展望
絶対女王グランアレグリアの独壇場か!?上半期の牝馬チャンピオンに輝くのは?
2021年9月7日 09:40配信
絶対女王グランアレグリアがヴィクトリアマイルに出走してくる。東京芝1600mといえば、安田記念であのアーモンドアイを下した舞台。実績はもちろん、適性の面でも他馬を大きく引き離している。
前走の大阪杯では4着と敗れたが、重馬場に泣かされた面があった。折り合いそのものはついていたので、1600mへの短縮となる今回はさらに競馬がしやすいはず。力を出し切れれば、この馬の独壇場となるだろう。
対照的にレシステンシアは高松宮記念の1200mから400mの距離延長が課題。溜める競馬が向かず一気に押し切る競馬が得意な馬だけに、距離延長、しかもワンターンで直線の長い東京に舞台が変わることはプラスではない。ただ過去には桜花賞やNHKマイルカップでも2着と好走しているし、今週の東京芝コースはAコースからBコースへと仮柵の位置が変わる。内ラチ沿いが伸びるコンディションならこの馬のチャンスが広がる。
デゼルは父がご存知ディープインパクト、母が2014年の仏1000ギニー・仏オークス馬アヴニールセルタンという超良血馬。2戦2勝で臨んだ昨年のオークスは大敗してしまったが、もう一度実績を積み重ねて阪神牝馬ステークスでは待望の重賞タイトルを手にした。ときには上がり3ハロン32秒台を繰り出すその末脚は大きな武器。グランアレグリアには血統のスケール感でも負けていない。
マジックキャッスルは阪神牝馬ステークスでデゼルの2着。これまで重馬場の桜花賞だけは12着と大敗してしまったが、それ以外はすべて5着以内、キャリア10戦中7戦は1着か2着という安定した馬だ。母ソーマジックはどちらかというと早熟タイプだったが、この馬はむしろ3歳秋から良くなってきている。一気に全馬を負かすイメージまでは湧かないが、今回も上位争いに加わってくる可能性は高い。
サウンドキアラは昨年の2着馬。そのあとが10,10,4,6着と馬券に絡んでいないが、年齢的な衰えではなく、敗因は相手関係だろう。この4走はすべて牡馬相手のG1か定量・別定のG2。強気なレース選択をしたためのものだし、着差的にはここ2走0.4秒差とそう大きくは負けていない。牝馬どうしのレースに戻るここでは、昨年のような好走があっても不思議ではない。
テルツェットは4連勝という勢いや、マイル戦で負けていない点が魅力、相手は強くなるが、いきなり通用してもおかしくはない。反対にリアアメリアは2歳時の輝きを取り戻したいところ。ここまで左回りは3戦2勝、負けたレースもこの馬にとって距離の長いオークスで4着。コース替わりに望みを託したい一戦だ。
text by 須田鷹雄