展望
混戦模様の皐月賞 ホープフルS覇者のキラーアビリティに注目
2022年4月12日 10:20配信
今年の皐月賞は絶対的な存在がおらず、かなりの混戦。展開次第でどの馬が好走してもおかしくなさそうだ。
ホープフルS勝ち馬のキラーアビリティは前哨戦を使わずに直接向かってきた。ディープインパクト産駒だが瞬発力勝負というよりは持続力に優れている印象で、脚質にも自在性がある。ホープフルSのようにある程度前に位置してしぶとく抜け出すような競馬をイメージすると、いかにも皐月賞には向きそう。あとはぶっつけで使うだけに、どこまで状態を整えてこられるかだろう。
近年皐月賞に最も繋がってきたレースは共同通信杯で、今年はダノンベルーガが制した。2戦2勝はいずれもスロー寄りの展開から速い上がりタイムをマークしてのもの。どちらかというと皐月賞よりダービーに向くタイプのようにも思えるが、単純に能力の絶対値が高い可能性もある。
イクイノックスはキラーアビリティよりもさらにレース間隔が開く、東スポ杯2歳Sからの参戦となる。新潟と東京の芝1800mを連勝してきたが、前者は好位からしぶとく粘る競馬、後者では差しに回って鋭い差し脚を披露した。今回はじめての右回りとなるが、2戦がともにかなりの圧勝だっただけに期待のほうが先行する。
皐月賞と同じ条件で行われる弥生賞はなぜか近年あまり本番に結び付いていないのだが、今年はメンバーが充実している。勝ったアスクビクターモアは無理せず好位に付けるセンスがあるし、スタミナに余裕もありそう。弥生賞よりさらに持続力を要求されても対応できるのではないか。弥生賞2着のドウデゥースは朝日杯FSの勝ち馬。弥生賞時点では目一杯仕上げたという感じではなかったし、本番に向けての上積みはあるだろう。
スプリングSは逃げた馬と2番手の馬が1,2着の、いわゆる「行った行った」の決着だった。中盤もそれなりに流れていたのだが、スタートしてから12.9秒、11.6秒と遅めのラップで最初のコーナーに入れたことが勝ち馬のビーアストニッシドにとっては幸運だった。今回は京都2歳Sや共同通信杯で負かされた相手も出てくるだけに、もう一度展開を味方につけたいところである。
オニャンコポンはその馬名もあって競馬ファンの人気が高い。京成杯というのは正直あまりGIには繋がらないレースだが、この馬は母の父が皐月賞馬ヴィクトワールピサ、父も皐月賞3着のエイシンフラッシュと血統的に皐月賞とは相性が良さそうだ。
デシエルトは3連勝からの参戦。逃げたい馬だが今回は同型が何頭かいるので、それを制して競馬ができるかどうかというところだろう。
text by 須田 鷹雄