展望
ソダシが無敗での二冠に挑む!未知の距離攻略なるか…?
2021年9月7日 09:40配信
白毛馬ソダシの二冠成るか。ライバルのサトノレイナスがダービーに回ったため、その確率は増している。
敵がいるとしたら新興勢力というよりは距離だろう。クロフネ産駒で距離をこなした馬もいるが、芝2400m以上の重賞では[0-1-2-27]。人気になるような馬もいなかったのだが、先に重賞レベルの産駒成績がないというのはやはり不安ではある。ただ折り合いに苦心するタイプではないし、距離でばったり止まるイメージもない。好走はできるが、この馬の場合優勝しないと意味がないのでそこまでいけるか、というところだろう。
金子真人オーナーはもう1頭、有力馬としてアカイトリノムスメを出走させる。ディープインパクト×アパパネという夢の配合で、こちらのほうが距離に関しては安心感がある。どちらか1頭をNHKマイルカップに回さず2頭出ししてきたというのは、ソダシで二冠を狙いつつ、距離の保険としてこの馬を出走させるという風にも解釈できる。
桜花賞好走馬では3着だったファインルージュが出走予定。重賞勝ち馬(フェアリーステークス)のわりに地味なイメージのある同馬だが、これまで大敗がなく、キャリアも4戦とまだ伸びしろを残している。母パシオンルージュが短距離馬だっただけに、この馬も距離は課題。父キズナからどの程度スタミナを受け継いでいるか。
さらに少ないキャリア3戦でオークスに臨むのがアールドヴィーヴル。クイーンカップでアカイトリノムスメに負けてはいるが、キングカメハメハ×ディープインパクトという配合はアカイトリノムスメ(ディープインパクト×キングカメハメハ)の逆で、こちらも距離延長は歓迎。今回も差す競馬になりそうだが、前が止まる展開なら怖い存在だ。
トライアル重賞のフローラステークスはクールキャットが制した。スクリーンヒーロー産駒の牝馬というのはあまり成績が良くなかったのだが、ウインマリリンに続いて重賞級が出てきた。2勝はともにルメール騎手でのもので、今回同騎手が乗れないのはマイナスだが、外枠を克服した前走の内容には見るべきものがある。今回も好位をとって直線しぶとく粘るような競馬をしたいところだ。
フローラステークス組では、3着だったユーバーレーベンも人気を集めそう。阪神ジュベナイルフィリーズから3着が3回続いたように決め手に欠くところはあるのだが、距離延長は歓迎。3月に亡くなった岡田繁幸さんの残した牝馬ということで、応援しているファンも多い。
距離を生かして浮上したいのがステラリア。忘れな草賞の勝ち馬は、人気のないときほどオークスでは怖い存在になる。
text by 須田鷹雄