展望
ダノンザキッド、エフフォーリア、タイトルホルダー…混沌の皐月賞、王冠はどの馬に!?
2021年9月7日 09:40配信
2歳GIホープフルステークスの覇者ダノンザキッドが弥生賞で3着と敗れたことで皐月賞戦線は混沌としてきた。
ただ、弥生賞を勝ったタイトルホルダーが代わって主役になったかというと、そうも言えない。弥生賞は1000mの通過が62.6秒で後半は59.4秒とというかなりのスローペースだった。同馬が同じような逃げを皐月賞でも打てるかというと、そう簡単ではないだろう。逆に、敗れたダノンザキッドは弥生賞で上がり3ハロン最速の34.2秒という足を使っても届かなかった形なので、展開次第で復活は可能だ。
ちなみに弥生賞から皐月賞へ向かった馬は過去10年[0-5-2-34]と勝っていない。弥生賞勝ち馬は[0-3-0-6]、弥生賞2着馬は[0-0-0-9]。弥生賞と皐月賞は同じ中山芝2000mで行われるが、弥生賞連対馬が奮わないことは両レースのペースが異なることを示唆している。これはダノンザキッドに有利なデータだ。
ではどのレースが皐月賞に結び付いているのかというと、過去10年[4-0-2-10]の前走共同通信杯組。今年共同通信杯を勝ったのはエフフォーリアだ。
エピファネイア×ハーツクライという血統は一見すると持続力型のステイヤーだが、ここまでのレースぶりでは速い上がりのレースを得意としている。いわゆるキレや瞬発力がある馬で、いまの時代に強いタイプの馬。スタートしてすぐ好位つけるセンスもあるし、いまのところこの馬が皐月賞の主役ということになりそうだ。
共同通信杯で2着のあと、スプリングステークスを制したのがヴィクティファルス。共同通信杯で負けているぶん普通に考えるとエフフォーリアに対して分が悪いが、前が止まって差しが届く展開になれば逆転も可能だろう。皐月賞はエポカドーロが勝った2018年やアルアインが勝った2017年のように何年かに一度持続力型の馬が浮上する展開になることがあるが、そうなった場合にはヴィクティファルスの出番がある。
すみれS勝ちのディープモンスターは4戦4連対と崩れていないことで皐月賞でもある程度支持を集めそう。一線級と対戦していないため評価は非常に難しい。スタミナの余裕はありそうなので、バテる馬が多数出るような消耗戦になるとよいかもしれない。
若葉ステークス勝ちのアドマイヤハダルは馬体重を増やしながら連勝を飾っており、馬が充実してきているという印象。ロードカナロア産駒でダービーの2400mは自信が持てないだけに、ここで結果を出しておきたい。
きさらぎ賞1,2着のラーゴム、ヨーホーレイクあたりにも上位食い込みの可能性があり、ファンにとっては難解な一戦となりそうだ。
text by 須田鷹雄