構えることになりそうだが、阪神芝1600mは直線が長く差しも届くコース。他馬の差しをすべて凌げば、同じコースで行われる桜花賞への期待が高まってくる。

メイケイエールはソダシの近親にあたる。ソダシの祖母、メイケイエールの3代母がともにシラユキヒメだ。こちらは1200m→1400mと使われて今回は距離延長の一戦。ファンタジーSをレコード勝ちしたスピード馬だけに、距離についてはやや心配なところがある。ただ父ミッキーアイルも1600mまではこなしていたし、この馬も同じようになってほしいところだ。

サトノレイナスは弥生賞を勝ったサトノフラッグの全妹。新馬・サフラン賞を連勝してきた。阪神ジュベナイルフィリーズは前走1勝クラス組があまり走らないレース（過去10年で50頭が出走し優勝はショウナンアデラのみ）なので既に重賞を勝ち負けしている馬と戦えるのかはやや不安だが、差し脚質なので展開次第ではソダシやメイケイエールを倒す可能性もある。一瞬の反応というよりはどんどん加速してくるタイプだ。

インフィナイトはブラックスピネル（東京新聞杯勝ち）の半妹で、ダンビュライト（京都記念勝ち）の姪にあたる。モーリス産駒でキレ味があるタイプではないが、好位からしぶとく伸びるタイプ。偶然だが、勝った新馬戦も牡馬相手に2着だったサウジアラビアロイヤルカップも不良馬場。道悪になった場合は経験が生きそうだ。

オパールムーンはファンタジーSでメイケイエールに負けているが、こちらは距離延長歓迎のタイプ。ファンタジーSでは33秒5の上がりをマークしたし、後方からズバっと差す競馬をしてくる可能性もある。

ジェラルディーナは名牝ジェンティルドンナの3番仔。勝ち上がりまでに3戦を要したが、血統が血統だけにいきなりG1レベルで通用するということもありうる。

ヨカヨカはこのレース通算11頭目となる九州産馬の出走。これまでの10頭はすべて2ケタ着順だったが、この馬は北海道産馬相手にオープン勝ち・重賞5着。九州産馬としての最高着順獲得が期待される。

text by 須田 鷹雄