展望
注目は距離短縮組!レシステンシア中心、対抗は念願のGI馬になった「あの馬」
2021年9月7日 09:46配信
今年の高松宮記念は1400m以上の距離から来る馬、いわゆる距離短縮の有力馬が目立つ。1番人気になる可能性があるレシステンシアも阪急杯の芝1400mから来る。しかもこの馬は1200mが初経験だ。
同馬は緩急のある逃げを打つと結果が良くないということが分かっているので、一気に押し切れる可能性のある1200mは確かに合う可能性もある。ただ、GIレベルの1200mは前半のスピードや負荷がまた違う面がある。そこを克服できるかがテーマだ。
ダノンスマッシュは香港スプリントを制して念願のGI馬となった。いまの香港スプリント界は過渡期というか突出した馬がいない状態だが、それでもスプリント路線の強さは世界最高レベル。そこで勝ってきたのは価値がある。高松宮記念では過去に4着と10着で相性が悪いが、東京での京王杯SC勝ちがあるので左回りがダメなわけではない。スプリントの専門家として距離短縮組に対抗したいところだ。
インディチャンプもレシステンシアと同様、はじめての1200m戦。6歳・キャリア20戦めで初距離のGIとは、思い切ったレース選択をしてきたという印象だ。マイルGIを2勝している実力馬だけに好走の可能性もあるだろうが、正直なところレシステンシアよりも距離に不安感はある。チャンスがあるとしたら先行勢が負荷をかけあって差しが届きやすい展開になったときか。
ラウダシオンもマイルのGIホース(NHKマイルC)だが、こちらは1200mデビューかつ前走で1200mのシルクロードSを使ってきた。距離への対応ということでは一定のメドがたっている。ただシルクロードSでは500グラムとはいえハンデの重かったライトオンキューに先着されているし、NHKマイルC馬は古馬になって苦労するケースも多いのは気がかり。逆にここで1200mでもやれるという手ごたえをつかんでおきたい。
モズスーパーフレアは昨年の高松宮記念で繰り上がり1着。とにかく迷いのない逃げ馬で、躊躇ない逃げを打つぶん負けるときは派手に負ける。昨年の好走において道悪という要素は大きかっただろうし今年同じくらい馬場状態に恵まれることはないだろうが、良馬場でも時計のかかるコンディションなら戦える馬。この手の馬は、堅実さが望めない一方で一発の魅力が常にある。
ダノンファンタジーは2018年の阪神ジュベナイルフィリーズ優勝馬だが、古馬になってやや伸び悩んでいる面はあった。それが阪神カップで久々の勝利。阪神JFは追い込み勝ちだったが、おそらくいまは好位に行って粘り込む競馬のほうが向いている。あとは1200mのペースの中でそれをできるかだろう。
text by 須田鷹雄