展望
適性の幅が広いエフフォーリアが中心、サトノレイナスの挑戦にも注目!
2021年9月7日 09:40配信
今年の日本ダービーはフルゲートが18頭になって以降はじめてフルゲート割れする見通しだが、一方で皐月賞上位馬は揃って参戦予定。別路線組も主だったところは出走してくる予定で、内容的には充実している。
皐月賞組ではやはりエフフォーリアが一歩抜けた存在だろうか。3馬身という着差で勝手きたこともそうだが、とにかく適性の幅が広い。血統そのものは皐月賞のような持続力型の競馬に向きそうなのだが、共同通信杯のような、超スローから上がりだけの競馬にも対応している。よほど展開に逆らう競馬をしてしまわない限り、今回も優勝争いに絡んでくることだろう。
タイトルホルダーは今回も逃げの手か。ダービーを逃げ粘るというのはなかなか難しいが、見せ場は作れる立場だし、この馬の作るペースがレースの行方を決めるという意味で注目が必要な馬だ。
ステラヴェローチェは終いの脚に良いところがあるし、気が付くと良いコースを通っているレースの上手さがある。ダービーはCコース替わりの週で内ラチ沿いのコンディションが良いはずだが、いわゆる「内からスルスル」という差し方をしてきそうだ。
アドマイヤハダルは距離延長が微妙だが、安定した成績の馬なので大崩れもなさそう。ヨーホーレイクは皐月賞の上がり最速をマークしており、差しが届く展開なら侮れない存在だ。
皐月賞以外の組では、なんといってもサトノレイナスの挑戦が話題だ。阪神ジュベナイルフィリーズ、桜花賞とも2着に敗れたが、前を行くソダシを捕まえきれなかったもので終いの脚色はかなり目立っていた。エンジンのかかりが遅い印象があるが伸び出してからはとことん伸びる馬。府中の長い直線をフルに使えば牡馬を倒しても不思議ではない。そもそも古馬戦では牝馬が牡馬を圧倒している昨今、3歳でそれが起きないと考えるほうが不自然でもある。
青葉賞組はこれまでダービー優勝馬を出していない一方で2,3着馬はある程度の数出してきている。今年青葉賞を勝ってきたワンダフルタウン、ハナ差2着だったキングストンボーイにも上位に食い込む可能性はある。
過去10年のうち2回優勝馬を出しているのが前走京都新聞杯組。今年はレッドジェネシスが勝ってダービーに駒を進めてきた。上がりのかかる展開でもしぶとく末脚を伸ばせる馬。一瞬のスピードを問われる形だと分が悪いが、消耗戦の中で差し合いという形になるとしぶとさを発揮しそうだ。
text by 須田鷹雄