展望
絶対的な存在が不在!2021年GI開幕戦は波乱の予感
2021年9月7日 09:41配信
絶対的な存在がいない今年のフェブラリーステークス。まだタイトルのない馬たちにとっては、大きなチャンスだ。
レッドルゼルは根岸ステークスを勝っての参戦。この1年で大敗したのはプロキオンステークスのみで、レース内容が安定している。差し馬は展開によって成績にムラができやすいが、それがないのは能力のあらわれだろう。今回の課題は、はじめての経験となる1600mという距離。初距離の不安はもちろんあるが、1400mでのレースぶりを見るかぎりあと1ハロンはこなせそうに思える。
東海ステークスを勝ってきたオーヴェルニュは反対に、距離短縮でのフェブラリーS挑戦。好位に行きたい馬だけにマイル戦のペースに対応できるかがカギになるが、東海S組からは過去10年で3頭の勝ち馬が出ているのでこちらも大きなマイナスにはならないはず。2019年のインティも東海Sからというローテーションで、マイル以下の経験がなくてもここで優勝した。
そのインティは3年連続の参戦。優勝した一昨年に比べると脆さが目立つようになってしまったが、逃げて自分の形に持ち込むことができたら好走も可能なはずだ。
タイトルホルダーということでは昨年の南部杯優勝馬アルクトスも出走を予定。昨年のフェブラリーSでは乱ペースを作った当事者となってしまい大敗したが、今年は有力馬に差しタイプが多いし、一転して展開に恵まれる可能性もある。スタート地点が芝(東京)かダート(盛岡)かの違いはあるが、ワンターンのダート1600mで大レースを勝っている点は強みだ。
サンライズノヴァは一昨年の南部杯優勝馬で、フェブラリーSでは4着(18年)、3着(20年)と好走歴がある。18年と20年には武蔵野ステークスを勝っていて、とにかくこのコースとは相性が良い。明けて7歳になったので以前と同様のパフォーマンスを発揮できるかは微妙だが、差し馬向きの展開になったときなどはまだ怖い存在だ。
タイトルホルダーということでは昨年のかしわ記念に優勝したワイドファラオも今回出走を予定。当時は逃げて展開に恵まれた面もあったしその後は馬券に絡んでいないのだが、まだ5歳で能力が落ちる段階ではない。インティなど他の逃げ先行馬との折り合いをつけて久々の好走を実現したいところだ。
カフェファラオはジャパンダートダービー、チャンピオンズカップと大レースでは結果が出ていないが、フェブラリーSと同じコースのユニコーンSで圧勝している点が魅力。当時のインパクトと鞍上ルメール騎手の魅力で今回は上位人気となりそうだ。
text by 須田 鷹雄