展望
絶対王者不在のスプリント界…混戦模様のレースを制すのは?
2022年3月22日 10:02配信
絶対的な王者が不在のスプリント界。ピクシーナイト不在ということもあって、さらに混戦の度合いが高まった。既にG1で好走歴がある馬と新興勢力の対決にも注目だ。
レシステンシアは2歳女王だが、3歳以降は海外を含めてG1での2着が5回。ペースの緩急が得意なタイプではないので、よりフラットな流れになりやすいスプリント戦は合っている。昨年の高松宮記念はクビ差の2着、中京で行われたセントウルSはピクシーナイトに勝利。コース適性が保証されているのは強みだ。
メイケイエールはコントロールが効くのかどうかがポイントの馬だが、池添騎手が2回乗って手の内に入れてきた。シルクロードSは他の先行馬が軒並み崩れた中で勝っており、勝ちが高い。今年はシルクロードSが中京施行だったので、本番のコースを試せたのはプラスだろう。
グレナディアガーズはマイルCSこそ大敗したものの、それ以外のレースでは大きく崩れていない。先行しても差しに回っても好走できる自在性が強み。1200m戦は今回初めてだが、定量G2・1400mの阪神カップを勝っているのだから完全にスピード負けするということはないはず。今回は差しに回る可能性が高いと思うが、前半のペースが速くなるとこの馬に出番がありそうだ。
サリオスは輸送スケジュールの関係でドバイターフを断念し、香港のチャンピオンズマイルが地元馬のみでの開催となったことでここしか選択肢が無くなった。もともと高松宮記念というプランもあったようなので陣営は1200mにも対応できると見ているのだろうが、正直やってみないと分からない面はある。香港マイル3着で復活の兆しが見えただけに、その流れを断たないよう好走したい一戦だ。
ダイアトニックは1400mがベストの馬かもしれないが、函館スプリントS勝ちもあるし一昨年の高松宮記念で3着。1200mも戦える馬だ。明けて7歳になったがここ2戦の内容は十分に良いし、高齢馬だからといって侮れない。
トラヴェスーラも7歳にしてまだまだ元気で、むしろいまが一番充実しているかもしれない。昨年の高松宮記念で4着、その2走前は中京施行の淀短距離Sで1着とコース実績もある。ここ3走は後方からの競馬を選んで4,2,2着と好走しているので、今回も前半は溜めていくはず。自分で競馬を作れない弱みはあるが、追い込み馬向きの展開になったときはファンのイメージ以上に好走できる。
ジャンダルムはG1だと分が悪いかもしれないが、オーシャンSを勝ってきた勢いはある。前半楽に好位を取れれば再度の好走も可能になる。
text by 須田 鷹雄