展望
チューリップ賞制したナミュール、2歳女王サークルオブライフが中心
2022年4月4日 15:37配信
今年の桜花賞は、チューリップ賞を快勝したナミュールが注目を集めそうだ。そもそも阪神JFも、出遅れたうえに伸びないコースを選ぶ結果となり、想定される中で最悪の競馬をしたうえでの4着。むしろ地力のあるところを見せた一戦とも言えた。チューリップ賞の内容は、抜け出してからの脚が他馬とは次元の違うもので、満点に近い内容。同じコースだけに桜花賞での再現は可能だ。唯一、小さい牝馬だけに馬体・コンディションを維持できるかどうかだけが課題となる。
2歳女王サークルオブライフはチューリップ賞で3着に敗れたが、まだ見限れない。チューリップ賞で惜敗した馬が桜花賞で巻き返すことはよくあるし、この馬にもその可能性はある。チューリップ賞は内枠から好位に行く形となったが、桜花賞では阪神JFと同様控える可能性も十分。脚を溜めてそれを炸裂させれば、阪神JFの再現もありうる。
チューリップ賞で2着と好走したのがピンハイ。コース取りがうまかった印象だが、新馬勝ちからチューリップ賞2着なので、単純に能力があるとも解釈できる。こちらはナミュール以上に馬体重のない馬なので、やはり状態維持が課題だ。
プレサージュリフトは新馬戦とクイーンCを連勝。ともに33秒台の上がりタイムをマークしており、阪神の外回りコースにも向きそうだ。ナミュールとハービンジャー産駒どうしの激闘を演じる可能性もある。距離はこちらのほうが延長に対応できそうなので、ここで好走するとオークスも見えてくる。
ラブリイユアアイズは阪神JF2着から桜花賞本番へ直行。デビューから阪神JFまで20キロ減って428キロになっていたことを考えると、前哨戦を使わず直行にしたことは正解だろう。関東馬なのでトライアル重賞に使うとなると輸送の問題もあった。ここまで挙げた馬たちに対しては力負けするような印象もあるが、安定味はある馬なので人気以上の好走は可能だと考える。
ウォーターナビレラはチューリップ賞で5着と、この馬にしては崩れてしまった。当時は明らかに状態が整っていない印象だったので、本番に向けてデキの上積みはありそう。今回サークルオブライフが差しに構えるとすると有力馬の中で前に位置するのはこの馬くらいということになる。先行馬有利の展開になれば復権もありうる。
フィリーズレビュー組は例年チューリップ賞組に比べると劣勢だが、今年も現時点ではそのように見える。サブライムアンセムはデビューから7戦を消化しており、近年の相場としては使い込まれているところが問題。ナムラクレアは距離に不安がある。それぞれそこを乗り越えられるかどうかだ。
text by 須田 鷹雄