展望
決め手あるセリフォス、ジオグリフはペースが鍵を握る!?
2021年12月14日 10:36配信
今年の朝日杯フューチュリティステークスで注目を集める馬といえば、まずセリフォスだ。デビューからマイル戦だけを使われて3戦3勝。新潟2歳S、デイリー杯2歳Sと重賞も既に勝っている。デイリー杯は通常だと京都だが、今年は阪神での開催だった。本番と同じコースを経験していることは強みになる。なにか不安材料があるとしたら、阪神の芝が連続開催で荒れてきていることか。決め手のある馬だけに、せめて良馬場で競馬はしたいところである。
もう1頭注目されそうなのがジオグリフ。父ドレフォンは今年の2歳新種牡馬でどちらかというと短距離タイプなのだが、本馬は1800mの新馬戦と札幌2歳Sを連勝してきた。母アロマティコが中距離タイプだったので、距離の融通がきくようになっているのだろう。札幌2歳Sは強引とも言えるレース運びで圧勝。あとはマイル戦のペースにどれだけ乗れるかだ。こちらは時計のかかる馬場は苦にしないだろう。
ダノンスコーピオンはリステッドの萩Sを含めて2戦2勝。いずれもタイム差無しの勝利だったので一見インパクトは薄いが、新馬戦で負かしたルージュラテールはその後2勝。戦ってきた相手はそれなりだ。2戦がともにスローの競馬だったので前半が速くなると不安は残るが、外回りコースでもありそこまで無茶に飛ばしていく馬もいないだろう。
ドウデュースもリステッド(アイビーS)を含む2戦2勝。これまで数々の高馬・良血馬を所有してきたキーファーズ(馬主)が、武豊騎手に悲願の朝日杯制覇(これまで21回騎乗して2着5回、優勝なし)をプレゼントできるか注目されている。若馬らしからぬしぶとい競馬ができる馬なので、直線で叩き合いの形に持ち込みたい。
ドーブネはセール(オンラインセール)で税込み5億円以上、オーナーがサイバーエージェントの藤田晋氏と、なにかと話題になってきた馬。新馬が1500m、2戦目のききょうSが1400mで今回は初距離となるが、血統的に1600mがこなせないはずはない。単純に相手強化に対応できるかがテーマだろう。
オタルエバーはここまで4戦がすべて逃げる競馬。1600mを2戦したあと1400mを使われてきたスピード馬で、外回りの1600mを逃げ切るのは正直難しいかもしれない。ただペースを作るのはこの馬になる可能性が高い。レースの行方を握るという意味で重要な存在ではある。
他に逃げ候補にはプルパレイもいる。無理にハナへ行くというタイプではないが、それでもここまでの4戦はすべて4角先頭。新潟ではレコード勝ちもしているし、先行有利の展開になったらファンの予想以上に粘る可能性もある。
text by 須田 鷹雄