展望
秋の最強牝馬決定戦!レイパパレが2つ目のGlタイトルを狙う
2021年11月9日 10:39配信
今年のエリザベス女王杯は、牡馬を相手に結果を出してきた馬が多数登録している。それだけレベルの高い一戦と言えそうだ。
レイパパレはデビューから6連勝で大阪杯のタイトルを奪取。重馬場だったので評価は難しいが、コントレイルやグランアレグリアを下しての勝利だけに価値は大きい。その後宝塚記念、オールカマーと連敗で勢いが止まってしまった形だが、牝馬戦ならば地力で押し切る可能性もある。常に好位で競馬ができる、いわゆる「自分で競馬を作れるタイプ」だけに、今回も見せ場は確実に作ってくるだろう。
オールカマーでレイパパレを下したのがウインマリリン。昨年は秋華賞15着からここへ挑戦して4着。しかも差し馬勢が上位を占める中で、唯一先行タイプとして上位に踏みとどまった。日経賞1着→天皇賞春5着→オールカマー1着という今年の内容は昨年よりもしぶとさを増しているという印象。一年前より地力を強化しているとすれば、今年は勝ち負けになってもおかしくない。
ウインキートスはオールカマーで2着。目黒記念勝ち当時が52キロ、日経賞と札幌記念で大敗しているぶん、ウインマリリンと比較した場合に分が悪いのは正直なところ。それでもオールカマーでは上がり最速タイをマークしたし、この馬なりに地力は強化している。距離の2200mはいかにも向きそうな馬だ。
テルツェットもダービー卿CTで牡馬相手の重賞勝ちがある。左回り巧者で速い上がりを使う馬という印象だったが、クイーンSでは函館で良馬場とはいえ雨が降る中での勝利。上がり最速とはいえ35秒2とある程度タイムを要す競馬で勝ったことは、新境地開拓と言えるだろう。勝ったのは1800mまで、経験したのは2000mまでという馬なので距離延長は課題だが、血統そのものからはこなして不思議はない。
一方、牝馬路線から来る馬のエース格は秋華賞馬アカイトリノムスメだ。牝馬三冠で4着→2着→1着と着順を上げ、世代の頂点に立った。1ハロンの距離延長は問題ないし、ここで一気に古馬まで含めた牝馬のトップに立ちたいところ。今回はレイパパレとウインマリリンがともに先行タイプなので、ともに負荷をかけ合って差し馬向きの流れになるとこの馬の出番になる。
ランブリングアレーも差し馬向きの流れならある程度走れそう。いかにも晩成タイプという印象で、5歳の今年になって重賞初制覇とG1の連対を果たした。デゼルは前走の府中牝馬Sで積極的な競馬を試したが結果に繋がらなかった。やはり差し脚に賭けたほうがよいのかもしれない。2戦2勝と阪神競馬場とは相性が良い。
text by 須田 鷹雄