展望
コマンドライン、3連勝で来年のクラシックシーズンを迎えられるか
2021年12月24日 15:14配信
今年のホープフルステークスは登録段階で15頭とフルゲートを割り込んできたが、強い馬がいるからというのもその理由のひとつだろう。
その強い馬=コマンドラインはデビュー前からかなり注目されていた馬だ。国枝厩舎は初戦から仕上げてくるタイプではないが、それでも6月の新馬戦を快勝。4か月後にここへの復帰戦として選んだサウジアラビアロイヤルカップも問題なく通過した。今回は距離が400m伸びて2000mということになるが、むしろ2000mのほうが安心して見ていられる血統。国枝栄調教師のダービー制覇はご自身だけでなくファンの念願ともなっているが、この馬はその夢を叶えてくれそうな存在。ここで躓くことなく、3連勝で来年のクラシックシーズンを迎えたい。
キラーアビリティはリステッド競走の萩Sで2着。そのときの勝ち馬は朝日杯フューチュリティS3着のダノンスコーピオンだ。萩Sは6頭立てかつかなりのスローペースで、上がりタイムをどれだけ出せるかだけが問われたようなレース。この馬はディープインパクト産駒ながらそういう競馬より平均ペースのほうが得意のようにも見えるので、例年ある程度上がりタイムのかかるホープフルSは向いているかもしれない。
オニャンコポンは田原邦男オーナー・小島茂之調教師のブラックエンブレム(2008年秋華賞優勝)コンビが久々にG1へ送り込む有力馬。先行してしぶとく粘るタイプの馬なので、まずは無難な枠を引いて2~3番手につける形を作りたいところ。時計勝負になると分が悪いので、雨が降ってくれるとベターだ。父エイシンフラッシュということで地味に見られているところがあるかもしれないが、祖母は名牝サプレザ(英G1のサンチャリオットSを3連覇)。大レース向きの底力もある。
アスクワイルドモアはここまで2,2,1,2着と勝ち切れない面があるが、逆に言うと崩れてもいない。7月にデビューした馬だがペルーサ(青葉賞勝ち)の甥にあたる血統で、早熟色が強いというわけではなく、まだ良くなる余地を残している。北海道の洋芝だけしか経験していないので、この馬も時計のかかる馬場を望みたいタイプだ。
ジャスティンパレスはセール時2億600万円(税込み)という高馬。2戦2勝だが5頭立ての新馬戦と6頭立ての1ショウクラスなので、ファンもこの馬の実力をはかりかねているところだろう。ここまでの2戦より前半が速くなるので、それでも好位をキープできるかが好走への鍵となる。
フィデルも2億円強の高馬。京都2歳Sの内容を見るとまだG1では足りないように見えるが、成長する余地は十分に残している。少しでも上の着順を狙いたい一戦だ。
text by 須田 鷹雄