展望
人気は牝馬に集中か クロノジェネシス&レイパパレを脅かす馬は?
2021年9月7日 09:39配信
今年の宝塚記念は牝馬が上位人気を独占する見通し。着順も同様になるのではという印象のメンバー構成だ。
主役はクロノジェネシス。既に牡馬相手のG1を2勝しており、どのような相手でも人気になって当然の馬だ。ドバイシーマクラシックでは2着に敗れたが着差はわずかクビ差。当時先着したラヴズオンリーユーはそのあと香港のクイーンエリザベス2世カップに優勝している。
クロノジェネシスの強みは適性の幅が広いこと。良馬場でも道悪でも大丈夫だし、スローからの上がり勝負でもロングスパートの持続力勝負もこなせる。なにかリスクがあるとしたら昨年の宝塚記念と有馬記念がともに捲る競馬だったので、そのタイミングが合わなかった場合。ただ今回は強い馬が少なく、外々を強引に捲っても負荷は限られそうだ。
レイパパレはデビューから無敗の6連勝で大阪杯を制覇。負けていないというのは無限の魅力でもあるし、自分で競馬を作れるのは強み。大阪杯は逃げ切りだったが、番手からの競馬もできる。大阪杯は道悪の巧拙が結果に出た感じがあったので、今回良馬場になった場合クロノジェネシス相手にどこまでやれるかが注目。もし良馬場で互角の競馬をするようなら、天皇賞秋などでも有力馬になっててくる。
カレンブーケドールは天皇賞春に出走して3着。スタミナ自慢で上がりがかかる競馬のほうが良い馬なので、距離短縮はプラスではなく、道中がスローになるとさらに立場が弱い。ただ中盤が緩まず上がりがかかるようだとこの馬の良さが出てくる。勝ち切れていないが牡馬相手の豊富なG1好走歴を忘れてはならない。脚質的にレイパパレに一度はならびかけにいくだろうし、そこの攻防が今度はクロノジェネシスvsレイパパレの結果にも影響してくる。
アリストテレスにとって天皇賞春の3200mは長すぎたというのがルメール騎手の評価だが、菊花賞の内容を考えるとそのまま受け入れてよいのかどうか。適性を評価するためにもまずは良馬場で能力をフルに発揮したい。逃げ・先行勢がやりあって共倒れになるときにはチャンスがありそうだが、そのときはクロノジェネシスも浮上してくるので、勝ち切るというよりは好走して2~3着のイメージでもある。
ユニコーンライオンは鳴尾記念を逃げ切ったが当時はかなりペースに恵まれた。対レイパパレでどう出るか興味深い存在ではあるが、勝ち負けまでは厳しい印象もある。キセキは手探りの競馬が続いているが7歳でも衰えはない。昨年の2着馬でもあり、特に馬場が渋ったときには好走の可能性が出てくる。
text by 須田鷹雄