展望
コントレイルが最後のレースに臨む!3冠馬の名誉を守る有終の美なるか?
2021年11月23日 12:31配信
今年のジャパンカップ、注目や人気を集めるのはコントレイル。
天皇賞秋は2着に敗れたが、上がりタイムはメンバー中最速でやはり力のあるところを見せた。ここが引退戦となる予定だが、最近は引退戦がマイナス材料にはならない。むしろ後のことを考えずに目一杯の仕上げができるので良い面もある。今年勝たないまま終わるのと、最後にインパクトのある勝ち方をするのとでは種牡馬としての価値にも影響してくる。悔いのない競馬をしてほしいところだ。
ダービー馬シャフリヤールは神戸新聞杯でまさかの4着に敗れたが、極端な不良馬場だったのでノーカウントと考えることもできる。今回良馬場なら、ダービーと同じ舞台に戻るわけだから条件替わりとして悪いわけがない。ダービーのときはチャレンジャーの立場だったが今回は2強のうちの1頭としての競馬。他の差し馬にマークされる形でも結果を残せるか、課題があるとしたらそこだろう。
ユーバーレーベンもオークスを勝った舞台へ替わる形。エリザベス女王杯に向かわずこちらを選んだのは、それだけコース適性を意識してのことだろう。輸送を考えると東での競馬というのもプラス。古牡馬相手にどれだけやれるのかは正直分からないところだが、オークスの差し脚は強烈だったし、3歳牝馬の53キロは侮れない。
オーソリティは57.5キロでアルゼンチン共和国杯を勝っての参戦。ここまで東京の重賞では1,1,2,1着と得意にしている。一方でG1では5,14,10着と良いところがない。「東京のG1」は初めてなので、そこで結果が出てくるかどうか。スタミナ色の強い馬だし、極端に速い決着タイムや上がりタイムは避けたいところ。消耗戦は歓迎だ。
マカヒキは京都大賞典で感動の復活劇。すべてがうまくいった印象なので再現は難しいのかもしれないが、ダービーを勝った思い出のコースでもう一度後輩相手に良いところを見せてほしいものである。今回はワグネリアンも含めダービー馬4頭というのも今後経験できないかもしれない見どころだ。
外国調教馬は3頭が参戦予定。グランドグローリーはたまたまではあるのだが良馬場で走ったことが少なく、それゆえ時計の裏付けが全くない。昨年のヴェルメイユ賞で9着になって以降は2000m戦ばかり(1戦だけ2100m)に使われており、距離も不安だ。
日本人がシェアオーナーのジャパンとブルームはともにブリーダーズカップターフからの参戦。そこで先着しているブルームのほうが今季の成績が良いし、左回り得意。ただブルームは今年すでに10戦、ジャパンも5月以降で7戦を消化しており、そのうえでアメリカからの転戦となると状態を作るのはかなり難しいだろう。
text by 須田 鷹雄